コーヒー豆の保存方法によって、コーヒーの味は変わる? その1
- 保存方法
- コーヒー豆の保存と味わい
コーヒー豆は飲む直前に挽くのが一番良いと言われていますが、果たしてそうする事がどの程度味に影響を与えるのか、検証してみました。
はじめに
私はコーヒー豆屋でコーヒーを買って飲もう、と思った当初から下調べをして、コーヒーは飲む直前に挽くのが良いという情報をもとにミルを買っていたので、粉の状態のコーヒーを購入して長期間保存する、という状態を経験したことがありません。最近ふと、「よく聞く情報」を疑ってかからずに信じているなあと思ったので、本当に飲む前に豆を挽いたほうが美味しいのか、検証してみることにしました。
条件
今回の検証は以下の条件下で行いました。
- 使用したコーヒー豆:エチオピア モカ イルガチャフェ
- 焙煎度:シティローストぐらい
- コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
- ドリッパー:カリタ 102ロトブラウン(陶器)
- フィルター:カリタ 珈琲屋さんのコーヒーフィルター101(白)
- 秤:ハリオ ドリップスケール
- 豆の使用量:20g
- お湯の温度:96℃
- 抽出量:120cc
- 焙煎日からの日数:5日目
- 保存方法:瓶詰め・室温保存・遮光なし
豆の場合
今回の検証は、同じ瓶容器に豆と粉の状態のコーヒーをそれぞれ入れて、同条件下で保存した後、抽出してその違いを検証しました。状態はサムネイルの写真の通りです。
まず豆の状態の物から。瓶を開けると、ガスが抜ける「シュッ」をいう音が聞こえました。味は、口に含むとベリー系ような、紅茶のような上品な香りが広がり、口の中全体に酸味が感じられ、飲み込むと酸味がスッと消えて、苦味と甘みの余韻が残ります。モカは久しぶりに飲んだ気がしますが、かなり好みの味わいです。おいしい。
粉の場合
続けて、粉の状態で保存したものを開封。豆の状態で保存したものよりも、瓶の蓋を開けた時のガスの抜け方が強く、ペットボトルの炭酸飲料の蓋を開けた時のようでした。味はというと、意外なことに変わりませんでした。こちらも変わりなく美味しい。
なんとか違いを探そうと交互に飲んでいると、なんとなく、豆の状態で保存したもののほうがクリアな味わいに感じた、という程度です。
今回の結果
今回の結果をまとめると、以下のようになります。
- 焙煎日から5日目では、粉と豆、どちらの状態で保存しても味わいは変わらない
考察など
まだ焙煎日から5日と短期間とはいえ、まったく差を感じさせなかったのが意外でした。唯一、微妙に差を感じた点で、豆の状態の物のほうがクリアな味わいに感じたと書きましたが、豆の状態のほうを先に入れた分時間経過で温度が低くなって、飲み比べた時の温度の差がそう感じさせたのかもしれません。
結果はざっくりと書きましたが、密閉容器で無ければ結果は変わってくるかもしれません。予想では、豆は直前で挽いたほうが良いとされるのは保存状態での酸化速度の問題で、豆を挽く事で表面積が増えて酸化速度が上昇することで、味わいに変化をもたらすからだと考えています。つまり、何の容器にも入れず、ティッシュなどの上に豆を粉をのコーヒーを置いて保存していたら、今回の検証でもなんらかの差が生まれていたと思います。
また、瓶を開けた時のガスの抜け方が、粉の状態の物のほうが勢いが強かったのは、酸化が進むとガスが発生すると仮定すると、辻褄が合うように思います。
さいごに
お昼に炭水化物を食べすぎて頭が回らない状態でいろいろ書いてしまいましたが、今回はあまり収穫がない結果となってしまいました。しかし、多分1回じゃ分からないだろうと思っていたので、3回分の60gをそれぞれの瓶に確保しておいたので、あと2回、期間を開けて同じコーヒー豆で検証を行います。次は明らかな差が出ることを祈ります。