焙煎から3週間経過したコーヒー豆は美味しく飲むことができるのか

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コーヒー豆の焙煎日から3週間

前回の検証から更に1週間が経過して常温、冷蔵、冷凍の3パターンで保存したコーヒー豆は焙煎日から22日、約3週間経過したことになります。コーヒー豆をここまでの期間保存することは滅多にありませんが、果たして変わらず美味しく飲むことができるのでしょうか。

条件

今回の検証は以下の条件下で行いました。

  • 使用したコーヒー豆:エクアドル アンデスマウンテン
  • 焙煎度:フルシティローストぐらい
  • コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
  • ドリッパー:ハリオ V60透過ドリッパー01(ガラス)
  • コーヒーポット:ユキワ M-5
  • フィルター:ハリオ V60ペーパーフィルター01W(ホワイト)
  • 秤:ハリオ ドリップスケール
  • 豆の使用量:18g
  • お湯の温度:約88℃
  • 蒸らし時間:20秒
  • 抽出量:130cc
  • 保存瓶:無印良品 ソーダガラス密封ビン 500ml
  • 常温保存温度:約23.3℃
  • 冷蔵保存温度:約5.1℃
  • 冷凍保存温度:約-18.8℃

焙煎から3週間経過したコーヒー豆の状態

コーヒー豆の保存方法については前回の検証に詳細を記載しているので、今回はコーヒー豆の状態だけ見ていくことにします。

まずは常温で保存したコーヒー豆。キッチンの下の戸棚の中に3週間押し込められているわけですが、味に変化はあるのでしょうか。

常温で保存したコーヒー豆

蓋をあけると前回同様、ポンッと小気味よい音がしました。以前はコーヒーオイルが豆の表面にポツポツと見えている程度でしたが、今はそれが満遍なくコーヒー豆を覆っていて、テカテカとしています。時間経過によってコーヒーオイルが更に浮いて出てきたのでしょうか。

次に冷蔵庫で保存していたコーヒー豆の様子を確認します。

冷蔵庫で保存したコーヒー豆

こちらは蓋を開けても音はせず、相変わらずコーヒーオイルがにじみ出ることもない様子で、見た目は前回と変わりません。

最後に、冷凍で保存していたコーヒー豆を確認します。

冷凍で保存したコーヒー豆

今回もちょっと蓋が固く開け辛くなっていました。見た目は冷蔵庫で保管していたものと特に変わりは無いように見えます。

常温で保存していたコーヒー豆以外は、特に見た目に変化は見られませんでした。これは、鮮度が保たれている証拠と受け取って良いのでしょうか。また、常温に比べて冷蔵と冷凍のコーヒー豆は見た目が白いのは、霜がついているでしょうか。前回はそこまでハッキリと見た目に差がついていなかったのでカメラの明るさの設定のせいかと思いましたが、今回は違いが顕著に見えます。

霜が原因だとすると、品質の劣化が少々心配ですが・・・。見た目だけでは分かりませんので、コーヒーを淹れて飲んでみる事にします。

焙煎から3週間経過したコーヒーを淹れて飲む

前回同様、常温、冷蔵、冷凍保存の順番でハンドドリップでコーヒーを淹れていきます。まず、常温保存のコーヒー豆。18gを量り取って、蒸らしのお湯を投入。まだ泡がしっかり出てきて、鮮度が保たれているように見えます。20秒待って、2分程度で130ccを抽出します。

次は冷蔵保存のコーヒー豆でコーヒーを淹れます。同様に蒸らしのお湯を投入すると、なんだか常温で保存したコーヒー豆よりもよく膨らむ気がします。最後に冷凍で保存したコーヒー豆。こちらは、お湯を入れると明らかに前の2つよりよく膨らんで、かつ香りもよく広がったように感じます。

コーヒーを3杯淹れたら、あとは飲むだけ。まず、常温で保存したコーヒー豆を使用したコーヒー。焙煎日から3週間経過しているのでだいぶ不安ですが、飲むと、前回と同じように苦く甘い味わい。クリアさに欠ける感じがしますが、思ったより普通で、問題なく飲めます。

冷蔵保存のコーヒー豆で淹れたコーヒーを飲みます。味わいは常温のものとさほど変わらないように感じ、気持ち程度ですが常温保存のものよりも全体的に濁った感じの少ない、クリアな味わいに感じます。

冷凍保存のコーヒー豆で淹れたものを最後に飲みます。飲むと、これは他の2つとは違い、味わいの中に”豆っぽさ”が感じられます。新鮮な感じ、というのでしょうか。全体的に更にクリアな印象で、鮮度が保たれているのがハッキリわかります。これと比較すると、他の2つは濁った感じというか、少々”くさみ”のある感じにも取れなく無いでしょう。

今回の結果

今回の結果をまとめると、以下のようになります。

  • 焙煎日から3週間経過したコーヒー豆は、密閉容器での保存であれば保存方法をそれほど気にする必要はないが、できれば冷凍保存するのが望ましい

考察・感想

少々悩ましいところです。今回の飲み比べの結果を受けて確実に言えることは、コーヒー豆は冷凍保存がベストということです。お湯を注いだときの膨らみ具合や抽出されたコーヒーの味わいから、明らかに常温保存、冷蔵保存よりも優れていると言えます。

ただ、じゃあ常温保存や冷蔵保存では駄目なのかというと、そんなことも無いかと思います。特別に異臭が染み付いていることも無いので、普通に美味しく飲める範疇です。ただ、比較すると冷凍保存のほうが優れている、というだけです。常温保存くんと冷蔵保存くんのテストの点数は60点は超えて赤点は免れているけど、90点の冷凍保存くんには負けている、って感じです。

でもよく考えると、今の時代どの家にだって普通は冷凍室のついた冷蔵庫がありますし、冷凍室がいつも冷凍食品で一杯なんてこともあまりないと思うので、コーヒー豆を冷凍保存で保存しない理由も無いんですよね。その点では、冷凍保存できない理由が無ければ、冷凍保存しておいて良いんじゃないかって思います。ただし、私の家の冷凍庫はニオイのするものが入っていない、という前提があるのでそこだけは注意してください。

常温保存と冷蔵保存の差に関しては微妙です。前々回の検証などを参考にするならば、冷蔵のほうが良いとは思うのですが、今回はそこまで差を感じられませんでした。やはり、保存している場所の周囲の状態も影響するのでしょうか。このあたりについては、次回あたりにはハッキリ味の違いとして出てくれば良いなあと思います。

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