コーヒー豆の保存方法によって、コーヒーの味は変わる? その8

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  •  コーヒー豆の保存と味わい

1ヶ月前に焙煎したコーヒー豆の在庫は常温、冷蔵、冷凍それぞれ1杯分ずつとなりました。それぞれどのような味わいのコーヒーが抽出されるのでしょうか。

はじめに

今日で連チャン検証3回目で、コーヒー豆の焙煎日からちょうど1ヶ月、日数で言うと31日目になりました。常温、冷蔵、冷凍の3パターンで保存していたコーヒー豆は、1ヶ月の保存で味にどのような変化があるのでしょうか。

保存2週間目、3週間目、そして今回とおおよそ1週間毎にコーヒーの味わいの比較を行ってきましたが、もう在庫も無いため今回で一区切りとなります。3週目の時点では思ったよりもハッキリとした結果が得られていませんでしたが、今回は果たしてどうなるのでしょうか。

条件

今回の検証は以下の条件下で行いました。

  • 使用したコーヒー豆:エクアドル アンデスマウンテン
  • 焙煎度:フルシティローストぐらい
  • コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
  • ドリッパー:ハリオ V60透過ドリッパー01(ガラス)
  • コーヒーポット:ユキワ M-5
  • フィルター:ハリオ V60ペーパーフィルター01W(ホワイト)
  • 秤:ハリオ ドリップスケール
  • 豆の使用量:18g
  • お湯の温度:約88℃
  • 蒸らし時間:20秒
  • 抽出量:130cc
  • 保存瓶:無印良品 ソーダガラス密封ビン 500ml
  • 常温保存温度:約23.3℃(保存開始時)
  • 冷蔵保存温度:約5.1℃(保存開始時)
  • 冷凍保存温度:約-18.8℃(保存開始時)

焙煎から31日目のコーヒー豆の状態

ちょうどコーヒー豆を焙煎した日から1ヶ月が経った、それぞれのコーヒー豆の状態を見てみましょう。まずは常温保存していたコーヒー豆の様子から。

常温で保存したコーヒー豆

コーヒー豆全体にコーヒーオイルが回って、相変わらずテカテカです。見た目は先週から変わりないように見えます。

次に、冷蔵庫で保存していたコーヒー豆の様子を見てみましょう。

冷蔵庫で保存したコーヒー豆

先週まではコーヒーオイルは見られなかったのですが、今回はポツポツとコーヒーオイルがにじみ出ているのが見受けられます。見た目に変化があるという事は、味にも変化があるかも知れません。

最後に、冷凍庫で保存していたコーヒー豆です。

冷凍庫で保存したコーヒー豆

こちらは、常温、冷蔵と違って最後までコーヒーオイルが表面ににじみ出てきていません。鮮度が保たれている故なのか、果たして。

見た目は確認出来たので、コーヒーを淹れて飲み比べます。

コーヒーを淹れて飲む

これまでと同じように、18gのコーヒー豆を使用して、2分ほどかけておよそ130ccのコーヒーを淹れていきます。常温、冷蔵、冷凍で保存していたコーヒー豆の順番に淹れて、真空断熱タンブラーに注ぐ。コーヒーを淹れていて感じたのが、前回同様、やはり常温よりも冷蔵、冷蔵よりも冷凍保存していたコーヒー豆にお湯を注ぐと良く膨らむこと。やっぱり鮮度が保たれている証拠かな?と思いつつコーヒーを淹れて、3杯そろったら飲み比べる。

まず、常温で保存していたコーヒー豆で淹れたコーヒー。飲むと、あれ、意外と飲める。しかしなんだか違和感も感じます。とりあえず、次に冷蔵庫で保存していたコーヒー豆で淹れたコーヒーを続けて飲む。こちらも目立った欠点はなく、飲める。最後に冷凍庫で保存していたコーヒー豆で淹れたコーヒー。飲むと、やっぱりコレが一番美味い。クリアで、余計なものを感じない。

とりあえずそれぞれを一口ずつ飲んだ後、交互に飲んでみると、常温で保存していたコーヒー豆で淹れたものは、他の2杯と比べて明らかに不自然な酸味があることがわかりました。しかも結構強め。かつ、臭いというほどではないのですが、香りがないというか・・・。

冷蔵と冷凍のものを比較すると、やっぱり冷蔵のは酸味が出ているように感じます。ただ、常温のものに比べるとそれほど違和感があるわけではなく、単体では違和感もないので、許容範囲かと思いました。

今回の結果

今回の結果をまとめると、以下のようになります。

  • 常温の場合、コーヒー豆の状態であっても1ヶ月保存するのは避けたほうが良い
  • 長期間コーヒー豆を保存する場合は、冷凍保存するのが良い

考察・感想

最後に、ちゃんとコーヒーの味に違いを見つけることが出来たので良かったと思います。やはり、常温保存ではコーヒー豆の状態であっても1ヶ月間、美味しい状態で保存することは難しいようです。そして、冷凍保存であれば、美味しさを保って保存できることも分かりました。

今回、常温保存のコーヒー豆で淹れたコーヒーは、もともとコーヒー豆が持っていなかった嫌な酸味が感じられました。酸味が感じられた原因としては、普通に考えればコーヒー豆の酸化によるものなのかと思います。そうなると、冷蔵、冷凍保存と比較して、常温保存は酸化スピードが早い、ということになります。一般的に酸化スピードは温度が低いほど遅いようなので、これが妥当でしょう。そう考えると、少なくともコーヒー豆を保存する際は保存温度は低くしたほうが良いと言えます。

少々注意したいのが、今回の1ヶ月の検証を通して、3週間目である前回の検証では酸化の影響を感じられませんでしたが、今回はハッキリと感じられました。これだけ見ると、コーヒー豆は常温保存でも3週間は持つ、と思うかも知れませんが、実際のところビンのフタの開け閉めは今回を含めてたった3回しかしていないため、それを考慮する必要があります。つまり、毎日フタを開け閉めしていたらおそらく3週間は保たないかもしれない、ということです。そうなると、常温保存で美味しく飲める保存期間はもっと短いかも知れません。

冷蔵保存については、なんだか微妙でした。少々劣化したように思いますが、気になるほどでもない・・・。間違いなく常温保存よりは良いですが、それなら冷凍保存したほうが良いと思いました。

そして冷凍保存のコーヒー豆。この1ヶ月、唯一いつ飲んでも美味しいコーヒーを淹れることが出来ました。前回の結果にも書きましたが、やはりコーヒー豆を冷凍保存しない理由は無いかと思います。ただ、ふと頭を過るのが、1週間くらいだったら常温保存のほうが良いんじゃないか、という可能性です。冷凍ってイメージ的に冷凍焼けで水分が抜けたりして、基本的に味は劣化する印象があります。もちろん、この1ヶ月の結果を見る限りではそんなことはなかったのですが、保存して2週間目から飲み比べを行っていたので、空白の1週間はもしかしたら常温保存の方が美味しく飲めたのかも・・・、とも思います。

でも、冷凍焼けしたとしてもコーヒー豆で水分が抜けるのは悪いことじゃないような、むしろ好都合のような気もします。ただ、コーヒーオイルはどうなるのか・・・。考えるとキリがありませんが、事実として2週間目では常温も冷蔵も冷凍もコーヒーの味に差はなかったので、1週間程度の短期間であれば常温でも問題ないでしょう、とは言えます。

今回の結果から見ると、挽いたコーヒー豆にお湯を注いでよく膨らんでいたのは、やはりそれだけ鮮度が保たれていた、コーヒー豆が酸化していなかった証拠なのかなと思います。コーヒー豆がよく膨らむのは新鮮な証拠という話はありますが、確かにそうなのかも知れません。ただ、新鮮でも浅煎りのコーヒー豆はそこまで膨らまなかったりして、そんな浅煎りのコーヒー豆は水分量も多く残っていると思うので、逆に冷凍のコーヒー豆がよく膨らむのは冷凍焼けで水分が抜けていたからよく膨らんだ・・・、とかいう考えも浮かばなくありません。が、もうキリがないのでここで終わりにします。

さいごに

ここまで来ると、1ヶ月以上の場合とか、冷凍保存であっても劣化してしまう期間を探ってみたい気にも駆られますが、どうしようかな・・・。それと、ビンのフタを1日1回開けた場合でも同じ結果になるか、とか。

調べても調べてもキリがないですね。

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