コーヒー豆の保存方法によって、コーヒーの味は変わる? その2

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  •  コーヒー豆の保存と味わい

3段

前回から8日経過しました。引き続き、豆の状態と粉の状態それぞれで保存した時の味の違いについて検証します。

はじめに

さらに日が過ぎて、焙煎した日から数えて13日目になりました。前回の結果では味に差を感じませんでしたが、ここまで日が経てば変化があるはず。さっそく検証です。

条件

今回の検証は以下の条件下で行いました。

  • 使用したコーヒー豆:エチオピア モカ イルガチャフェ
  • 焙煎度:シティローストぐらい
  • コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
  • ドリッパー:カリタ 102ロトブラウン(陶器)
  • フィルター:カリタ 珈琲屋さんのコーヒーフィルター101(白)
  • 秤:ハリオ ドリップスケール
  • 豆の使用量:20g
  • お湯の温度:96℃
  • 抽出量:120cc
  • 焙煎日からの日数:13日目
  • 保存方法:瓶詰め・室温保存・遮光なし

豆の場合

まずは豆の状態のもの。前回、瓶の蓋を開けたときは「シュッ」とガスの抜ける音がしましたが、今回はそれがありませんでした。20g程取りだして、挽いて入れて飲む。味は相変わらず美味しい。温度によるものかもしれませんが、前回飲んだ時より全体的に味が丸くなったような気がしました。

粉の場合

続けて粉の状態のもの。こちらもガスの抜ける音はなし。瓶から取り出しているときに気付いたのですが、なんだか前回よりも粉がパラっと?シャキシャキっと?している感じ。前回の物を鮭フレークというなら、今回の物は鮭ほぐしといった印象といえばよいでしょうか(?)。

そしてお湯を注いでみると、明らかにお湯の抜けが悪い。ほぼ同じペースで注いでいるはずなのに、なかなかお湯が抜けていかず水たまりが出来てしまいました。なんとか抽出して、飲んでみます。味はというと、口に含んだ時にくるはずの香りが来ない。そして、代わりに変な臭いがしました。匂いの正体は恐らく瓶の匂いで、粉を保存する前に瓶の蓋を開けた時と同じ匂いがしました。少し置いて匂いを取ったつもりでしたが、しっかり瓶に染みついていたようです。それ以外の部分については、全体的に酸味が増したような気がしました。

今回の結果

今回の結果をまとめると、以下のようになります。

  • 粉の状態で保存すると、お湯の抜けが悪くなる
  • 粉の状態で保存すると、匂い移りが発生する
  • 焙煎日から13日目では、豆の状態の物のほうが美味しい

考察など

匂い移りの点については、私の保存瓶の状態が悪いのが原因なのですが、同じ匂いがした瓶に豆の状態で保存したものがそれを感じさせなかったという事は、粉の状態では匂いを吸収しやすくなるという事は決定的です。お湯の抜けが悪くなった点については、これまでにお湯の抜けが悪くなるという同様の体験をしたのは、コーヒー豆を細かく挽いたときでした。細かく豆を挽くとお湯の抜けが悪くなるのは、粉の密度が高いせいでお湯の通る隙間が狭くなってしまうからだと考えているのですが、今回の件をそれと同様だと考えると、粉が知らないうちに細かくなっていたという事になります。それはさすがにないと思うので、その他に考えられることとしては、粉が匂いを吸収しているように、余分な水分か何かを吸収してしまっているという点で、要は粉の中身が何かで埋まってしまったから、お湯の抜けが悪くなってしまったという事です。密閉容器とはいえただの捻って閉じる瓶ですし、湿気も多い季節なので、割とありそうだなあと考えています。

もうひとつ考えられるのが、たまたま細かく挽かれた部分が多く含まれてしまったという事です。ナイスカットミルでも、すべての豆をまったく同じ粒の大きさには挽いてくれるはずもないので、小さい粒と大きい粒が混在します。今回、何らかの影響で小さい粒の比率が高くなってしまい、結果お湯の抜けが悪くなった、という可能性です。・・・とは書いてみましたが、これはあまりにも偶然すぎる気がするのでありえないとは思いますが。ただ、コーヒーにお湯を注ぐと、粒が大きさごとにある程度固まった配置になるという現象もあるので、なんらかの影響で瓶上部に細かい粒がたまってしまっていた、ということが可能性としては捨てきれないという部分もあったりします。

豆の状態のほうが美味しいと書きましたが、これはどちらかというと豆の状態のほうが外部の影響を最小限に抑えることが出来るといったほうが正しいような気がします。今回、粉の状態の物が美味しくない原因は、主に匂い移りのせいもあったので。ただ、瓶に何かを保存すれば、必ず匂い移りは発生すると思います。今回使用した瓶も、以前漬け置きコーヒーに2回使用しただけの物ですが、しっかり変な臭いを吸っていました。そう考えると、瓶を一回ごとに使い捨てる人でなければ、粉の状態で瓶に保存するのは悪手であると言えるでしょう。

さいごに

今回の検証で、常温で、粉の状態で保存することに一切のアドバンテージがないという事は分かりました。ただ、あと一回分残っているので、また来週、同じ検証を行います。次は味のほうに明らかな変化がみられることを期待します。

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