チョコレートの成分から、エスプレッソとの相性について考える

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エスプレッソに合うチョコレートは?

前回エスプレッソにチョコレートを溶かして飲みましたが、チョコレートが溶け切っていなかったり、そもそもエスプレッソを中深煎り程度のコーヒー豆で抽出したことであまり苦くなかったりと半端な検証になってしまったので、改めてコーヒー豆とチョコレートを調達して、チョコレートエスプレッソに再度チャレンジしたいと思います。

今回はちゃんと深煎りの苦いコーヒー豆を使用します。チョコレートも原材料を見つつ、2種類用意しました。チョコレートは近所のスーパーにあるものの中でしか選べなかったので、最善ではないかもしれませんが・・・。ただ、前回よりもましな検証になるとは思います。それではいってみましょう。

コーヒーを淹れる条件

今回淹れたコーヒーは、以下の条件のもと抽出しています。

  • 使用したコーヒー豆:グアテマラ ブエナビスタ
  • 焙煎度:フレンチローストぐらい
  • コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):1
  • エスプレッソマシン:デロンギ アクティブ(ECP3220J)
  • 秤:ハリオ ドリップスケール
  • 抽出量:約70ml(×2)

使用するコーヒー豆と2種類のチョコレート

コーヒー豆は深煎りに焙煎されたグアテマラのスペシャルティコーヒー豆を使用します。

エスプレッソカップに入ったコーヒー豆

今回使用するグアテマラはちゃんと深煎りの苦いものなので、チョコレートを加えても良い感じになるはずです。

そしてチョコレート。前回、チョコレートが上手く溶けきらなかった反省を踏まえつつ、原材料などを加味して2種類チョイスしました。一つはベルギー産のダークチョコレート、もう一つはチョコベビーです。

ベルギーチョコレートとチョコベビー

美味しい雰囲気のするベルギーチョコと、みんな大好きチョコベビー。チョコベビーなんて十数年ぶりに食べる気がします。

ベルギーのダークチョコレートを選んだ理由は、原材料のカカオ成分がカカオマスとココアバターだけだったからです。前回、純チョコレートのほうが溶けやすいのではないかという仮説を立てましたが、ソレを検証するためにダークチョコレートを選びました。

ベルギーチョコレートの成分

原材料はカカオマス、砂糖、ココアバター、乳化剤のみ。スーパーで色々見て、成分的にこれが一番純チョコレートっぽかったです。

本当は甘いもので同等の原料のものが良かったのですが、甘いチョコレートだとどれも原材料に脱脂粉乳とか香料とか植物油脂が含まれていて、なんというか液体にサッと溶けやすそうなチョコレートがありませんでした。

とか言いつつ、その真逆を行くチョコベビーも購入しました。これは粒が細かいのでもしかすると上手く溶けてくれるかもしれないという思いと、前述した純チョコレートに近いもののほうが溶けやすいのではないか?という仮説の逆を検証するためにあえて選びました。

チョコベビーの成分

ダークチョコレートには含まれてなかった、全粉乳、植物性油脂、光沢剤。これらの成分がどう影響してくるのか楽しみです。

2杯のチョコレートエスプレッソを抽出して飲み比べる

エスプレッソを抽出する準備をします。コーヒー豆は細挽きに。チョコレートはとりあえず10gずつ使用します。チョコベビーはそのまま、ダークチョコレートは手で割れる適度な大きさに割ってエスプレッソカップにそれぞれ入れておきます。エスプレッソマシンが温まったら抽出し、カップから溢れる前にストップ。チョコが溶けるまで3分強ほど待ってから、スプーンでかき混ぜます。今回もかき混ぜるか悩みましたが、溶け残り具合も知りたかったのでかき混ぜました。

まず、チョコベビーを入れたエスプレッソですが、めっちゃダマになっていました。スプーンでかき混ぜなけりゃまったく溶けないくらいです。 チョコレートがスプーンの裏に張り付いて取れないので、そのまま沈めてエスプレッソを一口。最初にちょっと苦いかなと思うくらいで、エスプレッソとは思えないくらいマイルド。ゴクゴクいけます。そしてカップの側面や底、スプーンの裏にはチョコがベッタリ。甘さが十分に発揮されていましたが、この手のチョコレートはやっぱり溶けにくいということも改めてわかりました。

次にダークチョコレートを沈めたチョコレートエスプレッソ。こちらも少しダマになっていましたが、チョコベビーを加えた方と比べると、かき混ぜる前から大部分が溶けていました。よくかき混ぜると、スプーンにくっつくこともなく、素直に溶けていきます。溶かしてから一口飲むと、液中に小さいチョコレートの粒が浮遊しているようで、粒感があります。甘さはありませんが、チョコレートの風味はしっかり感じられます。ただ、チョコレートの風味が強すぎて、コーヒーを飲んでいる感じがしません。最後まで飲みましたが、やはりこちらのほうが溶け残りは少なかったです。

考察・感想

とりあえず前回の検証から課題として挙げていたチョコレートの溶けやすさについては、おそらく予想通り、純チョコレートに近いというか余計な添加物が少ないチョコレートのほうが、高温の液体に溶けやすいものと考えて良いと思います。ただ、溶けやすいのは確かですがそれでも完全に液状になることはありませんでした。

液状にならないのはチョコレートの材質の他にも原因はあると思います。チョコレートが湯煎で溶けることを考えると、温度のせいではないでしょう。すると、もっと細かく刻まないといけなかったか、液中では溶けにくかった可能性があります。いや、両方でしょうか。液中で溶けにくかったとしても、細かく刻んでよーくかき混ぜたら溶けるかもしれません。ただ、正直チョコレートを細かく刻むのは面倒ですし、前回の検証でも言いましたが、それならエスプレッソとチョコレートを別々に食べればいいや、って考えてしまいます。

そもそも、チョコベビーを加えた場合もダークチョコレートを加えた場合もそうでしたが、チョコレートを溶かすことでコーヒーの風味が感じ取りにくくなります。あくまでコーヒーを美味しくするためのチョコレートなのに、チョコレートが全面に押し出されては意味がありません。特に風味が強いダークチョコレートほどそれが顕著なので、たとえ液中に溶けやすくても、総合的にエスプレッソに加えるチョコレートとしてはナシでしょう。ただ、今回使用したチョコレートの量が多すぎたということも考えられるので、量を調整すれば上手い具合に調和が取れる可能性はあります。

・・・まあ、主題はあくまで”砂糖の代わりにエスプレッソに加えて美味しい甘いもの”なので、そういった観点でもダークチョコレートはナシでしょう。また、チョコレートの溶けやすさについて分かりましたが、この雰囲気だと甘いチョコレートは基本的に簡単に溶けてくれるものではなさそうですので、細かく刻むのが面倒じゃない人や、ダマになることが許容できる人は甘いチョコレートをエスプレッソに沈めて飲んでみてはいかがでしょうか。

まあ何度も言いますが、総合的に的にエスプレッソの中にチョコレートを加える意味はないと思いました。口の中で甘いチョコレートを溶かして味わい、エスプレッソで流す。こうやって別々に楽しんだほうが存分に楽しめるともいます。酒を飲むのと一緒なのかなと思います。ビールに枝豆突っ込んだり、日本酒に塩辛突っ込んで飲む人は普通いないですしね。

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