お湯でコーヒー豆を茹でてから焙煎したら、新境地が見えました
- コーヒー豆
- 自家焙煎
意味ないかもしれないけど、茹でてみたい
コーヒーを色んな方法で焙煎してきましたが、それ以外に前々から”コーヒー生豆を茹でてみたいなあ・・・”と思っていました。ただ、コーヒーは焙煎してなんぼ、ということは分かりきっているので、茹でてもコーヒーとして美味しく飲めるハズが無いことはやる以前からわかっているのでいままで試していませんでした。
ただ、ただ・・・。美味しいコーヒーにならないとわかっていても、やってみたい。とりあえず、どんな結果になるのかを見てみたい。この欲求を満たすためだけに、今回はコーヒー生豆をグツグツと茹でてみたいと思います。たぶん意味は無いでしょう・・・。でも、やりたいと思います。
コーヒー生豆を茹でる
やると決めれば、コーヒー生豆を茹でる準備をしましょう。用意するのは小鍋とコーヒー生豆と水。豆の量は正確には量らず、手で一掴みと少しくらいで。無駄になるのが目に見えているので、あまり多くは使いません。
我が家のコーヒー専用小鍋に、適当な量のコーヒー生豆をin。
水は豆が十分に浸って多いくらいに。茹でてる最中に踊れるくらいを想定しています。
浮かぶ豆と沈む豆の違いは果たして。
あとは中火で茹でていきます。火の強さは一貫して変えずに、初めから終わりまで同じ強さでいきます。とりあえず5分茹で続けて、一度様子を見ます。
茹で始めから5分時点で、しっかりお湯が湧いてコーヒー豆が鍋の中で踊り始めました。
茶色いアクが出てきていたので、お玉ですくい取っておきます。画像じゃわかりにくいですが、コーヒー豆が膨らんで大きくなっていました。ただそれ以外に目立った変化は見られず。さらに5分おいてから様子を見ます。
10分経過時点がこちら。鍋から立ち上るニオイがキツめ。コーヒー豆を焙煎すると、はじめの方にコーヒー豆の青臭いニオイがしてきますが、あのニオイがキッチンに充満しています。
見た目だけじゃ変化がよくわからないので、一粒取り出して触って確認します。10分茹でただけですが、コーヒー豆は柔らかくなっていて、手で簡単に割くことができるくらいの柔らかさになっていました。
指でグッと力を入れると、コーヒー豆の真ん中のスリットにあわせて割けました。
十分柔らかくなっていたので、13分経過時点で茹でるのは終わりにしました。お湯を切って、ザルにあげます。
一応、今回の目的である”コーヒー豆を茹でてみたい”という欲求は満たせましたが、あとに残ったのは、茹であがって嫌なニオイのする、飲めないコーヒー豆・・・。このままだと本当にとっ散らかしただけになってしまうので、もうちょっと続けます。
茹でたコーヒー豆を焙煎して飲み比べる
せっかくなので、茹でたコーヒー豆を手網で焙煎してみることにしました。水気を切ったコーヒー豆を手網に入れたら、コンロで炙ります。水分が多めなので、火力は強めで。やはりなかなか水気が飛ばないせいか、茶色に色づくまで時間がかかりましたが、徐々に普通に手網で焙煎したときのように、コーヒー豆の色が変わっていって、パチパチとハゼが始まりました。
2ハゼがはじまって少したったくらいで焙煎をやめて、冷まして終了。茹でて水分が多かったので上手くいかないかと思いましたが、なんだかんだちゃんと焙煎できました。ただ、普通に焙煎したときよりも少し硬さが足りないというか、脆い感じがします。
茹でた後に焙煎したコーヒー豆。ちょっと強度が足りないような気がします。気のせいかな。
更に、同じコーヒー生豆を茹でずに手網で普通に焙煎して、茹でたものと飲み比べをします。シャカシャカっと、先に焙煎したコーヒー豆と同じくらいの焙煎度になるくらいまで。火から上げてしっかり冷めたら、それぞれ15gずつ量り取って、100mlのコーヒーを2杯抽出します。
コーヒーが抽出出来たら飲み比べ。まずは、普通に焙煎したコーヒー。こちらは、飲むとしっかり苦い。カカオ系。ただ、焙煎直後のコーヒー豆はやはり、あまり好みではありません。次に、茹でてから焙煎したほうのコーヒー。一口飲むと、色々なものがすごい抜けています。けっこう深煎りなのに苦くない。香りも全然違うし、苦味よりも酸味を感じます。全然別物のコーヒーで、同じと言われないと分かりません。びっくりしました。
考察・感想
なんだかんだ面白い結果が得られたので、コーヒー豆を茹でてみて良かったなあと思います。まず、思ったよりも短時間でコーヒー豆が柔らかくなること。まあ、コーヒーを楽しむ上でコーヒー豆を柔らかくする必要が無いのでそんなことが分かっても仕方ない気もしますが、もっと硬くて扱いづらい植物だと思っていたので以外でした。予想ではもうちょっと茹でる時間が必要だと思っていました。
そして、茹でてから焙煎したコーヒー豆でドリップしたコーヒーの、普通に焙煎した場合と全く異なる味わい。これは、茹でたことでいろんな成分が表に出ちゃったと考えるのが普通でしょう。実際、カフェインは水溶性ということで、コーヒー豆からカフェインを除去するときにも水に浸して取り除くみたいですし。ただ、カフェイン以外の旨味成分なども水溶性のものがあるらしく、単純に水に浸けるだけだと取り除きたくない成分も出ていってしまうそうなので、今回はその取り除きたくない成分も茹でたときに出ていってしまって、間の抜けた味になったのだと思います。
そうなると、今回コーヒー豆を茹でたことで、カフェインは減ったのでしょうか。カフェインは熱にも弱いそうで、深煎りほどコーヒー豆あたりのカフェイン量も少なくなると言いますが、茹でた場合は熱+水のダブルパンチでドパドパ水の中に出ていっていてもおかしくない気がします。そしてこれが正しい場合、除去率はともかく家でもコーヒー豆のデカフェができる、と解釈しても良いのかもしれません。ただ、コーヒーの美味しい成分も一緒にどっかいっちゃって普通に不味いコーヒーになりますけどね。つまりデカフェできてたとしても、実用性は皆無ということです。
茹でたコーヒー豆はやたら臭かったですし、柔らかかったですし、抽出したコーヒーは本来の味が全くでなくて不味かったですが、やりたいことは出来たし、興味深い体験ができたので良かったです。コーヒー生豆が手元にある人はぜひぜひ試してみてほしいです。