鋳物フライパン(スキレット)でコーヒー豆を自家焙煎する

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コーヒー生豆消化週間

コーヒー豆の燻製焙煎で久しぶりにコーヒー生豆の自家焙煎をしてみたのですが、実はコーヒー生豆の在庫がまだまだ大量に残っています。2年ほど前に通販で5kg単位で購入したコーヒー生豆の余りをずっと抱えているのですが、多分1kg消化したかしていないか、それくらいしか利用しておらず、正直かなり持て余している状態です。

このまま取っておいても(というかすでに2年も経ちますが)、そのうちに捨てることなるかもしれません。せっかく久しぶりに自家焙煎してみたので、これを機にいくつか自家焙煎のバリエーションを試して、コーヒー生豆の消化に取り組みたいと思います。

今回は奇をてらわず控えめに、フライパンを使ったコーヒー生豆の焙煎に挑戦してみたいと思います。

鋳物フライパン(スキレット)でコーヒー生豆を焙煎する

まず使用するフライパンについて。フライパンと一口に言っても鉄、アルミ、ステンレス、表面加工の有無など色々種類がありますが、今回は鋳物のフライパン、いわゆるスキレットを使用します。使用するスキレットのメーカーは、スキレットでは有名なLODGE。LODGEの(恐らく)一番小さいタイプのスキレットを使用します。

LODGE (ロッジ) ロジッスキレット6 1/2インチ L3SK3

ちなみにスキレット、というか鋳物をチョイスしたのは、鉄フライパンよりも均等に熱が加わると聞いたからです。普段、鉄フライパンで料理をするのですが、フライパンの中心と周りの温度差は素人目に見ても顕著です。コーヒー豆の焙煎においては、なるべく全体に均等に熱を加えられる方が良いと思ったので、そういった期待を込めて鋳物のフライパンを選びました。

LODGEのスキレット

LODGEのスキレットがこちら。普段ちょっとした焼き物をするときに使用したり、キャンプに持っていったりします。

LODGEのスキレット裏面

スキレットの裏面。USA。

コーヒー豆は”ブラジル パッセイオ イエローブルボン”を使用します。量は手網焙煎の感覚でざっくりと、80gほど。

コーヒー生豆を入れたLODGEのスキレット

これで80g。ちょっと盛りすぎた感はありますが、果たして。

準備はこれだけ。あとはコンロに乗せて、火にかけていきます。鋳物は熱を持つと冷めにくいので、火は焙煎開始から終了まで一貫して弱火で、じっくり熱を持たせつつ焙煎するスタイルでいきたいと思います。と、火にかけてから、かき混ぜる方法を忘れていたのに気が付きました。これといってふさわしいものがなかったので、木べらでかき混ぜていくことにします。

80gのコーヒー生豆を入れたフライパン

焙煎開始。スキレットは冷たく、コーヒー生豆も無反応。

3分ほどフライパンで焙煎した80gのコーヒー豆

焙煎開始から3分50秒経過時点。コーヒーの甘い焙煎香が立ち上ってきましたが、見た目は変化なし。

木べらで常にコーヒー豆を動かしつつ、焙煎を続けます。徐々に皮が剥け落ちていって、コーヒー豆の色も変化していきます。

1ハゼ目までフライパンで焙煎した80gのコーヒー豆

開始から7分経過時点で、1回目のハゼが始まりました。もうこの時点でかなり焙煎具合にムラがあります。

2ハゼ目までフライパンで焙煎した80gのコーヒー豆

10分30ほど経過すると、煙がモクモクと立ち上ってきます。換気扇を強くして続行。

フライパンで焙煎し終えたた80gのコーヒー豆

14分30秒経過。もうこれ以上やると一部は真っ黒焦げになりそうだったので、ここで焙煎は終了です。

80gのコーヒー豆を約15分かけて、鋳物フライパンで弱火で焙煎しましたが、かなりムラがある仕上がりになってしまいました。ちょっと悔しいので、コーヒー生豆の量を減らして再挑戦します。

コーヒー生豆の量を減らして再度焙煎する

今度は使用するコーヒー豆を先程の半分の40gにして焙煎します。

40gのコーヒー生豆を入れたフライパン

40gなら、スキレットの表面に敷き詰めて丁度くらい。これならさっきよりもキレイに焙煎できそうな予感。

1ハゼ目までフライパンで焙煎した40gのコーヒー豆

6分経過した時点で1回目のハゼが始まります。連続で焙煎した事もあって予熱が効いていたせいか、先程よりも早い。

2ハゼ目までフライパンで焙煎した40gのコーヒー豆

10分30秒くらいから、2回目のハゼが始まります。うーん、でもやっぱりキレイに焙煎できていない。

13分で焙煎終了。ザルにあげてサーキュレーターでサクッと冷まします。

2回分の焙煎したコーヒー豆を冷ましてどちらも瓶詰めしたら、とりあえず今回の焙煎は終了。並べて、2パターンのコーヒー豆の焙煎具合をチェックします。

2パターンで焙煎したコーヒー豆

左が1回目、右が量を減らした2回目。うん、どっちもどっちですね。まだ右のほうがマシな気がしますが、量のせいでそう見えるだけかもしれません。

考察・感想

改めて、コーヒー豆の焙煎って難しいと思いました。プロの方々はすごいですね。中には全部焙煎機任せのお店もありますが・・・。フライパンであっても、均一に熱が通ればある程度上手くいくものと思っていましたが、そう単純なものではなさそうです。これならまだ手網で丁寧に焙煎したほうがキレイに焙煎できると思います。

上手く焙煎できなかった要因としては、単純にコーヒー豆をしっかり動かせていないことにあると思います。いくらフライパン全面に均一に熱が通せたとしても、あくまで面の話です。向きを変えてコロコロ転がしてコーヒー豆全体に熱を通してやらないと意味ないのでしょう。そのためには、もっと大きいフライパンを使用して、しっかりとかき回し続ける必要がありそうです。少量だからと舐めて小さいものを使用したのは失敗でした。

また、フライパンだと縦の動きを取りにくいのも問題かもしれません。フライパンの上に乗った状態で平面的にかき回すよりも、縦の動きで上下をひっくり返したほうが確実にコーヒー豆全体に均一にかき混ぜることができるでしょう。そのためには、同じことの繰り返しになりますが、大きめのフライパンを使うとか、もしくは湾曲した中華鍋を使うのも良いかもしれません。

小さなコーヒー豆の専門店で見るガスコンロを使用するタイプの焙煎機も、煙突が屋根から突き出るような大きな焙煎機も、共通することはコーヒー豆を常に動かし続けながら熱を加えているということかと思います。そういった動きを踏まえると、やはりいちばん重要なところは、常にコーヒー豆を動かすことで熱しすぎず、かつ冷ましすぎず、徐々にコーヒー豆の温度をあげながら焙煎することで、今回の鋳物のフライパンのように、熱源が均一であることだけでは不十分なのでしょう。熱源が一定である事自体は大事だと思いますが。

今更ですが、コーヒー豆の焙煎というのは思ったよりも根が深い・・・、いや、奥が深いモノのように感じます。色々試し甲斐のあるテーマですね。もうちょっと色々試していけたらと思います。

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