コーヒー豆の保存方法によって、コーヒーの味は変わる? その3

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飲んだよ

前回からさらに7日が経過し、3回目の連載です。サクッと書いていきましょう。

はじめに

前回前々回と続けてきました。本日で焙煎日から数えて20日目になります。私は常時3、4種類程度のコーヒー豆を手元に置くようにしていて、内2種類は注文してから焙煎してくれるお店の物で、ほぼ毎日2種類のうち1種類ずつ交互に飲んで、だいたい20日もすれば片方が空になります。つまり、コーヒーをよく飲む人で連日同じ豆を飲む人なら、同じ豆を20日も保存しないと思いますので、そういう人には少々実用範囲外な検証かもしれません。たまにコーヒーを飲む人には、有益な結果となると良いのですが。

条件

今回の検証は以下の条件下で行いました。

  • 使用したコーヒー豆:エチオピア モカ イルガチャフェ
  • 焙煎度:シティローストぐらい
  • コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
  • ドリッパー:カリタ 102ロトブラウン(陶器)
  • フィルター:カリタ 珈琲屋さんのコーヒーフィルター101(白)
  • 秤:ハリオ ドリップスケール
  • 豆の使用量:20g
  • お湯の温度:96℃
  • 抽出量:120cc
  • 焙煎日からの日数:20日目
  • 保存方法:瓶詰め・室温保存・遮光なし

豆の場合

瓶の中身を全て取りだして、いつも通りに抽出します。前回の記事に粉で保存したほうは匂い移りがあったことを記載しましたが、今回は、若干ですが、とうとうこちらにも匂いが移ってしまっていました。味の性質自体は以外なことに変わらずといったところですが、口に含んだ時の良い香りが移った匂いに阻害されていて、満足は出来ませんでした。

粉の場合

前回の時点で美味しくないことは明白なので、あまり飲む気にはなりませんでしたが、違いを把握するためにも抽出。前回同様、お湯の抜けが悪い。飲んでみると、含んだ時に感じる匂い移りは変わらず、それに加えて、最初から最後までスッキリとしない酸味が続く印象です。豆の状態で保存したものも、口に含んだ時の酸味が印象的でしたが、それとは別の酸味具合で、劣化感は否めません。また、豆の状態の物のほうがクリアな飲み口な気がしました。

今回の結果

今回の結果をまとめると、以下のようになります。

  • 豆の状態で保存しても、長期間保存すると匂いが移る可能性がある
  • 粉の状態で保存すると、お湯の抜けが悪くなる
  • 粉の状態で保存すると、味の劣化速度が速くなる
  • 焙煎日から20日目では、豆の状態の物のほうが美味しい

考察など

匂い移りについては、瓶を洗った後に気付いたのですが、匂いの発生源はどうやら瓶の蓋のようです。洗っても匂いが落ちませんでした。1個数十円の瓶なので仕方がありませんが、なるべく匂いの移らない材質でできた保存容器を使用したほうが良さそうです。また、豆の状態と粉の状態での保存した場合の違いとしては、劣化速度の違いが挙げられます。何をもって劣化とするかは微妙なところですが、豆の状態でも匂いが移ってしまった事、粉の状態のほうが匂い移りが早かったこと、粉の状態で保管したものの味が劣化した事から、劣化=酸化と考えています。表面積が増えることで酸化速度が上昇し、結果匂いが移り味が変質、豆の状態では、表面積が小さい分酸化速度が粉に比べて遅かったが、酸化することには変わりないので、味の劣化まではいかなかったが匂いは移ってしまった。といったところでしょうか。豆の状態でもまったく劣化しないという事はないでしょう。

この結論からすると、酸化が与える影響は味よりも先に匂いという事になります。その理由については、うーん、ちょっと想像がつきません。ただ、まったく無臭の保存容器であれば、豆の状態のものの匂い移り=劣化を感じ取ることは出来なかったかもしれません。怪我の功名ってやつでしょうか。逆を言えば、豆の状態で、きれいな保存容器で保存すれば、20日経っても変わらず美味しく飲めるかもしれません。

粉の状態で保存するとお湯の抜けが悪くなる現象は、相変わらずでした。つまり、前回の考察に書いたように、たまたま細かく挽かれた部分が集まってしまったという事はなさそうです。となると、余計なものが詰まった説が有力でしょうか。と、書いていたらこれ関する面白い検証を思いついたので、いずれやってみたいと思います。

さいごに

3週にわたって検証してきました。結果としては、1週間以上の保存は豆の状態で保存するのがベスト、1週間くらいなら豆と粉どっちでも良いかも、保存容器は匂い移りのないものを使おう、です。匂い移りについては盲点でしたが、結果としては良いデータが取れたので良しとします。次に同じ検証を行うときは、きれいな保存容器を用意して、冷蔵保存などとも比較してみたいですね。

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