コーヒーの和洋折衷。”あんこ”とエスプレッソの相性はいかに
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エスプレッソに和をぶつける
エスプレッソにチョコレート、エスプレッソにはちみつと砂糖以外の甘味とエスプレッソの相性を探ってみましたが、まだちょっと満足していないので今回はまた別の組み合わせを考えてみます。
チョコレートもハチミツもちょっと素材として無難すぎたかなと思ったので、少しチャレンジするつもりで、今回は”あんこ”をエスプレッソと組み合わせてみます。あんこは和の食材なので、飲み物と組み合わせるならコーヒーよりも緑茶って感じがしますし、これまでコーヒーとあんこ系の食べ物の食べ合せを試した事がなかったので(たぶん・・・)、単純にコーヒーとあんこを一緒に食べると美味しいかどうか、という点でもどうなるか楽しみです。
コーヒーを淹れる条件
今回淹れたコーヒーは、以下の条件のもと抽出しています。
- 使用したコーヒー豆:マンデリン スペシャル
- 焙煎度:フレンチローストぐらい
- コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):1
- エスプレッソマシン:デロンギ アクティブ(ECP3220J)
- 秤:ハリオ ドリップスケール
- 抽出量:約70ml(×2)
あんことコーヒー豆
まずは使用するあんことコーヒー豆について。あんこは一応”つぶあん”と”ねりあん”を用意してみたのですが、違いは粒感があるかどうかくらいですし、食感が残らないほうが良いと思ったので今回はねりあんを使用します。両方試しても良いのですが、正直な話、つぶあんとねりあん両方とも開けちゃうと保存と消費が大変なので今回は片方だけで・・・。結局あんことコーヒーの味の相性が分かれば十分ですしね。
ねりあんの缶詰。あんこといえばやっぱり井村屋ですね。
缶切りで開封すると、滑らかなあんこがドチャァと顔を見せます。
あんこの使用量は、あんこの甘さをチェックしてから決めます。端っこからちょっと指にとって、ペロリ・・・。甘さは意外と程よい感じですが、舌の上にベッタリと残ります。思ったほど甘くはなかったので、使用するのはティースプーンに小盛り1杯くらいにしてみます。
ちなみに今回ねりあんを使用するのは、こしあんが探しても見つからなかったためなのですが、こしあんとねりあんってモノとして違うそうです。ググった感じではどのへんが違うのかは厳密には分かりませんでしたが・・・。こしあんのほうが滑らかなのでしょうか。でも、こしあんって言われてねりあんを出されたら多分わからないと思います。普段食べ比べることもありませんし。
エスプレッソのコーヒー豆はマンデリンの深煎りのものを使用します。
特別な準備はあんこの缶詰を開けるくらいで、あとはあんこが入ったカップにエスプレッソを注げばあんこエスプレッソの完成です。
あんこエスプレッソを作って飲む
あんこをエスプレッソカップの底に投入したら、エスプレッソを抽出して注ぎます。
あんことエスプレッソの色が近いので、沈殿したあんことの境目が良く分かりません。カップとあんこの間に空気が見えます。
2杯分抽出したあんこエスプレッソのうち、片方はそのまま頂きます。口に含むと、マンデリン独特の苦味と風味が広がりますが、あんこの風味や甘みは感じられません。飲み進めていき、底のほうに達して初めてあんこの甘味が感じられました。スプーンですくって食べると、あんこの甘さとザラザラした食感が感じられます。単体で食べたときは気になりませんでしたが、このザラザラ感はコーヒーとマッチしないですね。
もう1杯はスプーンでよく混ぜてあんこを溶かしてから飲みます。一口飲むと、あんこの甘さとザラザラした液感。こう飲んでみると、意外とあんこっていうのは甘いだけというか、あんこの風味はあんまり感じられません。これならあんこじゃなくて。溶けやすい砂糖でも良いような気がしますね。また、コーヒー自体の苦味は感じますが、風味が曖昧になった感じです。あんこが液中にとけるとザラザラとした液感になってしまうのは残念です。
考察・感想
素材的にハチミツやチョコレートよりも冒険したつもりでしたが、地味な結果になりました。あんこ独特の甘さ、という感じではありませんでしたし、なによりザラついてしまうのは致命的です。ただ、あんこを溶かしたときにコーヒーがザラついてしまうことは、あんこが小豆を煮たものだということを考えれば事前に想像できることだったのですが、その点考えが甘かったと反省しています。あんこだけに。
もし”ねりあん”ではなく”こしあん”を使用していたら液体がザラつかないのかもしれない、とも思いましたが、いくら滑らかになったところであんこが小豆を含んでいることには変わりがないので、程度の差はあれど多分変わらないでしょう。そうなると、味が云々言う前にエスプレッソにあんこを加えて飲むというのはそもそも相性が悪いのかもしれません。ただ、あくまで個人的な意見ではあるので、ザラザラとしたコーヒーが好きな人はイケるかもしれません。そんな人はほとんどいないと思いますが・・・。
味についてですが、いま改めてあんこを食べてみると小豆の風味はちゃんと感じるのですが、ふんわり、といった感じで甘みに対してそこまで主張が強くありません。これではエスプレッソに加えたとき、コーヒー豆の風味に負けてしまって甘さだけが強く感じられる、という状態になってしまう気がします。むしろ風味が曖昧なことでコーヒー側の風味の邪魔になっているので、これなら明らかにコーヒーの中に含まれているのが分かるくらい主張が強いほうが未だマシでしょう。
結論、あんこエスプレッソは別に美味くないと思いました。あんことコーヒーを一緒に頂くなら、コーヒーとあんバタートーストの組合わせくらいがちょうど良いでしょう(某喫茶店のイメージ)。そして発生する、残ったあんこをどうやって消費するかという課題。バターがあるのでパンと組み合わせて食べるべきか、羊羹にでもしてしまうか・・・。結構困ります。