昆布出汁でドリップすればコーヒーはもっと美味しくなるはず

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出汁こそパワー

今年の正月に昆布と鰹節から出汁を取ってお雑煮を作ったのですが、やっぱりちゃんと出汁を取って汁物を作ると、単純な味付けでも出汁の旨味だけでグビグビ美味しい汁物ができるなあとそのとき感じました。

それ以降、時々ちゃんと出汁を取ってから料理するようになったのですが、ふと、これがコーヒーであったらどうだろう、という考えが浮かびました。普通の水道水を沸かしたものではなく、出汁を取って旨味を持った水を沸かしてコーヒーをドリップすれば、もっとコーヒーが美味しくなるのでは?ということです。

では、コーヒーにはどんな出汁が合うでしょうか。鰹出汁だと旨味と一緒に鰹の風味が出てしまうので、コーヒーとは相性が悪そうです。となると、昆布でしょうか。少しヌルっとしそうですが、昆布自体の風味はそこまで強くはないので、ほぼ水と同様に扱えそうです。

ということで、昆布出汁を使ってコーヒーをドリップすると、旨味によって一層美味しいコーヒーになるか確かめてみたいと思います。

昆布出汁でコーヒーをドリップする

まずは昆布から出汁を取りましょう。小鍋に水を張ってだし昆布の切れ端を沈め、1時間ほど放置します。

昆布を浸けた水

出汁取り開始。昆布は硬く縮こまっています。

昆布を1時間浸けた水

1時間後。硬かった昆布も海を思い出したのでしょうか。

1時間経ったら昆布を沈めたまま小鍋を火にかけます。昆布は沸騰前に引き上げて、お湯はボコボコに沸かしておきます。コーヒー豆は浅煎りのコスタリカのスペシャルティコーヒー豆を使用します。

豆を13g中挽きで挽いて、V60ドリッパーにセット。昆布出汁を注いで20秒蒸らしたら、お湯をゆっくり注ぎます。クルクルとお湯を注いでいると、どうにもお湯の抜けが悪いようで、お湯がドリッパー内に溜まってなかなか落ちていきません。昆布のヌルヌルが邪魔なんでしょうが、思ったよりも強力なようで、130mlのコーヒーを落とし切るのに5分以上かかりました。

昆布出汁コーヒーをドリップした後のコーヒーカス

ドリップ後のコーヒーカス。表面がお湯にはないヌメリに覆われています。

面白くなってきたなと思いつつ、飲み比べるために普通のお湯でも同じようにコーヒーをドリップしておきます。こちらは昆布出汁と比較すると、スルスルとお湯が抜けていきました。

昆布出汁コーヒー

できました、昆布出汁コーヒー。見た目は普通のコーヒーですが・・・。

ドリップが済んだら飲み比べます。まずは、普通の水でドリップしたコーヒー。うん、浅煎りらしく苦味は控えめで、フルーツのような酸味が爽やかです。ここに昆布だしの旨味が加わると、果たしてどう変わるか・・・。

ということで、昆布出汁でドリップしたコーヒーを飲みます。カップに鼻を近づけると・・・香りは普通のようです。一口飲むと、普通のお湯でドリップしたコーヒーにはなかった独特の苦味と、昆布の香りが広がります。そしてちょっとヌルっとした舌触りで塩味も感じます。料理で使う際には分かりませんでしたが、だし昆布って意外と塩分多いんでしょうか。

味的に最後まで飲み切るのはちょっときつかったので、半分くらい残しました。昆布出汁とコーヒーの相性はあまり良くないようです。

感想・考察

そんなわけで、昆布出汁コーヒーは美味しくありませんでした。思ったよりも塩分とか苦味とかヌメリとか風味とか、旨味とは別の成分の介入が多かったのが致命的かなと思いました。

ただ、だし昆布って苦味や塩分も出てるんだなあという、コーヒーとは全く関係ない部分ですごく勉強になりました。スパイスカレーとかもそうですが、料理って色んな素材の組み合わせなので、それぞれの持つ味わいを個別に的確に感じ取るのって難しいと思います。今回の昆布出汁コーヒーのように一つの要素だけ取り出して他に組み合わせてみたり、組み合わせを変えてみたりすることで、素材の持つ特徴の輪郭をより掴めるんだなあと身に染みて、舌に染みて感じました。

昆布出汁とコーヒーなんて、ちょっとふざけた感じの検証でしたが、食事の味わいは出汁が左右すると結構真面目に思っているので、昆布出汁とコーヒーの組み合わせはないにしても、何かしら相性の良い出汁があるんじゃないかと考えています。というか、コーヒーもある意味出汁ですよね。食材から成分が溶け出せば出汁って考えると、まだまだ試す余地のある組み合わせはありそうです。

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