甘くないコーヒークリームになる?エスプレッソをクリーマーで泡立ててみる

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ダルゴナコーヒーが甘すぎた件の反動

以前にエスプレッソ入りのダルゴナコーヒーもどきを作ったとき、色んなサイトを参考にして、クリームの部分を水・砂糖・インスタントコーヒーそれぞれ大さじ2ずつの分量で試したところ、甘すぎてとても飲めたもんじゃありませんでした。そのとき、甘くないコーヒー味のクリームが作れたらなー、なんて思ったのですが、最近、エスプレッソを泡立てたらどうだろう?という思いつきがありました。

少し前まで、生クリームが泡立つのは砂糖が入っているからだと思っていたのですが、よくよく調べてみると砂糖はいらないそうで、生クリームが泡立つのは乳化によるものだとか。専門家ではないので間違っているかもしれませんが、乳化とは水分と油が混ざり合っていることで、つまり水分と油分が含まれているものであれば、乳化してクリーム状にできる可能性があるのでは?と考えました。

で、コーヒーにも多少なり油が含まれています。深煎りのコーヒー豆なんて表面がギットギトになるくらいです。それじゃあ、コーヒーを泡立てたら乳化して意外とクリーム状になるんじゃないでしょうか。それも、ガッツリ深煎りのコーヒー豆を使ったエスプレッソなら結構良い感じに甘くないコーヒークリーム的なものができるんじゃないでしょうか。今回はそこんところを探ってみたいと思います。

エスプレッソを泡立ててみる

何はともあれ、エスプレッソを泡立てます。エスプレッソを泡立てるには、ハリオの”クリーマーゼット”というクリーマーを使用します。クリーマーも結構種類があって、安いものから(用途の割には)高いものまでピンキリですが、そこそこの値段かつハリオの製品なら大失敗はしなさそうなのでこれを選びました。

HARIO(ハリオ) クリーマー・ゼット 泡だて器 ブラウン CZ-1BR

ハリオのクリーマーゼット

クリーマーはスタンド付き。でも電池はついていませんでした。単三電池2本で動作します。

試しに回転させてみると。結構パワフルに回転しました。パワーには十分期待できそうです。

回転しているハリオのクリーマーゼット

フィーーンと音を立てて勢いよく回転します。ボタンを押している間だけ回転し続けるタイプです。

エスプレッソに使用するコーヒー豆は、深煎りでギットリとテカっているものを使用します。

深煎りのコーヒー豆

エスプレッソに最適なコーヒー豆がなかったので、手網でざっくりと、黒くなるまで生豆を焙煎しました。

深煎りのコーヒー豆を細挽きにしてタンピングして、エスプレッソマシンでをエスプレッソを少量抽出します。

ビーカーに入ったエスプレッソ

エスプレッソを適当な量抽出しました。ちょっと多かったかな。

クリーマーの説明書に牛乳を泡立てる場合の手順が書いてあったのですが、事前にレンジで少し温める感じだったので、抽出したエスプレッソも冷まさずに温かいまま泡立ててみることにします。ビーカーを少し傾けて、クリーマーを水面から少し顔を出すくらいのポジションまで差し込んだらスイッチオン。すると、空気を巻き込みながらエスプレッソが撹拌されていきます。

様子を見ながらしばらくエスプレッソをかき混ぜ続けましたが、液量が多かったのか、そもそも無理なのか、泡立つことには泡立つのですが、クリーム状、という感じではなく、ビールの泡に近い感じの泡立ち方にしかなりませんでした。

泡立てたエスプレッソ

クリーマーで数分間、ゴリゴリ泡立ててみましたが、泡の体積ばかりが増えていきました。

牛乳の上にエスプレッソをのせてみる

想定のものとだいぶ違いますが、一応、泡立つことには泡立ったので、牛乳に乗せるだけのせてみます。冷蔵庫から冷えた牛乳を取り出してカップに注ぎ、そこに泡立てたエスプレッソが入ったビーカーを傾けて泡を注ぎ入れます。

泡立てたエスプレッソを乗せたミルク

泡立てたエスプレッソを冷えた牛乳にon。横に入った線が2つの境界です。

泡立てたエスプレッソの色が薄いためわかりにくいですが、一応、牛乳と混合せず泡を乗せることができました。ただ、想定していたものとは少し異なる仕上がりになりましたが・・・。

一口飲むと、エスプレッソのギッチリとした苦味と、牛乳の甘み。やはりエスプレッソと牛乳は相性が良く美味しいと思いましたが、泡立てたから特別美味しい、とは感じませんでした。

コーヒーの油分はあまり多くないため、きっちりとした泡にならないのでは、と事前に考えていたので、ここでもう一手試します。油分を追加してもう一度だけエスプレッソを泡立ててみます。エスプレッソを再度抽出し、今度はバターをひとかけ溶かし込んでからクリーマーで泡立てます。

バターを入れたエスプレッソ

バターをひとかけ、10gくらいでしょうか。少し溶けたらそのままクリーマーで撹拌します。

バターを入れて泡立てたエスプレッソ

バターを入れて泡立てたエスプレッソ。やはり液状の部分が残る。

油分を足してもダメでした。一応テイスティングしてみると、有塩バターを使ったのでしょっぱくて超マズい。よく考えたらコーヒーと塩分って普通組み合わせることがないので、しょっぱいコーヒーを飲むのはこれが初めてかもしれません。塩分との組み合わせはありえないと分かっただけでも収穫でしょうか。

考察・感想

今回は失敗といっていいでしょう。見立てが甘かった部分が大きいですが、もともとそこまで期待していなかった部分もあり、でも万が一があったら嬉しいなあ、という希望的観測だけで試したくらいなのでダメージはあまりありません。しょっぱいコーヒーは美味くないことは分かったのでむしろ収穫です。

ただ少し気になった点もあります。エスプレッソを泡立てたとき、いわゆるクレマに当たる部分だけが泡立って、ハートに当たる部分はそのままの液状を保っているように見えます。少し調べると、やはりクレマは油分に当たる部分とのことなので、クレマの部分にについては乳化が起こった可能性があります。そう考えると、エスプレッソの油分と水分のバランスが圧倒的に悪いのが原因で、もっと油分が多ければ全体がクリーム状に、いや、せめて泡状になる可能性があるように感じます。

よくよく考えると、生クリームの脂肪分ってのは大体35%〜45%程度はあって、多いものだと容量のほほ半分は脂肪分ということになります。エスプレッソの脂肪分の比率がそこまであるとは思えませんし、そう考えるとエスプレッソ全体がしっかり泡立たないのも仕方ない気がしてきます。ただ、それもあってバターで油分を補ってみたのですが、それでも全体を泡立てることはできませんでした。まあ、写真を見返してみると全体んの半分くらいは泡になっている気はしますが・・・。

となると、エスプレッソを抽出して、クレマの部分だけを美味く取って泡立てれば、クリーム状になる可能性があるんじゃないでしょうか。ただ、現実的ではないので、コーヒー豆から油分だけを抽出できれば良いのですが・・・。もしくは、コーヒーとサラダ油を1:1で混ぜて泡立てたら、泡立ってクリーム状になるかもしれませんね。いや、冗談です。

なんというか、食べ物って不思議だなあと思いました。意味があるかないかはともかくとして、今後もちょいちょい、こういった内容の検証ができたらと思います。

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