HARIOの”V60 MUGEN”ドリッパーは美味しくコーヒーをドリップできる?
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HARIOのMUGENドリッパーを試す
HARIOのドリッパー”V60 MUGEN”が今年の2、3月頃に発売されました。発売当時からマークしていたのですが、毎月色々お金を浪費していて、今月は色々買いすぎたからまた来月・・・てな具合で先送りにして挙げ句忘れかけていたのですが、ついこの前に雑貨屋で見かけた際に思い出して、いい加減忘れないうちに試さないと、と思い、最近ようやくMUGENドリッパーを購入しました。
MUGENドリッパーはV60ドリッパーと同じ円錐形のドリッパーですが、通常のV60ドリッパーとは溝の形が異なり、それによってお湯を1回ゆっくりと注ぐだけで美味しいコーヒーがドリップできる・・・的な売り文句の製品です。お湯を注ぐ手間が省けて美味しいコーヒーが飲めるなら、時間のない朝などに有用なアイテムですが、果たして売り文句通りの製品なのかどうか。V60でドリップしたコーヒーと飲み比べて見たいと思います。
MUGENドリッパー開梱&コーヒーをドリップする
HARIO(ハリオ) V60 1回抽出ドリッパーMUGEN コーヒードリッパー 1~2杯用 透明ブラック 日本製 VDMU-02-TB |
まずは開梱からいきましょう。MUGENドリッパーはその他のHARIOドリッパーと同様の模様の箱に収められていますが、毛筆っぽく書かれたMUGENの文字が少し独特で目立ちます。
パッケージ。”MUGEN”の文字が渋い。
箱を開けると、ホルダーに装着されたドリッパー本体と説明書が。ドリッパーのサイズはV60でいう02サイズで、公式を見る限り、おそらくワンサイズだと思います。材質は樹脂とセラミックの2パターンです。ドリッパーを購入するときは、ガラス、セラミック、ステンレス等、樹脂製以外の選択肢があれば基本それらを購入しているのですが、MUGENドリッパーに関してはなんとなく、使用頻度が少なくなる気がしたので樹脂製にしました。最近断舎離して利用頻度の少ないドリッパーを捨てたからというのもあります。
内容物は、本体とホルダー、取扱説明書。
MUGENドリッパー本体。横長の独特な形状のホルダーは取り外し可能です。
HARIOのドリッパーおなじみの1つ穴の大きさは、通常のV60と比較して少し小さめにも見えます。V60のスパイラルリブは結構大きいので、その高低差のぶん穴が小さく見えるのかもしれません。
HARIOのドリッパーではお馴染みの大きな1つ穴は健在。
肝心な溝の部分も見てみます。側面に沿って縦に4本溝が掘ってあり、それらが山なりになるような形でつながっています。HARIO以外のドリッパーも含めて、どのドリッパーにもない独特な形状です。これがどんな仕事をするのでしょうか、なんとも不思議です。
中の溝。独特な形状ですが、説明書によるとこの溝の形のおかげでゆっくりドリップできるようです。
MUGENドリッパーを洗ったら、早速コーヒーをドリップしていきます。コーヒー豆はガラパゴス・サンタクルスのフルシティロースト程度の物を中挽きで使用します。MUGENドリッパーの説明書にはコーヒー豆20gに対してお湯240mlと書いてありましたが、いつもコーヒーをドリップする分量どおり、13gで130mlのコーヒーをドリップする事にします。
お湯を沸かして、ペーパーフィルターをMUGENドリッパーにセットしたらお湯を注いでおきます。ペーパーフィルターは02サイズを持っていないので、01サイズのものを使用します。
01サイズのペーパーフィルターをつけて、お湯を注いだところ。ぺったりと側面に張り付きます。
お湯を88℃まで下げたら、コーヒー粉をドリッパーに入れて平らにして、お湯を1回で注ぎます。ザーッと130ml注いだらあとは待つ。蒸らしはありません。コーヒーを落ちる様子を見ていると、なんか意外と早い気がします。コーヒーが落ちきる直前にサーバーからドリッパーを外して、コーヒーカップに注いで完成です。
続いて、普通のV60ドリッパーでもコーヒーをドリップします。コーヒー豆を30秒蒸らして、2分少々かけてコーヒーをドリップします。2杯揃ったら飲み比べです。
まずはMUGENドリッパーでドリップしたコーヒー。口に含むと、うーん、ドリップしたときのイメージ通りアッサリとしています。口に含んだときの質感もコーヒーというより水に近く、特に美味しく出来たと感じません。説明書に記載の想定分量以外だと上手くいかないのかもしれませんが、仮に規定量を守らなければいけないなら、どのみち我が家では出番は無さそうです。あと、蒸らし無しっていうのは本当に正解なのか疑問です。
一方、普通のV60ドリッパーでいつも通りにドリップしたコーヒーはというと、薄いということはなく、コーヒーのコクがしっかり感じられます。普通にV60でドリップしたほうが美味しいと思います。
感想・考察
ある程度想定してはいましたが、MUGENドリッパーはちょっと中途半端な製品かなあと感じました。特別美味しいコーヒーができるかと言うとそうでもなく、手間がガッツリ省けるかというと、そうでもなく。いや、やかんから直接ドリッパーにお湯を注ぐようにすればちょっとは手間は省けますが、まあ味は相応なので手間が省けてもあまり嬉しくはありません。
MUGENドリッパーでドリップしたコーヒーの味については、なんか普通に、お湯を一気に注いだ分アッサリしているだけだと思いました。思ったよりお湯の落ちるスピードが早いように感じましたし。HARIO製品のカテゴライズの中だと、MUGENドリッパーはお湯を一度に注ぐだけで良い製品という位置付けを担うのために必要なのかもしれませんが、それならカリタとかメリタとか、ユーザーからしてみれば他メーカーにも製品の選択肢があるので、コーヒー器具全体で見ると、中途半端な立ち位置になっているような気がします。
うーん、なんでしょう。文句を言いたいわけではないのですが、言わざるおえないというか、褒める点が見つからないというか。正直、今後出番は殆どない気がするので、樹脂製にしておいて正解でした。また新しいHARIOの製品に期待したいと思います。
HARIOのドリッパーを使用する際には、初めにお湯で紙を濡らすことはNGだった気がします(公式か何かで、リブが特徴なので、紙を濡らすと湯の通り道を邪魔してしまうからと言っていた記憶)。
それと今回のMUGENはサイズが一種類しかないということで、その量のコーヒーを抽出することを前提にしている可能性が高いです。なので少量で淹れたため、湯が早く落ち、薄く抽出されたのではないでしょうか。
ぜひ今度は適量でコーヒーを入れてみてください。
コメントありがとうございます!
HARIO公式HPのMUGEN紹介ページに掲載されている動画を見る限り、ペーパーフィルターを事前に濡らしているのでその点については問題ないと思います。
抽出量については記事本文でも触れていて、おっしゃる通りなのかなとは思います。ただ、公式の規定量が”コーヒー豆20gに対してお湯240ml”で、この分量だと1人で1回で飲むには多いですし、濃度も個人的に好みではないと思っているので、どのみち私にとってMUGENはコーヒーをドリップするうえでの選択肢にはなり得無さそうです。
好きな分量でドリップできたら良かったのですが。普段からMUGENの規定量に近い濃度でコーヒーを飲んでいる人専用かなと思っています。