ノンフライヤーならコーヒー豆の熱風焙煎が自宅で簡単に楽しめるかも?
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メカの力を借りて焙煎してみる
自宅で色々コーヒー豆の焙煎を試したい!と思っても、コンロの直火以外を使ったコーヒー豆の焙煎というのはなかなか難しいです。直火以外だと電子レンジのオーブンを使って焙煎もできますが、普通はせいぜいそれくらい。以前にヒートガンを使ったコーヒー豆の焙煎とかやりましたが、自宅にヒートガンある人は普通いないですしね。自分も焙煎の検証のためだけに買いましたし。
じゃあいっそコーヒー豆の焙煎機でも買うか、という考えも出てくると思うのですが、焙煎機は量産品じゃないためか、直火式、電気式問わず基本的に高額ですし、そもそもそこまで頻繁に焙煎しません。また、自分の場合は正統派の方法以外を試したいという気持ちもあって、コーヒー豆焙煎専用の道具は少なくとも今はいらないかな・・・、という具合。だったら、コーヒー豆焙煎用ではない調理器具で、コーヒー豆の焙煎をしてみるのはどうでしょう。あくまで別の用途で使えるもので、コーヒー豆の焙煎もできれば一石二鳥です。
そして、色々考えてでてきた答えがノンフライヤーです。初期の製品が発売されてから結構時間も経って、今じゃニッチ家電の部類に入る感じもするノンフライヤーですが、熱風で食材を調理するというのはコーヒー豆の熱風焙煎に近いものがあります。ノンフライヤー自体は揚げ物などをヘルシーに仕上げるための調理家電ですし、コーヒー豆の焙煎に使わなくても、普段の料理に使えます。
・・・こんな感じで流れが確定したところで今回は、ノンフライヤーを使ったコーヒー豆の熱風焙煎に挑戦してみたいと思います。
ノンフライヤーでコーヒー豆を焙煎する
使用するノンフライヤーはレコルトのエアオーブンという製品。ノンフライヤーはニッチだと言いましたが、このエアオーブンは比較的新しい製品です。ちなみに製品名は”エアオーブン”なのですが、ジャンル的にノンフライヤーと捉えています。
単純にノンフライヤーを試してみたいという気持ちと、コーヒー豆の焙煎への期待と、フードドライヤーとしても使えそうだという希望が入り混じった感情とアルコールの力の後押しによって購入してしまいました。数あるノンフライヤーの中でも、値段が9900円とまあまあ許容範囲内だったのと、新し目の製品だったのが決め手です。ちなみにこの焙煎がノンフライヤー初使用です。
重量は3kgほどで、サイズ縦横それぞれ30cm以内くらいでしょうか。ノンフライヤーの中では比較的小振りのようです。
エスプレッソマシンが赤なので、エアオーブンも赤を購入しました。白もあります。
早速焙煎に取り掛かります。まず取っ手がついたバスケットと、その中の内アミを洗います。水を切って本体に戻したら、コンセントに繋いで予熱します。予熱が終わったら、一旦バスケットを取り出して、コーヒー生豆を投入。今回はざっくり、100gほど使用しました。
バスケットのサイズは、コーヒー生豆100gがほとんど重ならないように敷き詰められるくらいのサイズ。
バスケットを本体に戻して、温度と時間をセットします。温度は最高200℃まで設定できるので、とりあえずMAX200℃でいきます。時間は、手網焙煎のとき15分程度あれば焙煎できるので15分で。ダイヤルを回して設定します。
ダイヤルはアナログなざっくりとしたタイプ。これでコストが下がっているなら大歓迎です。
ダイヤルを回したところから加熱が始まります。フォォォ・・・という本体背面からの排気の音と、タイマーが徐々に0に近づいていくジリジリジリジリ・・・・という音を出しながら動作します。音はキッチンだったら気にならない程度です。
2〜3分ほどで、コーヒー豆焙煎時の独特な甘い香りがしてきます。ちょっと温度設定がが高かったかとも思いましたが、焦らず様子を見ます。10分くらいの時点で十分香ばしい香りになって、チーン!という音が鳴って15分の焙煎が終了。取り出して焙煎具合をチェックしてみます。
ノンフライヤーの焙煎力を確認する
ノンフライヤーで200℃の温度で15分間焙煎したコーヒー豆はこんな感じ。
うーん。ちょっと焙煎が弱いでしょうか。また、思ったより均一に焙煎できていません。
まだ飲用には焙煎が浅いと感じたので、追加で10分加熱して、再度見てみます。
200℃で合計25分焙煎したコーヒー豆。さっきよりは良くなりましたが、もう一声。
更に追加で10分ノンフライヤーで焙煎します。
35分焙煎したもの。ようやく、結構良い感じの色合いになりました。
概ね良い感じの焙煎具合になったので、焙煎はここで終了。200℃で35分加熱した割には見た目浅煎りに感じますが、コーヒー豆自体は普通にやけどするくらい熱いです。
皿に取り出したところ。こう見ると結構キレイに焙煎できている感じもしま・・・・いや、結構バラバラですね。個々の色はキレイですが。
ひとつ発見があったとすれば、薄皮がきれいに剥ける所でしょうか。手網で焙煎したときと違って細かくならず、フーッと息を吹いてやると丸いままでフワリと軽く宙に舞うので、シンクで息を吹いてやればある程度薄皮を取り除けます。また、細かい皮はバスケットの内アミの下に残るので、そのままサッと捨てられます。
最後に、ノンフライヤーで焙煎したてのコーヒー豆でコーヒーをドリップしておしまい。コーヒーは見た目通りのあっさり目のコーヒーになりましたが、直火焙煎の浅煎りと違って、スッキリ感が強いような、フルーティなような、よりクリアな味になった気がしました。
考察・感想
結論から言うと、ノンフライヤーでは完璧にコーヒー豆を焙煎することはできないでしょう。ただ少なくとも、コーヒー生豆に火を通してコーヒーとして飲めるようにすることはできるので、製品によってはもう少しキレイに焙煎できるかもしれません。直火にしろ熱風にしろ、やはり焙煎中にかき混ぜることをしないと、キレイにコーヒー豆を焙煎することは難しいですね。
ただ、熱風焙煎を手軽に試せるツールとしては、ノンフライヤーはなかなか魅力的なんじゃないでしょうか。ヒートガンのほうが安いですが、アレは自分で手を動かさないといけません。その分頑張ればもっとキレイに焙煎できますけどね。ノンフライヤーは、精度は期待できない代わりに温度とタイマーをセットして放置するだけで焙煎できるので、とりあえず熱風焙煎のコーヒー豆を味わってみたい場合はアリ何じゃないでしょうか。ただ、コーヒー豆の焙煎のためだけに購入するのであればオススメはできません。あくまで本来の用途前提の場合で、ついでで焙煎したい人向けです。
じゃあ、自宅でちゃんとした熱風焙煎したい人はどうすれば良いかというと・・・。おとなしく熱風焙煎機を購入したほうが良いかもしれません。試したことは無いので、現行の製品の焙煎精度はいかほどかは分かりませんが、ノンフライヤー以下ということは無いでしょう。
ちなみに、今回使用したレコルトのエアオーブンの構造は結構ローテクでした。本体内側上部に電熱線とその奥にファンが付いているだけで、そこで熱風を作ってバスケットの中の食材を調理する具合です。変にデジタル化されていないので安価なのもうなずけます。悪く言うと安っぽい感じもしますが、単純ゆえ手入れもしやすいのでこれはこれで良いと思います。
ノンフライヤーの購入を検討している方は、購入した際はぜひコーヒー豆の焙煎も試してみてください。少しだけ、コーヒーの楽しみ方が広がるかもしれません。