土鍋でコーヒー生豆を燻製焙煎したら、美味しくキレイに焙煎できる?

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土鍋でコーヒー豆を焙煎できるか

これまで、手網を使った直火焙煎はもちろん、熱風焙煎も試しました。その他にアイデアとして、土鍋でコーヒー豆を焙煎したらどうなるか、ということも思案していたのですが、イマイチ上手くいくビジョンが見えず、いつかは試してみよう程度で実行をずっと先延ばしにしていました。

ですが、先日コーヒー豆の燻製を行ってみて、なんとなく土鍋でのコーヒーの焙煎ができそうな気がしてきました。おそらく今のタイミングを逃したらこの先もずっとやらない気がしたので、今、土鍋を用いてのコーヒー豆の焙煎をやってみようと思います。

ついでに、コーヒー豆の燻製のときに思いついた、コーヒー生豆から燻製した場合どんな感じになるのか、という疑問についても解消するため、今回は土鍋で燻製しつつコーヒー生豆を焙煎するということにチャレンジしてみたいと思います。

コーヒー生豆を燻製焙煎する

今回使用する土鍋は、燻製のときにも利用したいぶしぎん という燻製用の土鍋です。いぶしぎんは空焚きもできるタイプなので、土鍋で焙煎するにはうってつけの土鍋です。・・・うってつけとか言いましたが、普通、土鍋でコーヒー生豆を焙煎しようとする輩はいないですね・・・。

いぶしぎんミニ

いぶしぎんミニ。丸っこくて良いフォルムをしています。

焙煎に使用するコーヒー生豆は、”ブラジル パッセイオ イエローブルボン”。数年前にキロ単位で買ったきり、焙煎が面倒になってしまい全然消費せず残していました。こちらを使う分だけ袋から取り出して、アルミホイルに平らに広げ、スモークチップをセットしたいぶしぎんの上段に乗せます。ちなみにスモークチップはメイプルを大きめのひとつまみ分、使用します。

いぶしぎんの網の上に乗ったコーヒー生豆

重なると恐らく焙煎できないので、なるべく重ならないように。いぶしぎんミニのサイズ的に、30gが限界です。

比較のため、手網でも同じコーヒー豆を焙煎をします。

手網に入ったコーヒー生豆

こちらは80gほど。手網いっぱいにコーヒー豆を詰めてしまうと揺らしたときに豆が動くスペースが無くなってしまうので、なるべく空間には余裕を作ります。

準備ができたら、いぶしぎんをコンロに乗せて強火にかけます。スモークチップから煙が出たらフタをして、フチの溝に水を張って煙が出ないようにします。ここから、とりあえず5分強火で様子を見ます。5分たったら一度フタを開けて、焙煎具合をチェック。流石に5分じゃ全然だったので、すぐにフタをして強火のまま追加で10分加熱します。

長時間加熱すると土鍋自体が高温になるので、フタの溝に差した水はすぐ蒸発してしまいます。何度も水を差しつつ、追加の10分が経過後フタを開けて様子を見ると、ちょっと色づいていますが飲むにはまだ全然な様子。更に追加で10分待って再びチェックすると、全体的に飲めるくらいには色がついていましたが、ライトローストくらい色からイタリアンローストくらいの黒焦げのものまで、かなりまばらな色合いに。これ以上やっても無駄そうなので火を止めて、燻製のために10分ほど待ってから取り出します。

土鍋で燻製焙煎したコーヒー豆

出来上がった燻製焙煎コーヒー。火は通りましたが、焙煎度合いは見たようにバラバラ。ポジション次第のようです。

がっかりしつつ、手網をせっかく準備したので、手網でも直火焙煎しておきます。だいぶ久しぶりだったのでうっかり強火&至近距離で炙ってしまい、予定よりも深く焙煎してしまいました。

手網に入った焙煎したコーヒー豆

フルシティくらいにするつもりが、だいぶ黒くなりました。流石に適当すぎました。

焙煎後はサーキュレーターで粗熱をとっておき、飲む分だけ取っておいて、残りはガラス瓶に詰めておきます。

一応、コーヒーをドリップして飲む

燻製焙煎したコーヒー豆は正直飲めるレベルではありませんが、せっかく時間をかけたので一応飲みたいと思います。口に含むと、しっかりとしたスモークチップの香りが口いっぱいに広がります。ただ、2口目からは慣れてしまうせいか、インパクトはだいぶ薄れる印象です。味は酸味と苦味の両方が口の中で別居してるような味です。焙煎度がバラバラなせいなのか、はたまた燻製にしたせいなのか。なんというか、カオスな味わいです。

手網で焙煎したコーヒーは、しっかりとした、でもキツすぎない苦味と、焙煎したてのコーヒー豆独特の香ばしい香り。深煎りにしすぎたせいもあって酸味は感じられませんが、最近酸味にも疲れてきた部分があるのでちょっとホッとします。ただ、焙煎臭というのでしょうか、焙煎したてのコーヒー豆の香りは普遍的で好きではないので、焙煎直後よりも焙煎から1〜2日寝かせたコーヒー豆でドリップしたコーヒーのほうがやっぱり好きです。

考察・感想

土鍋でコーヒーをキレイに焙煎するのは難しそうです。想定としては、強火で熱された土鍋の内部が熱気で満たされることで、じわじわとコーヒー豆が焙煎されていく、かつ、熱気は土鍋の全体を満たすので、均一に熱が入る、という感じだったのですが、そうは問屋が卸さないみたいですね。ただ、時間をかければ土鍋内部の熱気によってコーヒー豆を焙煎できることはとりあえず確認できました。

そうなると問題は火とコーヒー豆の距離でしょうか。平らに広げられたコーヒー豆が均一に焙煎されないということは、均一に熱があたっていないということで、原因は熱源とコーヒー豆が近いことで、熱気ではなく熱源の熱自体によって焙煎されるところとそうでないところがあるためと考えられます。そうなると、熱源とコーヒー豆の距離を取る必要が出てきますが、家庭用の調理器具でコンロの火自体の熱を受けず、器具内の熱気だけを内部の食材に伝える、ということを実現できるものがあるかというと、少々難しそうです。超背が高い鍋とかがアレば可能かもしれませんが、空焚きできなさそうですしね。

考え方を変えて、弱火でコトコト、というのはどうでしょうか。土鍋なので熱を加えると逃げにくいですし、時間はかかりますが弱火でじっくり土鍋の中の温度を上げていけば、火自体が弱いことで火の直接的な温度による焙煎効果はほぼ無くなるかもしれません。ただ、焙煎できる温度まで内部の温度が上がるかどうかは分かりませんし、均一に熱が入るかどうかも分かりませんが・・・。

今回は失敗しましたが、弱火でやってみたらもしかするとミラクルが起きるかもしれません。ここまで来たら、じっくりコトコト焙煎したコーヒー豆、コレやらないわけには行かないですね。

それと、コーヒー豆を燻製にすること関しては、土鍋での焙煎がきれいにできないことには確実なことは言えませんが、現時点ではやっぱりコーヒー豆はわざわざ燻製にしなくても良いかなあと思います。コーヒーの香り自体楽しめないですしね。使い所はやっぱり質の悪いコーヒーをごまかして飲む、くらいしか思いつきません。

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