キャンプにもってこい。ハリオのマイカフェドリップフィルター
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ホームセンターで見つけた面白そうなモノ
日常生活で工具などが必要になったとき、ホームセンターに買いに行くついでに、鍋とかフライパンとかが陳列されたキッチン用品コーナーをよく眺めます。基本的になにかを購入するつもりは無いのですが、自分の知らない便利なキッチン用品が発見できたりして、眺めているだけで楽しいんですよね。
もちろん、コーヒー用品のコーナーも欠かさずチェックしています。経験上ホームセンターで本格的なコーヒー関連の道具が置いてあることは殆どないので、見ても新鮮味がないことが多いんですが、消耗品である白のペーパーフィルターは意外と手に入りにくかったりするので、欲しいときに買えるように、これのチェックだけはいつも欠かしません。
で先日、ホームセンターに立ち寄った際、いつものようにコーヒー用品の売り場をチェックしていたところ、珍しげなものが目に止まりました。ハリオが販売している、コーヒーカップのフチに引っ掛けて使用する、ドリッパーいらずの一人用のペーパーフィルターです。サードパーティ製のこういった製品はたまに見かけていましたが、ハリオ純正のものは初めて見たので、珍しさに惹かれて購入してしまいました。
今回はそのとき購入した、ハリオの”マイカフェドリップフィルター”の使用感をレビューしていきたいと思います。
コーヒーを淹れる条件
今回淹れたコーヒーは、以下の条件のもと抽出しています。
- 使用したコーヒー豆:ブルンジ
- 焙煎度:シティローストぐらい
- コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
- ドリッパー:ハリオ V60透過ドリッパー01(ガラス)
- コーヒーポット:ユキワ M-5
- フィルター①:ハリオ V60ペーパーフィルター01W(ホワイト)
- フィルター②:ハリオ マイカフェドリップフィルター
- 秤:ハリオ ドリップスケール
- 豆の使用量:20g
- お湯の温度:約88℃
- 蒸らし時間:20秒
- 抽出量:130ml
マイカフェドリップフィルターをチェック
まずはパッケージから見ていきましょう。手のひらサイズの小ぶりなパッケージで、フィルターの内容量は22枚です。
ハリオらしいピンクのパッケージ。文章全てにガッツリ英訳が入っているのは海外でも販売しているからなのでしょうか。
パッケージ上部の切り口からパッケージを破き、中身を取り出します。
1枚取り出してみると、フィルターはダイヤモンドのような独特な形状になっていました。
パッケージを開けてお湯を注ぐだけの窒素充填のドリップパックがありますが、あれとはまた違った形状でコストが掛かっていそうです。さすがハリオ、簡易であっても形状に妥協はしないといったところでしょうか。また、一般的なドリップパックよりも細部がしっかりとした作りになっているように感じます。
次に、開いてカップにセットしてみましょう。
サーモスのタンブラーにセットしてみました。フィット感は十分で、しっかり円錐形状が展開されています。
横から見た図①。フィルターのフチはカーブを描いています。
横から見た図②。タンブラーの口があまり広くないこともあってか、ガッチリホールドできています。もうちょっと口の広いカップでも良かったかもしれません。
そして肝心な、コーヒー豆の許容量について。このフィルターは1杯分用ということもあり、フィルターサイズはだいぶ小さめです。いつもコーヒーをハンドドリップするときは20gのコーヒー豆を使用しているので、最低でも20gは入ってもらわないと困るところです。
ザラザラっと、20gのコーヒー豆を量り取って、フィルターにin。
これで20g。無理のない、丁度よい収まり具合です。1杯分のコーヒーとなると、もっと少ないコーヒー豆の量でドリップするのが一般的だと思うので、2杯分くらい全然いけそうです。
ただ、あくまでシティローストくらいのコーヒー豆20gでこれなので、焙煎度によっては同じ20gでも体積量は多少前後するでしょう。
ちなみにコーヒー豆を中挽きで挽くとこんな収まり具合です。
挽いたコーヒー豆をセットできたら、実際にドリップして飲んでみましょう。せっかくなので、ハリオのV60ドリッパーでドリップしたコーヒーと飲み比べてみます。
マイカフェドリップフィルターでコーヒーをドリップする
まずは、マイカフェドリップフィルターでコーヒーをドリップします。カップに直接ドリップするタイプなので、カップを温めるためのお湯を入れるときと捨てるときにドリッパーを外さなければならないのがちょっと面倒だな・・・と思いましたが、それ以外は特に不満もなく。いざお湯を注ぎ始めると、お湯の抜けが悪いということもなく、スムーズにドリップすることができました。
一番良いと思ったのが、ドリッパーが不要かつフィルターのサイズ自体が小さいことでコーヒー粉の表面が高い位置に来るので、フィルターのフチに邪魔されることなくお湯をコーヒー粉にほぼゼロ距離で落とすことができる点です。通常のドリッパーを使用してのハンドドリップだと、ドリッパーのフチがコーヒーポットの注ぎ口と干渉するので低い位置からお湯を注ぐことが難しい場合がありますが、マイカフェドリップフィルターを用いてのドリップには、そんな煩わしさがありません。
ただ、カップに直接そそぐ系フィルター特有の、”カップのどれくらいまでコーヒーが入っているのかが分からない現象”はあります。まあ、背の高いタンブラーを使用していますし、重量を量ってドリップしているので問題はありませんが、普通のマグカップ等だといつの間にかドリップしたコーヒーがフィルターのケツにまで達している、なんてことがあるかもしれません。このタイプ全てに言えることですけどね。
ドリップを終えたら、V60ドリッパーでもコーヒードリップ。そして飲み比べ。はじめにV60ドリッパーでドリップしたコーヒーを飲むと、強く、でもスッキリとしたグレープフルーツのような酸味が強く感じられます。次にマイカフェドリップフィルターでドリップしたコーヒーを飲むと、こちらも同様に強くてスッキリとした酸味が感じられ、V60ドリッパーと遜色ない味わいのコーヒーをドリップすることができました。
考察・感想
物珍しさで購入したハリオのマイカフェドリップフィルターでしたが、とても出来が良い製品だと思います。ただ、価格が22枚入で300〜400円くらいだったと思うのですが、コーヒーのドリップ1回あたりの単価が通常のペーパーフィルターを使用するときよりも断然高いですし、家でコーヒーをドリップするなら普通にドリッパーを使用すれば良いので、家で使うというよりも会社やキャンプなど外に持っていって使用するのが主な使い道になるでしょう。その点では、コンパクトで持ち運びやすく、かつ使いやすいので最強ではないでしょうか。
欲を言えば、パッケージにチャックが付いていると良かったなあと思います。前述したように、屋外で使うことを考えると持ち運ぶ必要がありますが、1枚ポロッと持ち運ぶのもある種手間ですし、1枚しか使わないとも限らないので、チャックが付いたパッケージごと持ち運べると便利だと思います。また、自分の場合は恐らくキャンプでの利用がメインになると思いますが、そう頻繁にはキャンプしないので長期保管が前提になります。保管中は変な匂いがついたりしないように、しっかり封をして置いておきたい、という面でもやっぱりチャックが欲しかったです。
とは言いつつ、普段利用しているペーパーフィルターは封を切ったパッケージのフチを適当に畳んで保管しているんですけどね。でも、マイカフェドリップフィルターのパッケージのサイズ感を目の当たりにしたら、うずうずとチャックを付けて欲しい欲求が湧いてきてしまいました(ハリオさん、ご検討よろしくお願いします)。
今度キャンプに持っていくのが楽しみです。気になる方はぜひ探して買ってみてください。