コーヒーのドリッパーのサイズとその違い その1
- 抽出器具
- ドリッパーのサイズと味わい
コーヒーのドリッパーを販売している会社はいくつかあって、各社ともドリッパーごとに異なるサイズを取り揃えてます。今回は、大・小それぞれのドリッパーの違いについて、検証してみることにしました。
はじめに
今回タイトルと前フリが少々ぼやけた感じなのは、飲み比べもしましたが、味の違いというよりも、主に製品的な違いについて書いていくつもりだからです。一回目は、恐らく最も多く普及しているであろうカリタのドリッパーから。2~4人用である「ロト 102」はすでに所持しているので、今回は新たに1~2人用の「ロト 101」を購入しました。どちらも陶器です。
並べてそ背の高さを比較。1の数字の差はなかなかにデカい。
まず見て思ったことが、101の質感が安っぽい感じだという事。102はいかにも焼き物といった風貌なのに対して、101は型にはめて作った大量生産品といった印象を受けました。続いて一番気になる穴の部分を比較します。
カリタの特徴である三つ穴。102よりも101のほうが大きく開いていました。意図的にそうなっているというよりも、焼いたら102のほうが穴が詰まってしまった、という感じですが。また、この写真から質感の違いが良く分かると思います。最後に内側を見てみましょう。
内側の溝のことをリブと呼びますが、取っ手の付いている面とその反対の面のリブの凸部分の数はどちらのドリッパーも11と一緒でしたが、残りの2面のリブの凸数が102が7本、101は9本と差がありました。その分の調整かはわかりませんが、102のリブの凸部分の方が太いようです。
一通り細かく見たところで、次に飲み比べてみます。いつものように条件から。
条件
今回の検証は以下の条件下で行いました。
- 使用したコーヒー豆:ニカラグア イナ・オクシデンタル
- 焙煎度:フルシティローストぐらい
- コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
- ドリッパーその1:カリタ 102ロトブラウン(陶器)
- ドリッパーその2:カリタ 101ロトブラウン(陶器)
- フィルター:カリタ 珈琲屋さんのコーヒーフィルター101(白)
- 秤:ハリオ ドリップスケール
- 豆の使用量:20g
- お湯の温度:96℃
- 抽出量:120cc
102ドリッパーの場合
初めにいつも使用している方から。普段通りに入れて飲む。この豆は今回初めて飲みましたが、飲むと苦味が際立って広がり、舌の上に酸味が乗ってくる感じ。飲み込んだ後もしっかりとした苦味が長く続きました。濃密で、まさにコーヒーといった味わい。これだけではわからないので、続いて101で淹れたほうを飲みます。
101ドリッパーの場合
購入前はサーバー(私の場合はビーカー)に置けるか心配でしたが、土台部分は102とほぼ同じ大きさなので安定感がありました。保温も小さい分少し早く済むし、何より良かったのが、102より背が低い分お湯を注ぎやすいこと。102で淹れるときは、お湯を中心に落とそうとするとポットの根元がドリッパーの縁に当たらないようある程度高さを必要としますが、101なら余分な高さをとる必要がなく、静かにお湯を注ぐことが出来て、それによって粉がへこまないためペーパーのギリギリを攻めることが出来ました。
また、穴が101のほうが大きかったので、蒸らしや抽出はどうなるかと思いましたが、蒸らしも102と同量で過剰に落ちることはなく、抽出中も特に早くお湯が落ちる感じはありませんでした。
そして肝心の味は、・・・102と特に差はありませんでした。
今回の結果
今回の結果をまとめると、以下のようになります。
- ドリッパーは粉の量にあった大きさを使おう
考察など
今回は検証というよりも調査というか、レビューになってしまいました。使い勝手を考えると1人分なら小さいドリッパーを、複数人なら大きいドリッパーを使おう、という事で良いのではないかと思います。102よりも穴の大きかった101の抽出速度が差異を感じさせなかったのは、ただの私の経験不足なのか、はたまたリブの数と太さ、穴の大きさが絶妙なバランスが生んでいるのか。リブと抽出速度の関係性を把握出来ていないので、そこも頑張って調べる必要があるのかもしれません。
さいごに
今後は102の出番は少なくなるかもしれません。割と良い結果だったので、他のドリッパーも調べてみたいですが、お金がかかるのでこのテーマについてはちょくちょくやっていきたいと思います。