フレンチプレスで2回目のコーヒーを美味しく抽出できるのか

  •  
  •  コーヒーの抽出
  •  フレンチプレステクニック

先入観ゆえに思いつかなかったこと

ある日、会社でフレンチプレスで淹れたコーヒーを飲んでいたら、会社の人から”フレンチプレスって何回出せるんですか?”と聞かれました。いや、1回しか出さないですよーなんて笑って返しましたが、なるほど、確かに緑茶を2回3回出すことを考えると、コーヒーも何回か出すのではと考えるのは普通です。そこそこ長くコーヒーを嗜んできましたが、コーヒーを出した後の出涸らしで再度コーヒーを淹れることなんてありませんでしたので、そもそも2回目を出すという考えにすら至ったことはありませんでした。恐らく。

そのうち試してみますとお礼を言いつつメモを取り、その場は済ませました。そして今日、ふとそのことを思い出したので、忘れないうちに出涸らしでのコーヒーを再抽出しても美味しいコーヒーを淹れられるのか、試してみたいと思います。

コーヒーを淹れる条件

今回淹れたコーヒーは、以下の条件のもと抽出しています。

  • 使用したコーヒー豆:マンデリン スペシャル
  • 焙煎度:フレンチローストぐらい
  • コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):5(粗挽き)
  • フレンチプレス:RitePress
  • 秤:ハリオ ドリップスケール
  • コーヒー豆の量:約17g
  • 抽出量:①約300ml
  • 抽出量:②約150ml

コーヒーを抽出する準備

フレンチプレスでコーヒーを飲んでいたときに前述の質問をされたので、今回はフレンチプレスを使用してコーヒーを抽出します。使用するフレンチプレスは以前にクラウドファウンディングで購入したRitePressを使用します。コーヒー豆は2回目を出すことを考慮して、焙煎が深いものをチョイス。深煎りのマンデリンを使用することにしました。

ビーカーに入ったコーヒー豆とフレンチプレス

RitePressはサイズが大きく持ち運びに不便なので、なんだかんだ会社には小さいフレンチプレスを持っていっているので、結構久しぶりの使用です。RitePressのレビューもあるので気になる方はぜひ。

コーヒー豆は17g、お湯は300ml使用してコーヒーを抽出します。ただ、流石に2回目の抽出となるとお湯300mlは多すぎると考え、2回目は半分の150mlのお湯を使用することにしました。待機時間はどちらの場合も4分とします。

フレンチプレスで2回コーヒーを抽出する

お湯を沸かしたらコーヒー豆をミルで粗挽きに挽いてフレンチプレスに投入し、そのあとすぐ沸騰したてのお湯を注ぎます。1回目は300ml。お湯を入れたらフタをして4分待って、時間が経ったらプランジャーを押し下げてカップにコーヒーを注ぎます。フレンチプレスからコーヒーを出し切ったらすぐフタを開けて、沸かし続けていたお湯を150ml注いでまた4分待ちます。

4分後、2回目のコーヒーもカップに注いだら抽出は終了。続いて比較を行います。まずは見た目ですが・・・。

試験管に入った2種類のコーヒー

どっちがどっちかは言わずもがなでしょう。どちらも注ぎはじめの部分を取っています。

続いて味。まずは1回目に抽出したコーヒーから。一口飲むと、ハンドドリップよりは弱いですが、しっかりとマンデリらしい味と香り、そしてコクが感じられます。フレンチプレスだとパンチが弱くなるのでやはりハンドドリップのほうが好きですが、手軽に美味しいコーヒーを淹れられるという点ではフレンチプレスは良いものだと思います。

続いて、出涸らしから抽出したコーヒー。色の薄さからしてあまり期待できませんが、とりあえず一口。すると、やはり薄い。全体的に抜けています。コーヒー感はありますが、コクや香りは少なく、お湯に近い雰囲気があります。ただ、お湯の量を減らしていたこともあってか、出涸らしから抽出したにしては頑張っているとは思います。

考察・感想

思ったよりはマシでしたが、それも結局は深煎のコーヒー豆を選択したり、抽出量を減らしたりと色々手を加えた上でのものなので、諸々考慮するとやっぱり微妙です。出涸らしを利用して2回目のコーヒーを抽出するのはナシと言って良いでしょう。確実に1回目の抽出より不味いですし、コーヒーはそこまで必死になって飲むものでは無いなあと思いました。2杯飲みたければ、新しくコーヒー豆を挽き直して、お湯を沸かして改めてコーヒーを抽出するほうが良いでしょう。

お湯の量を1回目の半分にしても、2回目のコーヒーの味は1回目の味の濃度には遠かったことを考慮すると、コーヒーの成分というのは結構お湯に溶けやすいものなのでしょうか。フレンチプレスでコーヒーを抽出した際、沸騰したてのお湯を使用しましたが、これによってコーヒー豆の持つコーヒー成分がほとんど溶け出してしまったため、2回目に改めて熱湯を注いでも出るものがなかったのかもしれません。

そう考えると、例えば1回目に注ぐお湯の温度をあえて低めに調整して、2回目のお湯の温度は逆に高くしたら、2回目でも濃い味わいのコーヒーを抽出できるのでしょうか。まあ、仮にそうなるとしても、コーヒー豆を挽き直してコーヒーをもう1杯淹れるほうが確実に美味しいので確かめる気にもなりませんが・・・。

全く手を加えず、気を使うこともなく2回目の抽出でも1回目と変わらず美味しいコーヒーを抽出できるのであれば別ですが、結局そうでないのなら大人しく普通にコーヒーを淹れたほうが良いですね。そういった点では、今回の検証はやる意味があまりなかったかもしれません・・・。ただ、普段からコーヒーを飲んでいるせいで先入観が強くなっているところに、こういったコーヒーを飲まない人からのツッコミというのは目から鱗だったので、そういった意味では有意義でしたし、何より会社の人には感謝です。

コメントを残す


CAPTCHA