ブリッカとミニエキスプレス、2つのマキネッタで淹れたコーヒーの違い

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我が家にはビアレッティの製品が2つあります。一つはミニエキスプレス、もう一つはブリッカです。今回はこの2つを使って、抽出したコーヒーの味の比較をしてみたいと思います。

同じビアレッティの製品を比較してみる

ビアレッティといえば、直火式コーヒーメーカー(マキネッタ)ですね。スタンダードなモデルのモカエキスプレス、クレマを人工的に作り出すことができるブリッカ、小型のミニエキスプレスなど、すべてモカコーヒーを淹れるための道具ですが、それぞれで淹れたモカコーヒーの味は違うものなのでしょうか。

今自分の手元にモカエキスプレスはありませんが、ブリッカとミニエキスプレスがあります。クレマを作り出すブリッカと、ストレートにモカコーヒーを抽出するミニエキスプレス。この2つで同じコーヒー豆を使用してコーヒーを淹れたとき、その味わいはどの程度違うのか、少し前から気になっていたので、今から実際に飲み比べて確かめてみたいと思います。

コーヒーを淹れる条件

今回淹れたコーヒーは、以下の条件のもと抽出しています。

  • 使用したコーヒー豆:コスタリカ エルバス イエローハニー
  • 焙煎度:フレンチローストぐらい
  • コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):1
  • ドリッパー①:ビアレッティ ミニエキスプレス
  • 豆の使用量①:9g
  • 抽出量①:94ml
  • ドリッパー②:ビアレッティ ブリッカ
  • 豆の使用量②:22.5g
  • 抽出量②:150ml
  • 秤:ハリオ ドリップスケール

ビアレッティブリッカとミニエキスプレス

飲み比べる前に、2つのマキネッタの違いを少々。ちなみにこの2つの詳細については、ミニエキスプレスのレビューブリッカのレビューで細かく書いているので、時間があればぜひ読んでみて下さい。

ビアレッティブリッカとミニエキスプレス

4杯用のサイズということもあってブリッカのほうが大きい。ちなみにミニエキスプレスはこのワンサイズのみです。

バスケットにコーヒー豆を詰めた2つのマキネッタ

上下を分離させて、バスケット(ろうと)にコーヒーを豆を詰めて使用する量をはかります。バスケットも、もちろん本体サイズが大きいブリッカのほうが大きい。

使用するコーヒー豆の量は、バスケットにいっぱいに詰めてはかります。フレンチローストくらいの焙煎度のコーヒー豆の場合、重量でいうとブリッカが22.5g、ミニエキスプレスが9gでした。両者の差は2.5倍です。

バスケットにコーヒー粉を詰めた2つのマキネッタ

コーヒー豆の量をはかったら、細挽きで挽いてバスケットに戻します。挽くとふんわりするせいか、コーヒー豆の状態よりも体積が増えるので、少し余裕を持たせたつもりでしたが、コーヒー粉が入り切らなかったので、それぞれ少し粉を落としています。

コーヒー粉を準備できたら、下部のタンクに規定量の水を注ぎ、コーヒー粉を詰めたバスケットを乗せて、上部のパーツをセットして抽出準備完了です。ちなみに、ブリッカもミニエキスプレスも、水の量は本体に刻まれている線やマークを基準にはかるのですが、重さもとに水の使用量を調べてみたところ、ブリッカが150ml、ミニエキスプレスが94mlとなりました。抽出時はすべて使い切るので、これが実質の抽出量となります。

2つのマキネッタでモカコーヒーを抽出する

準備が整ったら、あとは火にかけてコーヒーを抽出するだけです。

ガスコンロに乗せられた2つのマキネッタ

きったないキッチンに並んだマキネッタ。マキネッタは通常の大きさの五徳に乗せるのが難しいので、通常はミニ五徳を使用します。が、ミニ五徳が一つしか無い。ブリッカはギリギリなんとか五徳に乗るサイズなので、そのまま乗せています。

ミニエキスプレスもブリッカも、本体底部から火が溢れない程度の火力で火にかけます。少しすると、ブリッカがまずシューッと音を立て始めたので、火を止める。後はコーヒーが抽出され切るのを待つだけです。追うようにしてミニエキスプレスも音を立ててコーヒーを抽出し始めるので、こちらもシューっと音がしたら火を止めて、2種類のモカコーヒーの抽出は完了です。

ブリッカとモカエキスプレスで淹れたモカコーヒー

左のカップはブリッカ、右はミニエキスプレスで抽出したモカコーヒー。ブリッカはクレマを作り出すのを売りにしていることもあり、ちゃんとクレマが乗っています。・・・これが本当にクレマと呼んで良いのかはわかりませんが。

ブリッカで淹れたコーヒーのほうが黒々としている感じがします。一体どれくらい味わいに差があるのでしょうか。

2種類のモカコーヒーを飲み比べる

モカコーヒーの抽出ができたので、早速飲んでみます。まずは、ブリッカで淹れたコーヒーから。飲むと、がっしりと苦い。そして香ばしい香り。同時に強い甘みもあり、ハニープロセスのコーヒー豆であることを感じさせてくれます。クレマがアクセントになって、口当たりも楽しい。やはり圧力で抽出されているだけあって、かなりガツンとくるパンチのある味わいです。

次にミニエキスプレスで淹れたコーヒー。飲むと、流石にブリッカで淹れたコーヒーよりも薄いです。プアオーバーでとても濃くドリップしたコーヒー、という程度に感じます。比較せずに単品で飲むと十分濃く感じるのですが、ブリッカと比べると全然薄味です。ただ、苦味もしっかり、甘みもちゃんと感じられます。ブリッカよりも軽めなので、余裕を持って楽しめます。

今回の結果

今回の結果をまとめると、以下のようになります。

  • ブリッカ(4杯分)とミニエキスプレスで抽出したモカコーヒーを比較すると、ブリッカのほうが圧倒的に濃い味わいのコーヒーを抽出できる

考察・感想

まあ、予想通りというか、そもそも抽出量も違うので比較がちょっと難しい部分があるのですが、ブリッカの圧倒的濃さの前では十分に濃いはずのミニエキスプレスの味も霞む、ということが確認出来たので十分な結果だったと思います。

まず、両者の水とコーヒー豆の比率について。コーヒー粉を入れるバスケットにコーヒー豆をギチギチにならない程度に敷き詰めて、その重量をはかったら、ミニエキスプレスは9g、ブリッカは22.5gとなり、その差は2.5倍でした。でも、規定の水の量はミニエキスプレスが約94ml、ブリッカが約150mlで、だいたい1.6倍程度の差だったので、このまま抽出したら当然ブリッカのほうが濃いコーヒーになります。

では、小さいサイズのブリッカを使用すれば結果は変わったのでしょうか。たとえば、2カップ用のブリッカだと、抽出量は80mlです。水の量は150mlの0.53倍で、これをコーヒー豆の量にそのまま当てはめると、コーヒー豆の予測使用量は約12gとなります。この時点で、ミニエキスプレスよりも水の量は少なく、かつコーヒー豆の量は多くなります。つまり、そもそもブリッカのほうが濃いコーヒーが抽出される比率になっている、ということです。

ただ、あくまで水の量の比率から使用するコーヒー豆の量を予測しただけなので、もしかすると8gくらいしかコーヒー豆が入らないかもしれません。気になるのでちょっと調べてみたら、ブリッカの2カップ用と4カップ用のバスケットの大きさを見つけたので、縦横から体積を計算したところ、2カップ用が183立方センチメートル、4カップが328立方センチメートルで、差は0.55倍となりました。水の量の差が0.53倍だったので、前述の比率はほぼ正確なようです。やっぱり、ブリッカのほうがデフォルトで濃く抽出されるようになっているんですね。

ガッツリ濃い味わいのモカコーヒーを、クレマを添えて楽しみたい人はブリッカを、比較的あっさりめ、でもハンドドリップのコーヒーよりも濃いコーヒーを味わいたい人や、標準に近いモカコーヒーを味わいたい人は、ミニエキスプレスを使うのが良いでしょう。それと、今回比較していませんが、モカエキスプレスはおそらくミニエキスプレス寄りなので、量が欲しい人はモカエキスプレスを使用しましょう。

さいごに

ブリッカもミニエキスプレスも最近使用していなかったので、久し振りに使用して、ガツンとくるコーヒーを飲めてよかったです。でもエスプレッソマシンもあるので、もうあんまり出番がなくなって来るかなあ。マキネッタは外で濃いコーヒーを飲みたいとき専用になりそうです。

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