コーヒーの淹れ始め、淹れ終わりの味の違い その1
- コーヒーの抽出
- コーヒーの淹れ始めと淹れ終わり
今回は、1杯のコーヒーを、入れ始めから中間までと、中間から入れ終わりまでの2つに分けて、味の差を比較してみました。
はじめに
今回の検証に至った理由としては、「抽出後にコーヒーを混ぜる」という行為があるという事が、頭の中に残っていたからです。著名なコーヒー店のことについて調べていたらそんな文章を目にした気がします。つまるところ、混ぜるという事はコーヒーは抽出時点によって味に差が大きく出るという事だと考え、それを確認してみようと思ったわけです。
今回は、普段通り120cc程度の抽出で、前半60cc、後半60ccの2つに分けて飲み比べ、それを2種類の豆で検証しました。
条件
今回の検証は以下の条件下で行いました。
- 使用したコーヒー豆1:コロンビア スプレモ
- 焙煎度:フルシティローストぐらい
- 使用したコーヒー豆2:ウガンダ ブルーナイル
- 焙煎度:フルシティローストぐらい
- コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
- ドリッパー:カリタ 102ロトブラウン(陶器)
- フィルター:カリタ 珈琲屋さんのコーヒーフィルター101(白)
- 秤:ハリオ ドリップスケール
- 豆の使用量:20g
- お湯の温度:96℃
- 抽出量:120cc
コロンビアの場合
まずはコロンビアから。蒸らして注いで、60ccを過ぎたら一旦ドリッパーを外して落ちたコーヒーをカップに注ぎ、またすぐ戻して残りを抽出して別のカップへ。前半60ccを飲む。
味はかなり濃い。想像以上に濃くて、酸味でむせ返りそうになりました。苦味、甘みも強く感じられ、エスプレッソに片足踏み込んでる感じです。一回しか飲んだことないけど。単体で飲むのはきついですが、自分はコーヒーの甘みの部分がいまいち掴めていないところがあるので、コーヒーの甘みを知るには良いと思いました。
次は後半の60ccをいただきます。
カップの色が違うというのもあるかもしれませんが、色は薄い印象。そして味も薄い。ただの苦いお湯ですね。先に濃いほうを飲んでしまったせいか、余計にそう感じます。
ウガンダの場合
続いてウガンダ。こちらも同様に抽出します。前半60ccから。
こちらもかなり濃い。苦味と酸味がガツンときます。そして水でコーヒーを抽出した時に出る風味に似た味わいがありました。続いて後半60cc。
苦いお湯パート2でした。コロンビアよりは濃かったかも。でもやっぱり薄くて美味しくありませんでした。
今回の結果
今回の結果をまとめると、以下のようになります。
- コーヒー均一に抽出されているわけではない
- コーヒーの味の成分は抽出直後でほぼ出切っている可能性がある
考察など
想像よりも前半と後半で味の差が激しかったので驚きました。今回の検証の印象としては、コーヒーは抽出直後にほぼ味に関する部分は抽出されてしまって、後に続くものは結局、コーヒー豆を通した、コーヒーを薄めるためのお湯であるという事です。結果に「可能性」としたのは、もし、抽出前の蒸らしと同じように、後半の抽出を開始する前に数十秒おいてからお湯を通したら、また濃いコーヒーが抽出される可能性を捨てきれないためです。これについてはもう少しパターンを変えた検証を行う必要がありそうです。ただ、今回の検証結果が真であるなら、結局私達はコーヒーを薄めて飲んでいただけなんだなあと少し切なくなってしまう気もします。20gで120ccでも大分濃いと思っていましたが、外で飲むコーヒーのほとんどはそれより薄いでしょうし。ウイスキーをストレートで飲んでいると思っていたら、トゥワイスアップだったみたいな。結局エスプレッソが一番コーヒーの真の姿を楽しめる方法なのかもしれません。
ちょっと脱線しましたが、最初のほうに成分が出てしまう原因としては、考えられる範囲では、お湯の温度が関連していると思います。ほとんど想像なのですが、お湯の温度が高いほど、コーヒーの成分が溶け出しやすく、熱いお湯を注がれることで一気に成分が流れ落ちていってしまっていて、かつ、お湯を注がれることで豆の温度は上昇し、後に続く温度が低下したお湯に対して徐々に成分が溶け出しにくくなった・・・なんて具合でしょうか。後半は眉唾ものですが。お湯の温度をわざと低めにして検証してみて、後半の味が濃くなったら、この線も有力でしょう。
さいごに
理由はどうあれ、現状コーヒーの味の核となる部分は最初に出るという事がわかりました。つまり、最初の一滴のドリップを制する者がコーヒーを制す、といったところでしょうか。今後は、最初の一滴に良いものを抽出するための検証が必要かもしれません。