冷めたコーヒーを再加熱したときの味の違い その1

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  •  コーヒーの抽出
  •  再加熱と味わい

再加熱

以前どこかで、抽出に時間をかけるコーヒーのお店では「コーヒーを温めなおす」という行為を行う事がある、と聞いたことがあります。今回は、コーヒーを温めなおすとどのような変化・違いがあるのか、検証してみました。

はじめに

前回に引き続き、今回も検証でコーヒーを温めるためだけにミルクパンを購入しました。まあ、気になっちゃったから仕方ないですね。

今回の検証は、一度抽出したコーヒーを室温で放置し、ある程度の温度まで下がった時点でミルクパンに移して再加熱して、抽出したてのコーヒーと同じ温度帯で飲み比べるという流れで行いました。

条件

今回の検証は以下の条件下で行いました。

  • 使用したコーヒー豆:ニカラグア イナ・オクシデンタル
  • 焙煎度:フルシティローストぐらい
  • コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
  • ドリッパー:カリタ 101ロトブラウン(陶器)
  • フィルター:カリタ 珈琲屋さんのコーヒーフィルター101(白)
  • 秤:ハリオ ドリップスケール
  • 温度計:タニタ TT-NT33
  • ミルクパンのサイズ:14cm
  • 豆の使用量:20g
  • お湯の温度:96℃
  • 抽出量:120cc

飲み比べの準備

先に、再加熱するコーヒーを抽出します。抽出したら、室温で30分ほど放置し、ぬるくなってきた時点の温度を計測。この時の温度が約41.5℃でした。これをミルクパンに入れてコンロに待機させます。次に、新しくコーヒーを入れ、温度を計測。この時の温度が約65.7℃でした。ここで、ミルクパンを弱めの中火で加熱し始め、後に入れたコーヒーの温度の低下を考慮しつつ温度を上げます。約60℃程度まで加熱し、カップに移します。この時点での二つの温度は、再加熱したものが約60.5℃、再加熱しないものが約60℃でした。

飲み比べ

準備ができたところで、2つを飲み比べます。再加熱していないものは、口に含んだ時の広がりというか、香りというか、鼻に抜けるもの、一言でいうと風味を感じましたが、再加熱したものは、それを感じない。口の中で舌を小刻みに動かして、なんとか香りを掴もうとしましたが、それでものっぺりとした印象で、風味が感じられませんでした。また、舌の上で味を感じる際に、煮詰まったような密度の高い感じがしました。

今回の結果

今回の結果をまとめると、以下のようになります。

  • コーヒーを再加熱すると、風味が劣化する恐れがある

考察など

今回の検証は、極端に冷ましてからの再加熱だったので、結果は「恐れがある」としました。お店でやるにしても、ここまで温度が下がった状態の物を再加熱するということは無いと思います。

さて、今回の検証結果のみに焦点を当てると、再加熱をしない方が良いのは明らかでした。コーヒーの風味については、冷めても良い香りが続くものや、むしろ冷めてからのほうが香りが際立つものもあることから、時間が経過したことや温度が低下したことによって風味を感じなくなった可能性は低いと考えています。とすると、再加熱によるなんらかの作用によるものが原因と考えられますが、沸騰するまで加熱したわけではありませんし、温めることによってコーヒーの成分に変化があったのか、それとも、カップからミルクパンへの移し替え、またその逆の繰り返しで、ワインでいうところのデキャンタージュの効果が働いて風味が感じられなくなったのか、その他か。味の密度が濃く感じられたことを考えると、やはり再加熱による影響が大きいとは思いますが、そうなると、蒸発的な作用が働いたとするならば納得はいきますが、コーヒーはほとんどお湯とはいえ、ゆっくり温めましたしお湯が蒸発はしてないと考えましょう。となると、沸点までいかなくとも、温度が高いと失われる何かがコーヒーにあるとすれば、普通の抽出の時も温度が高すぎてはいけないのでは?とか考えてみたり。つまりその失われる何かが今回の検証で言うところの風味なのでしょうか。でも、再加熱していないコーヒーは風味を感じられたしなぁ・・・。もしかして、温度計で測って100℃になっていなくても、部分的には100℃になっていて、一部が蒸発する可能性があるんでしょうか。あえてここでは調べませんが。

さいごに

頭に浮かぶ疑問をひたすら書きなぐるだけの、かなりグダグダな考察を書いてしまいました。現時点で、この問題に対する原因はわからないでしょうが、とりあえず再加熱をして良いことは無いとだけは宣言しておきます。

考察を書いているあたりで、ふと、コーヒーを煮詰めるとどうなるのかという疑問が頭に浮かび、せっかく買ったミルクパンも使いたいので、次回はコーヒーをガンガン煮詰める、という新しいコーヒーの飲み方を提案する・・・ことになるかもしれない検証をしたいと思います。

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