コーヒーの成分はカップの底に沈殿する？

はじめに

以前、コーヒーの抽出前半と後半の濃度の違いについて検証したことがあったのですが、そのときに浮かんだ疑問があります。というのも、抽出前半と後半の抽出直後濃度の差は分かりましたが、その2つを足して平均化した味が普段飲んでいるコーヒーならば、それが時間経過によって薄い部分と濃い部分に分離する可能性もあるのではないか、という点です。紙パックのオレンジジュースも、飲む前に振ってくださいという記載が有りますもんね、確か。

コーヒーと言うのは言わば、コーヒーの成分をお湯に溶かしている訳ですから、抽出直後は抽出時の衝撃などで液中がのコーヒー成分が均一に保たれているかもしれませんが、その後ゆっくりと沈む可能性も十分にあると考えています。今回の検証でそれが見極められれば、コーヒーの楽しみ方もまた変わってくるかもしれません。

条件

今回の検証は以下の条件下で行いました。

• 使用したコーヒー豆：グァテマラ
• 焙煎度：フルシティローストぐらい
• コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ)：4
• ドリッパー：カリタ ロト101(陶器)
• コーヒーポット：ユキワ M-5
• フィルター：カリタ 珈琲屋さんのコーヒーフィルター101（ホワイト）
• 秤：ハリオ ドリップスケール
• 豆の使用量：20g
• お湯の温度：約94℃
• 抽出量：120cc

コーヒーを入れて飲む

まず、2杯のコーヒーを抽出します。1杯目のコーヒーを入れたら、静かにそのまま放置、2杯目を入れます。2杯目も静かに放置して、沈殿を待ちます。何分程度待つかは迷いましたが、以前コーヒーショップに通ってコーヒーを飲んでいたときは、120cc程度のコーヒーを1時間ほどかけて飲んでいたので、コーヒーを飲むスピードをそれと仮定して考慮しつつ、もっと短くして３０分程度待つことにしました。時間を待ったら、1杯目はそのまま、2杯目はスプーンでよくかき混ぜて、ストローを使って表面を吸います。

ガラスのカップに入れれば色が分かるかなーと思って試してみましたが、分からないですね。

かき混ぜた方をストローを使って飲んで味を確かめたら、かき混ぜていない1杯目の方をストローで飲む。交互に飲んで、それほど劇的な変化は無いものの、かき混ぜていないほうが何というかアッサリ気味というか、味の複雑がが足りないというか簡略化されているというか、かき混ぜた方に比べてあと一歩足りない感じ。な気がする。

カップの底までストローを差し込んで、底の方の味わいを比較してみると、こちらも表面と同じように、かき混ぜていない方は複雑性に少し欠ける感じ。しかし、うーん、気になるほどでも無いような。

今回の結果

今回の結果をまとめると、以下のようになります。

• コーヒーにおいて成分の沈殿は起こるかもしれないが、気にかける程ではない

考察など

今回の検証については、舌の経験値が足りなかったせいでなんだかイマイチ結果に自信がありません。コーヒー豆のチョイスも、もっと尖った個性的な味わいのコーヒー豆にするべきだったかなと思います。

結果にも書いたように、コーヒー成分の沈殿はあるかもしれませんが、それはおそらく普通にカップを傾けての飲んでいる分には起こりにくいでしょうし、仮に起こったとしても「お、沈殿してるな」と気付くことは無いかと思います。コーヒーが冷めることで味わいが変わるという部分もありますし、あらゆる要素によってマスクされるでしょう。

仮に、コーヒーの成分は沈殿しないとすると、コーヒーの成分はお湯の中に「浮いている」状態、といった感じになるのでしょうか。それとも「溶けている」のでしょうか。沈殿しないならば、溶けているという表現のほうがふさわしい気がします。そう言えばカフェインは水溶性で、コーヒー豆からカフェインを抜くデカフェの方法として、水にコーヒー豆を浸してカフェインを水中に溶かし出す、という方法があるそうです。そのときに旨味成分も一緒に溶け出すとか何とか聞いたことがあるので、それを踏まえるとコーヒー成分の沈殿は本当に無いかもしれませんね。そして、その話をじっくり考察していれば今回の検証もやる意味が無い事が分かるので、何というか想像力の欠如を少し実感しました。

じゃあ、1杯目と2杯目の味が違うようなきがするってのは何だったんだよ、という話になりますが、6割はプラシーボ効果、3割は本当に沈殿していた、1割勘違い、ぐらいの割合で捉えて頂けるとタスカリマス。

さいごに

最近ちゃんと頭使ってコーヒーと向き合っていなかったことを、考察を書き始めたあたりで実感させられました。継続は力なり、って言葉がありますけど、ほんとそれですね。