美味しいアイスコーヒーは浅煎りのコーヒー豆でも淹れられる? その1

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  •  コーヒーの抽出
  •  浅煎りアイスコーヒー

今年も暑くなる日が多くなってきて、冷たいコーヒーを飲みたくなる季節になりました。せっかくなので検証を交えつつ、アイスコーヒーを淹れたいと思います。

はじめに

アイスコーヒーというと、何でなのでしょう、深煎りのコーヒー豆を使用する事になっていますよね。誰が始めたのか、何で深煎りのコーヒー豆でないといけないのか、皆が分かっているのであれば別にかまわないとは思うのですが、少なくとも私にはよく分かりません。考えられるとすれば、アイスコーヒーには氷がつきものであるため、氷で味が薄まる分を考慮している、とかでしょうか。

ただ、それだと苦味がコーヒーの本質であるという感じに取られている気がします。苦けりゃいいんだろ?みたいな。そう考えると、アイスコーヒーを深煎りのコーヒー豆で淹れるべきという固定観念を産んだ人は、それほどコーヒーを理解していなかったのかもしれません。私も理解しているとは言い難いですが。まあ、なんかしら及ばない考えがあるのでしょう。

アレコレ思うことはありますが、今回は、アイスコーヒーには深煎りのコーヒー豆、という固定観念へのアンチテーゼ的に、むしろ浅煎り目のコーヒー豆でアイスコーヒーを淹れてやろうじゃないかというテーマでアイスコーヒーを淹れたいと思います。

条件

今回の検証は以下の条件下で行いました。

  • 使用したコーヒー豆:コロンビア エル・トゥリウンフォ
  • 焙煎度:シティローストぐらい
  • コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
  • ドリッパー:ハリオ V60透過ドリッパー01(ガラス)
  • コーヒーポット:ユキワ M-5
  • フィルター:ハリオ V60ペーパーフィルター01W(ホワイト)
  • 秤:ハリオ ドリップスケール
  • 豆の使用量:20g
  • お湯の温度:約89℃
  • 蒸らし時間:20秒
  • 抽出量:130cc

アイスコーヒーの淹れ方について

アイスコーヒー、というか冷たいコーヒーの淹れ方にも色々あります。水を点滴で滴下して抽出する水出し、コーヒー粉に水を入れて放置する浸漬法、普通に淹れたコーヒーを氷以外の方法で冷却する方法などなど。まあ、いま列挙したのは2年ほど前の夏に私が”冷たいコーヒーを抽出する”シリーズとして検証していた内容なんですけどね(こんな感じです。よかったら見てみて下さい)。

今更になって気づいたのですが、コーヒーを氷を敷き詰めたグラスに直接ドリップする、という方法のアイスコーヒーの淹れ方はまだ試していなかったようです。当時はなるべく、コーヒーの抽出に必要最低限な水以外に水分を入れない、というスタンスだったからでしょうか。今回はそのスタンスは置いといて、氷を入れたグラスに直接ドリップする方法でアイスコーヒーを淹れたいと思います。

アイスコーヒーを淹れる

ここからはアイスコーヒーを淹れていきます。まず、使用するコーヒー豆について。今回はシティローストくらいのコーヒー豆を使用します。もう少し浅煎りのコーヒー豆を使用しても良いかな、と迷ったのですが、シティローストでもアイスコーヒー用途では十分に浅煎りに分類されますし、結果を見て必要であればもう一度検証すれば良いと思ったので、今回はコレで行くことにしました。

シティローストのコーヒー豆

コーヒー豆を中挽きで挽いたらドリッパーにセット。お湯を沸かして、すこし冷まして、準備がある程度整ったらグラスに氷を敷き詰めます。

氷を淹れたガラスのコーヒーカップ

氷を手一杯に掴んで、更にもう少し足して、このくらい。ちょっと多いかな?と思いましたが、多分丁度良くなるはず。

氷を入れたらドリッパーを乗せて、後はいつもどおりコーヒーをドリップ。氷が熱に晒されてパキパキと音を立てるのを聞きつつ、20gのコーヒー豆で130cc抽出できたらストップ。アイスコーヒーの完成です。

アイスコーヒーを飲む

ガラスのコーヒーカップに入ったアイスコーヒー

淹れたてのアイスコーヒー。氷の量は丁度よい感じだったようです。

飲むと、淹れた直後でもちゃんと冷たい。味は、苦味もしっかり感じますし、ほのかな爽やかな酸味もあります。ただ、抽出温度が若干高めだったのか、少々渋味もあるように感じました。でも美味しい。

今回の結果

今回の結果をまとめると、以下のようになります。

  • シティローストくらいのコーヒー豆でも美味しいアイスコーヒーを淹れる事ができる

考察・感想

正直、ちょっと舐めてました。ちょっと薄かったり、酸味強めのコーヒーになっちゃうかと。しかし、シティローストくらいでも、しっかり苦味と酸味のバランスが良い、味わいのある美味しいコーヒーを淹れることが出来ました。また、一番懸念していた氷で薄くなる、といったこともありませんでした。

ただし、留意点があります。それは、私自身の淹れる通常のコーヒーは濃い目の部類に入るということです。コーヒー豆20gで130ccしか出さない人もお店も、なかなかないのではないかと思います。チェーン店なんてなおさらでしょう。濃い目に出したからこそ、浅煎り目のコーヒー豆でも濃いアイスコーヒーを淹れることが可能であったかもしれません。逆にいうと、浅煎りのコーヒー豆でも濃い目に出せば美味しいアイスコーヒーになる可能性があるということで、つまり細挽きにするとかコーヒー豆の量を増やせば深煎りにしなくたって美味しいアイスコーヒーを飲むことはできるのではないか、と考えられます。

そうなるとやっぱり、アイスコーヒーは深煎りのコーヒー豆で淹れる必要なんて無くて、謎の固定観念に縛られる必要も無いってことです。気温が高くなってきて、コーヒー豆屋さんでお気に入りのコーヒー豆を差し置いてわざわざアイスコーヒー用の豆を頼まなくったって、いつも通りフルシティローストくらいのお気に入りのコーヒー豆を買って家に帰る、それだけで良いのです。ただし、濃い目に出す事が必須という前提の場合、いつもより多めにコーヒー豆を買わなくてはいけなくなるかもしれませんが。

もっと掘り下げるとすれば、あえてもう少し薄めに出すとどうなるか見てみるとか、もっと浅煎りのコーヒー豆を使用してみる、とかでしょうか。ただ、シティローストやフルシティローストがコーヒー豆のロースト具合のボリュームゾーンのメインだと思っているので、今回の検証でその辺りをクリアした事が確認できてしまったので、あえてこれ以上浅煎りのコーヒー豆について試してみる必要もないのかなあとも思います。

さいごに

と、思いましたが、スペシャルティコーヒーのローストのボリュームゾーンのメインはシティローストよりもう少し浅煎りな気がしてきたので、やっぱりもう少し掘り下げてみよかなと思います。ただ、現時点でアイスコーヒーの淹れ方に頭を悩ませる必要はなくなったので、それだけでも大きな収穫です。

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