コーヒー豆の保存方法によって、コーヒーの味は変わる? その6

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最近、それなりの量の焙煎されたコーヒー豆を手元に持っておく機会が多くなりました。そこで問題になるのがコーヒー豆の保存方法。暑い季節になり、なおのこと食品の管理をしっかりしなくてはいけない季節なので、コーヒー豆の保存方法について、久しぶりに検証を行いたいと思います。

はじめに

以前にもコーヒー豆の保存方法についての検証を行っていたことがあります。このときは、常温と冷蔵で、かつコーヒー豆を挽いた状態とそうでない状態の比較で行っていました。このときはそれなりの検証結果を得ることが出来て、キリの良い形で終われたかと思います。

そして最近、色々と情報収集をしている中で、コーヒー豆の冷凍保存について見かける事がありました。そのときは特に保存方法についてどうこう考えてはいなかったのですが、そういえばコーヒー豆の冷凍保存は試したことが無かったなーと思い、また、手元のコーヒー豆も多くなっていたので、良い機会なので冷凍保存の実力の程を試してみるか、ということで今回の検証をする運びとなった感じです。

条件

今回の検証は以下の条件下で行いました。

  • 使用したコーヒー豆:エクアドル アンデスマウンテン
  • 焙煎度:フルシティローストぐらい
  • コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
  • ドリッパー:ハリオ V60透過ドリッパー01(ガラス)
  • コーヒーポット:ユキワ M-5
  • フィルター:ハリオ V60ペーパーフィルター01W(ホワイト)
  • 秤:ハリオ ドリップスケール
  • 豆の使用量:18g
  • お湯の温度:約88℃
  • 蒸らし時間:20秒
  • 抽出量:130cc
  • 保存瓶:無印良品 ソーダガラス密封ビン 500ml
  • 常温保存温度:約23.3℃
  • 冷蔵保存温度:約5.1℃
  • 冷凍保存温度:約-18.8℃

コーヒー豆の保存方法

まず、コーヒー豆の保存方法についてですが、今回はコーヒー豆の状態で常温、冷蔵、冷凍の3パターンの保存方法で保存します。容器は無印良品で販売している500mlのソーダガラス密封ビンを使用します。

無印良品 ソーダガラス密封ビン 500ml

保存瓶。私は基本的にコーヒー豆はすべてこの瓶に入れて保存しています。密封とのことなので、それなりの気密性のはず。

この保存瓶を3つ用意して当日中に焙煎したコーヒー豆を入れて、キッチンの戸棚(常温)、冷蔵庫、冷凍庫の3箇所にそれぞれ置きます。一緒に、それぞれの場所の温度もざっくりと測定します。温度は、戸棚は23.3℃、冷蔵庫は5.1℃、冷凍庫は-18.8℃となりました。なお、保存瓶に入れたコーヒー豆の量ですが、生豆の状態で200gのコーヒー豆を焙煎してもらってそれぞれ均等に分けたところ、保存瓶1つあたりのコーヒー豆の量は58gとなっています。

それぞれを15日間動かさずそのままにした後、ハンドドリップでコーヒーを淹れて飲み比べを行います。

焙煎から15日後のコーヒー豆の状態

焙煎した日から15日間そのままにしておいたコーヒー豆の状態を確認してみましょう。まずはキッチン下の戸棚で常温で保存しておいたコーヒー豆。

常温で保存したコーヒー豆

表面にはコーヒーオイルが滲んできています。蓋を開けるときはポンッとガスが思いっきり抜ける音がして、しっかり密封されていた感じです。

次に冷蔵していたコーヒー豆の様子を見てみます。

冷蔵で保存したコーヒー豆

表面にコーヒーオイルは見えず、蓋を開けたときも特に新鮮な感じはしませんでした。見た目だけで言うと、常温保存のほうがまともに感じます。

最後に、はじめて見る冷凍保存のコーヒー豆の様子。どんな感じでしょうか。

冷凍で保存したコーヒー豆

冷凍モノは、まず蓋が固まっててなかなか開きませんでした。なんとか開けると、見た目は普通のコーヒー豆で固まっている感じには見えません。また、コーヒーオイルも見当たりません。

保存方法によって早速差があるようですが、実際のところは飲んでみるまではわかりません。ファーストインプレッションを楽しんだところで、コーヒーを淹れて飲み比べをしてみたいと思います。

コーヒーを淹れて飲む

それぞれ18gのコーヒー豆を使用してコーヒーを淹れます。いつもはコーヒー豆を20g使用するのですが、今回使用するコーヒー豆を3等分したところ、1瓶あたり58gとなり、この先さらに飲み比べを行うことを考えると3杯分は確保しておきたかったので、今回は20gではなく18gとしました。

淹れる直前までそれぞれの保管場所にコーヒー豆は入れておいて、なるべく直前に取り出して、18gを量り取り、中挽きで挽いて、プアオーバーで130ccのコーヒーを淹れます。それを3回繰り返して、3杯のコーヒーを淹れました。コーヒーを淹れていたとき、冷凍保存のコーヒー豆にお湯を注いだ時は、他よりもよく膨らんだような気がしました。

ちなみに、上の常温、冷蔵、冷凍のコーヒー豆の写真は、それぞれのコーヒーを淹れるときにコーヒー豆を保管場所から取り出した際に撮影しています。写真のために取り出して、しまって、また取り出す、ということはしていないということです。

3杯のコーヒーが揃ったので、常温、冷蔵、冷凍の順番で飲んでみます。常温保存のコーヒー豆で淹れたコーヒーを飲むと、特に異臭がすることはなく、苦く、鼻に来るような甘い味わい。酸味は少なく、ナッツ系の香ばしい感じです。でも正直、あまり好みの味ではないかも。

次に、冷蔵保存のコーヒー豆で淹れたコーヒー。これは、うーん、変わらない。臭くもなく、味が違うわけでもなく、です。

最後に冷凍保存のコーヒー豆で淹れたコーヒーを飲みます。これも変わらず。気持ちクリアな感じがしなくも無いかなーと思いましたが、明らかに差があるということはありませんでした。

その後も順番を替えて交互に飲み比べをしましたが、正直味に変わりはありませんでした。

今回の結果

今回の結果をまとめると、以下のようになります。

  • 2週間程度の保存の場合、コーヒー豆の状態で密封容器に入れて保存すれば、保存温度は気にしなくて良い

考察・感想

今回飲み比べを行った結論としては、2週間程度の保存であればそこまで保存方法に神経質にならなくて良い、といったところでしょうか。開けっ放しの瓶に入れてあるとか、1日で0℃から30℃まで気温が変化する部屋に置いてあるとか、極端に保存環境が悪い場合を除いて、ですが。それと、コーヒー豆の状態であるという前提も忘れずに。

2週間となると、コーヒー豆を注文後に焙煎してくれるお店で200g購入して、次の日から飲み始めて1日1杯のペースで飲んでも十分消費しきれるほどの期間かと思います。つまり、コーヒー豆の状態で保存容器で保存する場合、よっぽど多くのコーヒー豆を保持していないければ、美味しく飲むための保存方法を気にかける必要は無いってことです。ただし、コーヒー豆を挽いた状態の場合は話は別です。このあたりについては過去の保存方法の検証も参考にしてみてもらいたいと思いますが、おそらく何かしらのニオイを吸収してとても飲めたものじゃなくなるでしょう。

今回の検証だけではなく、過去分の検証の結果も合わせて考えると、短期間でもコーヒー豆を挽いた状態で保存する場合は気を使う必要がありますが、豆の状態で保存する場合ならあるていど適当でも良いということになるでしょうか。ただし、2週間よりも長くなる場合は、豆の状態でも常温では劣化するというのが前回の検証の結果で分かっているので、油断は禁物です。季節や室温、遮光の有無とも相談したほうが良いかも知れません。

さいごに

とりあえず2週間、厳密には焙煎した日から15日目ですが、この時点では保存方法による味の変化は無いことがわかりました。それぞれの温度で保存しているコーヒー豆が、あと2杯ずつ淹れられる量しか無いので、来週、再来週と検証するか、来週はスルーして2週間後、3週間後で飲み比べるか。悩むところですが、あと2回は継続して行うので、お付き合い頂ければと思います。

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