ハリオの滴下式水出しコーヒー器具【WDD-5-PGR】レビュー

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暑い季節に向けたコーヒーの準備

暦の上では夏になり、気温も徐々に上がってきました。今はまだホットコーヒーを嗜んでいますが、あと1ヶ月もすれば外気温の暑さでホットコーヒーを飲むのがキツくなりそうなので、少し早いですが夏に向けて冷たいコーヒーの準備をすることにしました。

昨年の夏は・・・覚えが曖昧ですが、だしパックにコーヒー粉を入れて水筒に沈めて抽出した水出しコーヒーを頻繁に飲んでいたような気がします。ハッキリ振り返るのは面倒なのでパス。今年もそれでも良いと思ったのですが、たまたまお手頃な水出しコーヒーの新製品が目に止まったので、購入して試してみることにしました。

購入したのは、ハリオの”ウォータードリッパー・ドロップ”という製品。品番はWDD-5-PGR。滴下タイプの水出しコーヒー器具です。ハリオからはすでに家庭用の滴下式水出しコーヒー器具が販売されていますが、ざっと調べてみた感じそれの安価版といったようなところです。

HARIO ウォ-タードリッパー・ドロップ WDD-5-PGR ペールグレー 実用容量:600ml

少し前に家に届いたので、パッケージの開封からレビューしていきたいと思います。

WDD-5-PGRを開封する

早速開封していきましょう。まずはパッケージ外観から。

WDD-5-PGR パッケージ

パッケージは縦長の箱。環境の都合上、縦に長いと写真が撮影しにくいんですよね。

パッケージを開けると、表面の写真と同じ形で製品が収められていました。梱包は全体的に簡易です。取り出して、パーツ別に見てみます。

パーツ別に分けたWDD-5-PGR

左から、サーバー、コーヒー粉を入れるストレーナー、水を入れておくタンク。

更に細かいパーツにバラします。ろ紙を除くと、8点のパーツに分解できました。ちょっとパーツ数が多いかなーと感じます。

分解したWDD-5-PGR

中段のストレーナーは2つ、水のタンクは5つのパーツに分解できました。

見た目じゃわかりにくいですが、材質が結構バラバラです。サーバーはガラス。ストレーナーのメッシュのホルダー部分、タンク本体とフタ、小さい黒い部品はプラスチック。ストレーナー上部につけるパーツ、タンクのフタに浸ける白い輪っか状のやつ、タンク下部に浸ける黒い・・・あの・・・排水口とかについてそうなやつ・・・・はシリコンゴム。水のタンクがプラスチックなのが結構安っぽいですが、本体価格が3000円と考えると妥当でしょうか。

数ヶ国語で書かれた説明書を読んでみると、どうやら1時間くらいで水出しコーヒーが出来てしまうそうです。滴下式の水出しコーヒーだと一晩はかかるイメージがありますが・・・。まあ、とりあえずコーヒーを抽出してみます。が、その前に一度洗いましょう。パーツを全部洗って、キッチンペーパーで水を切ります。洗う手間に関してはあまり苦になる部分はありませんでしたが、上段のタンクのフタの溝が、シリコンゴムを差し込む都合上深くなっていて水を取りにくいのが気になりました。実際の洗い物では洗った後置いておくのであまり問題ない・・・とは思いますが。

点滴で水出しコーヒーを抽出する

点滴水出し、滴下式水出し、ウォータードリップ・・・。今更ながらどう呼べば良いか迷いますが、とりあえず抽出しましょう。説明書に沿って作業をします。まずはコーヒー粉。深煎り・中挽きのコーヒー粉を50g準備しろと書いてありましたが、手元に深煎りのコーヒー豆がなかったので、中深煎りくらいのモカを使用しました。

次に、サーバーにストレーナーをセットして、そこにコーヒー粉を投入します。その後、水を少しずつ注ぎ入れて、コーヒー粉をかき回し、粉全体をしっかりと湿らせます。個人的にはここが少し微妙で、ストレーナーいっぱいに入ったコーヒー粉をザクザクかき混ぜると意外と周りに飛び散るのでやり辛い。

コーヒー粉が入ったWDD-5-PGR

一通り湿らせたあと。スペースに余裕がないので、丁寧にやらないと外にコーヒー粉が飛んでいってしまいます。

湿らせたらコーヒー粉の表面を平らにならして、付属の丸ろ紙を乗せます。

ろ紙を乗せたWDD-5-PGR

ろ紙の真ん中には十字の切れ込みが入っています。

ここで”しまったなー”と思ったのが、丸ろ紙が必要なこと。すっかり忘れていました。付属の丸ろ紙は50枚。毎日使わないと思うので1シーズンは賄えそうですが、なくなったら買わないといけない。エアロプレスを持っているなら、エアロプレスのろ紙でも代用できるかもしれません。自分はエアロプレスのろ紙がなくなってからステンレスフィルターに乗り換えたのでもう持っていませんが・・・。

コーヒー粉の準備ができたら、次は水の準備。まず水のタンク下部に黒いシリコンゴムと滴下パーツを装着します。滴下パーツには溝が入っていて、ここを伝ってタンクの水が一定リズムでストレーナーに流れ落ちるようです。

WDD-5-PGRの滴下パーツ

写真右側が水の流れを作るパーツ。左のシリコンゴムパーツの中央に差して使用します。

写真を見てもらうとわかるのですが、黒い排水口のアレ・・・みたいなパーツがシリコンゴムのおかげで、キッチンペーパーで拭いたら細かい紙繊維がついてしまいました。そしてこれが取りにくい。普通に置いておいても少しホコリがついてしまうでしょう。黒なので余計目立つし、これは製品としてかなり微妙です。

だいぶモヤモヤしましたが、とりあえず手を動かします。黒いシリコンゴムのパーツをタンクに付けたら、サーバーにセットして水を注ぎます。タンクの上部に□の目盛りがあるので、そこまで水を注ぎます。

水が注がれているWDD-5-PGR

ジャーっと水を流し込んでいきます。パッケージに600mlと書いてあったので、印の位置まで注いで600mlでしょうか。

少しすると、コーヒーの滴下が始まります。なんか滴下のペースが想定より早い感じがしますが、とりあえず見守ります。

WDD-5-PGRでコーヒーを抽出中

ポタポタと水出しコーヒーが落ちていきます。

部屋でそのまましばらく放っておいて、ふと目をやると、あらかた抽出が済んでいました。ただ、やっぱりちょっと早かったみたいで、説明書には45分〜1時間と書かれていた所、40分たらず程度で抽出できてしまいました。パーツのはめ込みが甘かったのか・・・・?なんにせよ、出たものは出たので、タンクを取り外してコップに注いで抽出完了です。

コップに入った滴下式水出しコーヒー

コーヒー豆が深煎りじゃなかったせいもあって、色はやっぱり薄い。滴下が早かったせいもありそうですが。

一口グビリ。味はちゃんと、点滴でだした水出しコーヒーの味です。ただ結構あっさりしているかも。ちゃんと深煎りのコーヒー豆だったらより美味しかったでしょう。でも、どう頑張ってもコーヒー専門店で飲むような濃厚で芳醇な水出しコーヒーには及ばない気がします。あと、水が常温だったので、もっと冷たいと良いと思いました。氷水を使用するか、冷蔵庫に入れて抽出するのが良いかもしれません。

600ml出しましたが、流石に全部は飲まないので残りは冷蔵庫で保存します。水タンクのフタを外してサーバーにつければ、そのまま保存できるのは良い感じです。

考察・感想

滴下式の水出しコーヒー器具は初めて購入したので他の製品との比較は出来ないのですが、まあ普通に使えるんじゃないでしょうか。ただ、ざっと書いたことを見直してみて、あまり良いところが挙げられそうに無いなーというのが本音です。改めて良い点と微妙な点をまとめて見たいと思います。まず、微妙な点ですが

  • タンクのフタのシリコンゴムを差し込む部分の溝が深くて、洗った後の水キレが悪そう
  • コーヒー粉を混ぜるとき、ストレーナーに余裕がないので結構飛び散る
  • 水の滴下速度の微調整が出来ない
  • 排水溝のアレ・・・みたいなやつがシリコンゴムなので油断するとホコリまみれになる、そして色が黒なので目立つ
    • といったところです。まあ、1つめと2つめはそれほど気にしなくても良いのですし、3つめは通常なら万を超えてくる滴下式水出しコーヒー器具が3000円ということを考えると高望みです。ただ、4つ目は個人的にかなり気になる点です。まあ、どうせ使うのは自分だけだし良いのですが、これ作ったときに分かってたんじゃない?という疑念がよぎります。逆に良い点ですが、

      • 抽出後、サーバーにフタをしてそのまま保存できる
      • (たぶん)安価
        • これくらいですね・・・。他の製品と比較してないから良い部分が分からないだけかもしれませんが。サーバーから移し替えずに保存できるのは良いですし、サーバーの材質がガラスで結構大きい割に全部で3000円と考えると、まあまあ安いかな〜と感じます。いやマテ、安いから排水口のアレみたいなパーツを使用するはめになっている可能性も・・・?

          賛否両論分かれそうなのは、サーバーはガラスですがタンクはプラスチックであるという点です。安っぽくて嫌という人もいるでしょうし、逆にガラスより割れないから扱いやすくて助かる、と思う人もいるでしょう。自分は扱いやすくて助かる、と思いました。上も下もガラスだと、破損リスク高いですしね。というか、サーバーが割れてしまってもタンク側が生きていれば替えが効くので、そういった意図もあるのかもしれません。

          また、1回しか使用していませんが、使用のコツとしては各パーツしっかりはめ込むことと、水は冷えたものを使うか、氷水を使うか、冷蔵庫に入れた状態で抽出すると良いでしょう。ぬるい水出しコーヒーは美味しさが半減してる気がします。いや、水の温度が変わると抽出後の味も変わると考えると、常温で抽出して冷やしたほうが美味いか・・・?

          自信を持ってオススメ!とはちょっと言えませんでしたが、安価で悪くない製品だとは思います。滴下式の水出しコーヒーの器具自体に選択肢もあんまり無いですしね。気になる方はぜひ購入して試してみてください。

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