自宅で自家焙煎した直後のコーヒー豆で淹れたコーヒーを飲む

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ガスコンロでコーヒー豆焙煎中

せっかく自宅で焙煎が出来るので、本当に焙煎直後のコーヒー豆を使用してコーヒーを淹れて飲んでみたいと思います。

はじめに

もともと焙煎したてのコーヒー、この場合はコーヒー豆の販売店で焙煎して貰ったコーヒーですが、それをその日のうちに挽いて飲むということはしません。というのも、焙煎したてのコーヒーは焙煎臭が強いといえば良いのでしょうか、香ばし過ぎてコーヒーの持ち味がイマイチ隠れてしまうのであまり好きでは無いからです。そのため、焙煎した日から2日程度おいた後に飲むようにしていました。

なので、そのスタンスでいうと今回行おうとしていることは中々に邪道をいく行為なのですが、本当に焙煎直後の、コーヒー豆を火から下ろして冷ましたらすぐ挽いてコーヒーを飲むのは自宅じゃないとなかなか難しいので、手元のコーヒー生豆の在庫が豊富な今、やってみようかと思い立ちました。

条件

今回の検証は以下の条件下で行いました。

  • 使用したコーヒー豆:ケニア レッドマウンテン
  • 焙煎度:シティローストぐらい
  • コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
  • ドリッパー:ハリオ V60透過ドリッパー01(ガラス)
  • コーヒーポット:ユキワ M-5
  • フィルター:ハリオ V60ペーパーフィルター01W(ホワイト)
  • 秤:ハリオ ドリップスケール
  • 豆の使用量:20g
  • お湯の温度:約88℃
  • 蒸らし時間:40秒
  • 抽出量:130cc

コーヒー生豆を焙煎する

コーヒー生豆を焙煎します。今回は前回紹介した生豆本舗で購入したケニアのレッドマウンテンというコーヒー豆を使用します。ケニアのコーヒー豆は酸味がキレイで好みなので、浅煎りめに焙煎を行います。

100gのコーヒー豆を手網に入れたら、ガスコンロを中火にして焙煎開始です。シャカシャカと小気味よい音を立てながら回るコーヒー豆を見つつ、腕を動かし続けます。パチパチととても小気味よくて心地よいコーヒー豆の爆ぜる音がしてきて、感覚的に中ぐらい、ハゼの中間かな?と思ったぐらいで一旦手網を開けて中を確認します。焼けたコーヒー豆の煙が飛び出してきてちょっとむせりつつ、コーヒーの色合いを確認して、もう良いかなと思ったのでボウルに移してサーキュレーターですぐに冷まします。

ケニア コーヒー豆 焙煎直後

今回焙煎したケニアのコーヒー豆。色がバラバラなのは光のあたり具合のせい・・・だと良いなあ。

冷ましたら、すぐに20g量ってコーヒーミルに投入して中挽きで挽きます。

コーヒーを淹れる

コーヒー豆を焙煎する脇で沸かしていたお湯を90℃を切る程度まで冷ましたら、コーヒーを淹れます。今回からは、ガラス製のハリオのV60ドリッパー01(1〜2人用)を購入したので(これまでは1〜4人用の02を使用していました)、以降はこちらのドリッパーを中心に使用していきたいと思います。で、コーヒーを淹れはじめたわけですが、なんだか全然アクも出てこないし膨らみもしない。ちょっぴり粉の中心から表面に向けてブクっと膨れる素振りは見せましたが、焙煎直後なのに”それっぽさ”がないのが気になりました。モヤッとしつつもコーヒーを入れたら、真空断熱タンブラーに淹れて暖かい部屋に退避させます。

ケニア コーヒー豆 焙煎直後 コーヒー抽出後

コーヒーを淹れ終えた後のドリッパー。アクも全然出てこなかったので表面もきれいなままです。よく見ると、チャフが混じってました。

ここで、丁度一週間前に焙煎していた同じコーヒー豆でもう一杯、コーヒーを淹れます。せっかくなので焙煎したてと1週間置いたもの、飲み比べしようという腹です。こういうのも自宅で自分で焙煎するからこそ出きる楽しみ方ですね。こちらは1週間経ちましたが、コーヒー粉にお湯を注ぐとアクが出てきて焙煎直後のものよりもなんだか新鮮っぽい感じ。不思議ですね。

ケニア コーヒー豆 焙煎後1週間 コーヒー抽出後

1週間前に焙煎したコーヒー豆で淹れたほう。表面にはアクの残りが見て取れます。

謎が増えつつも、2杯のコーヒーを淹れ終えたので早速飲んでいきます。

コーヒーを飲む

まずは本日焙煎したコーヒー豆で淹れたコーヒーから。飲むと、苦味はなく、酸味が強い。そしてコーヒー豆の焙煎時に香る匂いと同じ香りが広がります。

次に、1週間前に焙煎したコーヒー豆で淹れたコーヒー。こちらは苦味と酸味のバランスが絶妙で、どちらもしっかり感じられる、香りも落ち着いていて、なんだか”優等生”というイメージです。

今回の結果

今回の結果をまとめると、以下のようになります。

  • 焙煎直後のコーヒー豆は、元気よく膨らむとは限らない
  • 焙煎直後のコーヒー豆で淹れたコーヒーは、焙煎臭が強い

考察・感想

謎が増えました。ずっと、焙煎したてのコーヒー豆というものは挽いてお湯をかければ無条件でモコモコと膨らんで、アクが大量に出てくるものだと思っていましたが、そうではないことが今回わかりました。

ただ、この件の原因は大体想像がついていて、今回は単純に焙煎が浅すぎたせいだと考えています。よく行くスペシャルティコーヒーを販売しているお店で買ったコーヒー豆は浅煎りのものが多いのですが、それらはお湯をかけても全然膨らみませんし。しかし、そうなると今回の検証においては、1週間前に焙煎したコーヒー豆と同じ焙煎度で焙煎してそれぞれ飲み比べるという体を目指していたので、それが出来ていなかった事になります。1週間前に焙煎したコーヒー豆は未だに膨らんでアクが出てきていましたし。もともと同じ焙煎具合で焙煎するのは難しいとは思っていましたが、それなりに近づけたつもりでいたので、少々残念です。ここから分かるのは、見た目はだいたい同じように見えても性質は大きく異なるという、焙煎のシビアさでしょうか。コーヒー豆の焙煎という行為への心構えを改めて体感できたという意味では良い経験だったのかもしれません。

飲み比べを行った際には、焙煎直後のコーヒーは酸味が強く苦味はなく、焙煎時の香りがしました。前述した焙煎度の浅さという部分を考慮すると、苦味がないのは焙煎度によるものだと分かります。酸味は、ケニアのコーヒー豆が持つもので、すると香りだけが焙煎度やコーヒーの性質に関わりのない、焙煎直後のコーヒー豆特有のものだということが分かります。ただ、今回ほど強く感じたことはありませんでしたが、冒頭にも書いたように焙煎してから日が浅いコーヒー豆は焙煎臭が強いということは分かっていることなので、そういう観点で言うと特に目新しい発見が無かった事になります。

こう、したことと結果を見てみると、個人的に目新しい何かを発見するには至りませんでした。しかし、浅煎りのコーヒー豆はお湯をかけても膨らまない事など、これまではあくまで状況証拠的に分かっていたことが、実際に自分でコーヒー豆を焙煎して、お湯を注いでそれを観察することで自分の中で事実となったので、そういう意味では非常に有意義だったのかなとも思います。コーヒー豆の焙煎のシビアさも、焙煎直後のほうが焙煎臭がより強いことも、自宅で自分で、コーヒー豆を焙煎することで得られた体験だと思うとやってよかったと思います。

最後に結果を俯瞰するために羅列すると、コーヒー豆は焙煎直後でも浅煎りだと膨らまない、焙煎直後はやっぱり焙煎臭が強い、コーヒー豆の焙煎具合はシビア。まあただ、浅煎りでも膨らまない、という件については、まだ油断できないかなと思っていて、明日の朝、コーヒーを淹れてみたらモコモコ膨らんできたなんてこともありそうなので、もう少し様子を見ていくつもりです。この結果を覆す事が確認できたら、それもまたパターン別に検証をすすめて行きたいと思います。

さいごに

この検証を始める前に、別のコーヒー豆を焙煎していたのですが、少々面白いことに気がついたので、コレについても後ほど記事にしていきたいと思います。その他にも焙煎については書く予定のものがあるので、しばらくネタには困らなさそうです。いやー、コーヒー豆の焙煎は発見があって楽しいです。

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