コーヒー豆を燻製して、スモークフレーバーコーヒーにする
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コーヒー豆を燻製にする
我が家には土鍋の燻製器があります。ただ、購入した当時は喜んで積極的に使っていましたが、一通り食材を試して楽しんだら使わなくなってしまいました。最近ふと、久しぶりにその燻製器が目に入って、また久しぶりに燻製をやろうかなという気持ちになったのですが、そもそも何を燻製にするかという問題にぶち当たりました。
肉やチーズ、卵や魚や練り製品など一通りはやったので、他に何かあるかなと〜考えていると、目に入ったのはコーヒー豆。そういえば(?)まだコーヒー豆の燻製はやったことがありませんでした。わざわざコーヒーを燻製にしてに香りをつけるなんてありえないように思いますが、世の中にはフレーバーコーヒーなるあえて香り付けしたコーヒーも存在しているので、これはもしかすると、もしかするかもしれません。
燻製について調べると、もう口に入るものなら何を燻してもアリみたいですし、コーヒー豆も問題ないはずです。ということで今回は自宅で作るコーヒー豆の燻製ということで、お届けしたいと思います。
コーヒーを淹れる条件
今回淹れたコーヒーは、以下の条件のもと抽出しています。
- 使用したコーヒー豆:エチオピア イルガチェフェ アリチャ
- 焙煎度:フルシティローストぐらい
- コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
- ドリッパー:ハリオ V60透過ドリッパー01(ガラス)
- コーヒーポット:ユキワ M-5
- フィルター:ハリオ V60ペーパーフィルター01W(ホワイト)
- 秤:ハリオ ドリップスケール
- 豆の使用量:20g
- お湯の温度:約88℃
- 蒸らし時間:20秒
- 抽出量:130ml
土鍋型の燻製器”いぶし銀”について
コーヒー豆を燻製するために使用するのは、長谷製陶の”いぶし銀”という燻製用の土鍋です。サイズは、3サイズあるうちで一番小さいミニサイズのもの。
長谷園 土鍋 燻製 いぶしぎん ミニ 18.5 cm 直火 専用 黒 伊賀焼 日本製 桜チップ & 鍋敷き & レシピ 付 CK-10 |
こちらがいぶし銀ミニ。見た目はそのまんま土鍋です。
内部には2枚のアミが設置できるようになっていて、それぞれに食品を並べて燻製にすることができます。
いぶし銀の一番の特徴は、煙が出にくいところです。土鍋のフタと本体の間に水を差すための溝があり、そこに水を差すことによって本体内部の煙がフタの隙間から漏れ出てくるのを防ぐことができます。ただ、完全に煙が出ないというわけでは無いので注意が必要です。煙が少なくて済む、といったほうが正しいでしょうか。換気扇と組み合わせれば、屋内で燻製が可能なレベルです。コーヒー豆の焙煎のほうがよっぽど煙が出ます。
いぶし銀で燻製をするための準備ですが、まず鍋底にアルミホイルを敷いて、そこにスモークチップをひとつまみ載せておきます。
このようにアルミホイルを皿のようにして、スモークチップを乗せます。チップはいつ買ったかわからないメイプルを使用。
チップが乗ったアルミホイルをを鍋底に敷いたら、その上にアミを設置します。いぶし銀ミニの場合は大小2枚のアミを設置できますが、今回はコーヒー豆だけなので大きなアミを1枚のみ設置します。
コーヒー豆のようなアミの目より小さいものや、熱で溶けてしまうものはアルミホイルを皿にします。
準備ができた土鍋を火にかけます。まずフタを開けたまま強火にかけます。チップから煙が上がるまで熱したらフタをして、フタと本体の間の溝に水を差します。そのまま3〜4分強火で熱し続けたら、火を止めて更に3〜4分放置して燻製完了です。ちなみに調理の時間配分は公式の説明書に則っています。
燻製が終わったら、いぶし銀のフタを開けます。漏れ出ていたスモーキーな香りが一層強くなって、同時に少し黒くなったコーヒー豆がお目見え。アルミホイルごとアミから外します。土鍋はかなり熱くなっているので注意しながら。
燻製にしたコーヒー豆。黒くなったのは燻製の煙のせいか、高温のせいで焙煎が進んだせいか。どちらにせよ、黒くなるのは想定内です。
コーヒー豆を燻し終えたら、挽いてコーヒーをドリップします。ついでに、燻製にしていない普通のコーヒー豆と飲み比べてみましょう。
燻製にしたコーヒー豆でコーヒーをドリップする
燻製直後は熱いので、冷ましている間に燻製にしていない普通のコーヒー豆でコーヒーをドリップします。ドリップし終える頃には十分に冷めているので、そのまま連続で燻製にしたコーヒー豆でコーヒーをドリップ。燻製にしたものは、終始スモーキーな香りがしました。
2杯ドリップしたら飲み比べ。まず普通のアリチャ。エチオピアのモカらしく華やかな香りもありますが、中深煎りのため浅煎りよりも控えめです。甘さと軽い苦味が心地よく、酸味も少なめでまろやかで飲みやすい。最近は浅煎りのモカよりも、中深煎りの刺激が少ないモカのほうが好きになってきました。
次に、燻製にしたコーヒー豆でドリップした燻製コーヒーを頂きます。香りは、モカ特有の華やかさはほんのり程度で、代わりにスモーキーな香りが出ています。が、思ったより香りは強くありません。味的には苦味が強くなり、甘さも強くなった気がします。少し冷めて飲みやすい温度になると、燻製による香りがよく分かりますが。ただやはりというか、燻製の香りは一体感に欠けるというか、やっぱりコーヒー本来のものとは別に感じられます。
考察・感想
コーヒー豆の燻製については、個人的にはナシかな・・・と思います。人によっては好きな人もいるかもしれません。特別まずくなったわけではありませんが、普通のとどちらが良いかと聞かれたら、普通の焙煎していないコーヒー豆でドリップしたコーヒー豆のほうが美味しいと言うでしょう。いや、スモークチップの種類によってはあるいは・・・?もしくは、品質の低いコーヒーをごまかして飲むために燻製にする、という使い方も向いているかもしれません。
ちょっと引っかかる点としては、そもそも燻製とコーヒー豆とは相性が悪いかもしれない、という点です。燻製も温度によって冷燻、温燻、熱燻と色々ありますが、今回行ったのは熱燻(高温での燻製)なので、熱の温度によってコーヒー豆の焙煎自体が進んでしまっている可能性もあります。ただ、燻製にすると煙による着色もあったりして、見た目では分からないのですが。
燻製によって焙煎が進んでしまう場合、スモークによる香りを付けたいだけのところが意図せずして大きく味わいを変化させてしまいますし、少なくとも熱燻は避けたほうが良いかもしれません。ただ、温燻や冷燻は時間がかかりますし、手軽にできるものでは無いのでハードルが上がるのが難点です。そしてそこまでして燻製にすべきかというと・・・。やっぱり無いなぁ、と思います。
あと、今回の時間配分では燻製がちょっと弱いかと思いました。燻製にするなら、ガツンとスモーキーなコーヒーにするべきでしょう。そのためには、強火3〜4分、火を消して3〜4分じゃ足りません。ただ、前述したように熱によって焙煎が進む場合があることを考えると、熱燻はこれが限界かもしれません。
キャンプでじっくり燻製をやるときに、試しに持ってきたコーヒー豆も燻しておく、位でしょうか、コーヒー豆の燻製をやる機会は。ただ、例えば生豆の状態から焙煎が進んでも問題がないので、あえて熱燻で焙煎したら・・・、とか面白そうじゃないでしょうか。今度試してみます。