美味しいアイスコーヒーは浅煎りのコーヒー豆でも淹れられる? その2

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アイスコーヒーは深煎りという固定観念を打ち壊すべく、また浅煎りのコーヒー豆でアイスコーヒーを淹れてみます。

はじめに

従来言われている、アイスコーヒーには深煎りのコーヒー豆を使用するという常識に立ち向かうこの検証、1回目の検証では、シティロースト程度の浅煎りのコーヒー豆でも十分に冷たくて美味しいアイスコーヒーを淹れることが出来るという結果になりました。

個人的にはほとんど文句の無い結果でそれで良かったのですが、私の場合は一般的な濃度よりもコーヒーを濃い目に淹れているため、この調子で誰かに「浅煎りのコーヒー豆でも美味しいアイスコーヒーは淹れられまぁす!」と言っても、濃いめに淹れたらそりゃそうだ、となってしまいます。そのため今回は、もっと薄めにコーヒーを淹れた場合でも美味しいアイスコーヒーを淹れられるかどうか、という点を検証してみたいと思います。

条件

今回の検証は以下の条件下で行いました。

  • 使用したコーヒー豆:ブルンジ・カヤンザ・ギシュビ ハニー
  • 焙煎度:シティローストぐらい
  • コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
  • ドリッパー:ハリオ V60透過ドリッパー01(ガラス)
  • コーヒーポット:ユキワ M-5
  • フィルター:ハリオ V60ペーパーフィルター01W(ホワイト)
  • 秤:ハリオ ドリップスケール
  • 豆の使用量:20g
  • お湯の温度:約88℃
  • 蒸らし時間:20秒
  • 抽出量:240ml

アイスコーヒーに使用するコーヒー豆について

今回は、以前新宿に出張で訪れた際にブルーボトルコーヒーで購入したコーヒー豆「ブルンジ・カヤンザ・ギシュビ ハニー」を使用します。焙煎日が7月の頭なので、そろそろ飲みきりたいところです。どんなコーヒー豆かは、こちらの記事で紹介しています。

上記のリンク先の写真だと、写りが悪かったか、大分黒く見えますが、肉眼で見るとはハイローストかシティローストくらいの浅煎りです。前回の検証時に使用したコーヒー豆とは別のものとはなってしまいますが、浅煎りであればまあ要件は満たすので良しとしましょう。

挽いたコーヒー豆

中粗挽きで挽いた後はこんな感じです。浅煎りなのは、色合いを見てもわかるかと思います。

浅煎りのコーヒー豆でアイスコーヒーを淹れる

コーヒー豆を挽いたら普通にコーヒーを淹れていきます。お湯の温度は約88℃。通常は20gのコーヒー豆を使用して130ml程度のコーヒーを淹れていますが、今回は前回の検証よりも薄めに淹れても美味しいかどうか、というところを見ていきたいので、思い切って倍量近い240mlのコーヒーを抽出することにしました。まあ、コレでも普通のコーヒーに比べたら濃い気もしますが、浅煎りのコーヒー豆であること、氷を入れてアイスコーヒーにすることを考えると、果たしてどうなのでしょうか。

コーヒーを淹れたら、氷を敷き詰めたタンブラーに淹れたてのコーヒーを注いでアイスコーヒーの完成です。

アイスコーヒー

20gのコーヒー豆で淹れた240mlのコーヒーに氷を入れて作ったアイスコーヒーがこちら。量が多いので、今回は大きめの真空断熱タンブラーを引っ張り出してきました。

浅煎りのコーヒー豆でアイスコーヒーを淹れる

コーヒーが十分に冷えて、アイスコーヒーになったことを確認したら飲みます。一口飲むと、うーん、薄い、かな。口に含むとコーヒーの香りがし、ほんのりコーヒーの味がして、後味は果実感のある酸味と渋みが残る。そして冷たいので、ゴクゴク飲める。十分アイスコーヒーの要件は満たしているのですが、なんだか薄い、というのが第一印象になりました。

今回の結果

今回の結果をまとめると、以下のようになります。

  • 浅煎りのコーヒー豆でアイスコーヒーを淹れる場合、量や種類によっては味が薄く感じる可能性がある。

考察・感想

今回は、前回と同じコーヒー豆の量で倍量のコーヒーを抽出しましたが、少々一気に多くしすぎたかもしれません。ただ、味が薄く感じたのはコーヒー豆の量のせいではない可能性も捨てきれません。というのも、アイスコーヒーを口に含んだとき、確かに薄いと感じたのですが、その後に来る酸味はしっかりと感じることができました。つまり、コーヒー豆のもつ味わい自体はしっかりと感じられたということです。

今回使用したコーヒー豆は、ホットで飲んでも苦味の殆ど無い、酸味の強いコーヒー豆です。そのため、アイスコーヒーにしても苦味は感じられません。ですが、酸味は変わらず感じられる。でもなんだか口に含んだ瞬間は味が薄い印象。これらのことを踏まえると考えられるのが、味には感じる順番があるという可能性です。例えば、舌が感じられる味覚のうち、苦味が一番先にくるならば、苦味が弱いコーヒーは口に含んだ瞬間は薄く感じるかも知れません。しかし、酸味が強ければ、その後に酸味は普通に感じられる、といった様な感じです。

従来、アイスコーヒーには深煎りのコーヒー豆とされています。それは恐らく、氷によってコーヒーが薄まってしまうのを考慮してその様になったのかと思いますが、今回の結果を受けると、アイスコーヒーの味を印象づけるのは苦みだからではないか、とも考えます。口に含んだ瞬間に感じる苦味がどれだけ強いかが、濃い・薄いの基準となる、ということです。そう考えると、アイスコーヒーに深煎りのコーヒー豆を使用するのは必然ですし、浅煎りのコーヒー豆は自ずと向いていないということになります。

あとはコーヒーの濃さ次第。濃く淹れれば、浅煎りのコーヒー豆を使用して淹れたコーヒーであっても苦味の部分は必然的に多くなりますし、量が増えれば増えるほど、苦味の割合は薄まっていきます。

とりとめない感じになったのでまとめると、浅煎りのコーヒー豆でも、多少薄めにコーヒーを淹れても、単純にコーヒーとしての濃度は問題ないでしょう。しかし、恐らく舌がどう感じるかが問題で、それはコーヒー濃度も一つの要因となりますが、コーヒー豆の種類などについても考慮する必要がある、てな感じです。

さいごに

なんだかフワフワしたことしか書けませんでした。堅苦しい事を抜きにすると、今回のパターンでも、十分美味しいアイスコーヒーを淹れることが出来たかんじゃないかと思います。ただ、苦味はほとんど無く、酸味がメインであるため、人によって好みが分かれるでしょう。

気になる方は、ぜひ浅煎りのコーヒー豆を用意して、アイスコーヒーを淹れて試してみて下さい。

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