コーヒー豆の保存方法によって、コーヒーの味は変わる? その5

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3つのコーヒー豆

まだコーヒー豆が余っているので、前回からの時間経過でどのように変化があるのかを確認してみたいと思います。

はじめに

4回目となる前回から更に1週間が経過して、焙煎日から3週間が経過したコーヒー豆が保存状態によってどのように味わいが変わってくるのか、前回だけでは購入分のコーヒー豆が消費しきれていませんでしたので、引き続いて確かめてみたいと思います。ただ、前回の時点で挽いた状態で常温保存していたものは明らかな品質の劣化が見られたので、こちらについては今回は検証しないことにします。

条件

今回の検証は以下の条件下で行いました。

  • 使用したコーヒー豆:メキシコ ベラクルースルビー
  • 焙煎度:フルシティローストぐらい
  • コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
  • ドリッパー:カリタ ロト101(陶器)
  • コーヒーポット:ユキワ M-5
  • フィルター:カリタ カリタ コーヒーフィルター101(ホワイト)
  • 秤:ハリオ ドリップスケール
  • 豆の使用量:20g
  • お湯の温度:約94℃
  • 抽出量:120cc
  • 焙煎日からの経過日数:21日目
  • 保存方法:無印良品ソーダガラス密封瓶500ml、室温23℃、冷蔵10℃

コーヒーを抽出する

保存状態は前回と変わらず、そのまま期間だけが伸びただけですので、詳細についてはカット。豆で常温、豆で冷蔵、粉で冷蔵の順でそれぞれ20gのコーヒー豆で120ccのコーヒーを入れて、飲み比べます。前回、コーヒーオイルとした、実際はコーヒーオイルかどうか良く分からないコーヒーの表面に浮いていた油のようなものですが、前回は豆の状態で冷蔵保存していたものを使用して抽出したコーヒーの表面には見られませんでしたが、今回はそれが確認できました。ただ、一応写真を撮影したのですが、ちょっと分からないかもしれません。

豆で常温保存したコーヒー

豆で常温保存したコーヒー豆で抽出したコーヒー。

豆で冷蔵保存したコーヒー

豆で冷蔵保存したコーヒー豆で抽出したコーヒー。

粉で冷蔵保存したコーヒー

粉で冷蔵保存したコーヒー豆で抽出したコーヒー。

結局コーヒーオイルなのかは不明ですが、前回考察した保存状態によるコレの有無という差異は無いものと分かっただけ良しとしましょう。

コーヒーを飲み比べる

3杯のコーヒーを入れたら飲みます。まずは豆の状態で常温保存したものから。口に含むと、なんだか妙に刺激が強い感じがしました。一番最初に入れているので、どうしても冷めてしまう部分があるのでそのせいかもしれませんが。後味は苦味がよく感じられます。次に、豆の状態で冷蔵保存したもの。こちらについては、前回でもそうでしたがコーヒーを抽出している際に一番よく膨らんだので、一番鮮度が保たれていそうで期待も膨らみます。味は、豆の状態で常温保存したものよりも柔らかな口当たりに感じられました。ただし、温度差も考慮しなければなりませんが。最後に粉の状態で冷蔵保存していたもの。粉で常温保存していたものは2週間目の時点で品質が劣化していましたので、ちょっと心配です。飲むと、意外と、というか普通に飲めました。特に臭くもなく。

3杯を交互に飲み比べてみて、豆の状態で常温保存していたものについては、豆の状態で冷蔵保存していたものと比べると、若干他のニオイがついてしまっている気がしました。今回入れたコーヒーの味わいで順位をつけるならば、豆の状態で冷蔵保存したもの、粉の状態で冷蔵保存したもの、豆の状態で常温保存したもの、の順番で品質が保たれていたと思います。

今回の結果

今回の結果をまとめると、以下のようになります。

  • コーヒー豆は状況にもよるが、冷蔵保存したほうが良い

考察など

今回で用意していたコーヒー豆はとりあえず消費しました。結果的には、コーヒー豆は冷蔵保存したほうが良いと言っても問題ないとは思いますが、注意点があります。それは、冷蔵庫内のニオイによってはコーヒー豆に匂いが移る可能性があるという事です。今回、常温保存と冷蔵保存での差で顕著に見られたのが、匂いの違いでした。匂いが違ってくる原因として考えられるのは、コーヒー豆の形状の違いと湿度の違いだと考えていて、まず前回の考察にも書きましたが、コーヒー豆が挽かれることで表面積が増え、外気との接点が増えて酸化が促進されると考えています。それと同時に湿気もより吸い込むようになり、湿気と一緒に匂いも吸う事で品質の劣化が起こる、と言った感じでしょうか。で、冷蔵庫と常温の室内では、一般的には冷蔵庫のほうが湿度は低いはずで、湿度が低いということは室温よりも吸い込む湿気も少ないという事で、結果的に冷蔵庫で保存した方が言うなれば吸い込み率的な観点で室内保存よりマシなので劣化が少ないのでしょう。

ですが、上記のようなメリットがあるのに対して、冷蔵庫だからこそのデメリットもあるでしょう。それは、冷蔵庫内への食品の保存による匂い移りの可能性です。部屋の広さに比べたら冷蔵庫内は狭いですから、それだけ他の匂いとの接点も近くなります。さらに冷蔵庫は食品を入れてなんぼですから、匂いの強度の観点で言えば室温より上でしょう。私の場合は匂いの強いものを冷蔵庫内に入れていなかったので特に問題を感じませんでしたが、そうでない場合は吸収率は低くても強い匂いを少しでも吸ってしまうことで、粉の状態で常温保存していたものが劣化した事と同じように、冷蔵保存していても劣化してしまうでしょう。

これらのことから、現状で最もコーヒー豆の保存に適している条件は、冷蔵庫でかつ匂いの少ない環境で保存する事でしょうか。コーヒー豆専用の小さい冷蔵庫を用意するか、完全に外気をシャットアウトする保存容器を用意するか。お好きな方をどうぞ、って感じですかね。

さいごに

考察の最後に書いてふと思いましたが、完全に外気をシャットアウトする容器に入れれば、常温保存でも匂い移りもなく品質が保たれるのでしょうか。それで保たれるのであれば考え通り、外気を取り込むことでの劣化という可能性でほぼ確定ですが、そうでなかった場合、品質の劣化に吸気は関係がないと言うことになります。この検証の是非を問うためにも、いつか確かめなければいけないかもしれません。

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