カリタ「珈琲屋さんのコーヒーフィルター」と通常のフィルターの違い
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カリタが販売しているロトドリッパー用のコーヒーフィルターには、「珈琲屋さんのコーヒーフィルター」というものがあります。今回はそれと普通のコーヒーフィルターの比較をしてみたいと思います。
はじめに
カリタが販売しているペーパーフィルターはスーパーやホームセンターなどでよく見かけますが、バリエーションとしては101、102などのサイズの違いとブラウンかホワイトか、というくらいです。珈琲屋さんのコーヒーフィルターは、私の知る限りではそこら辺のお店では売っておらず、その名の通り珈琲屋さんにしか売っていません。
私はこれまで、手に入る限りでは(美味しく入れられそうなので)珈琲屋さんの珈琲フィルターを使用していましたが、それでは珈琲屋さんのコーヒーフィルターは何が違うのかというと、そのあたりを全く気にしていませんでした。で、入手のしにくさもあって代わりに使用していたノーマルなペーパーフィルターと珈琲屋さんのコーヒーフィルター、2つのフィルターが手元にあるので、その違いを比較してみようと思います。
条件
今回の検証は以下の条件下で行いました。
- 使用したコーヒー豆:ドミニカ プリンセサ
- 焙煎度:フルシティローストぐらい
- コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
- ドリッパー:カリタ ロト101(陶器)
- フィルター1:カリタ コーヒーフィルター101(ホワイト)
- フィルター2:カリタ 珈琲屋さんのコーヒーフィルター101(ホワイト)
- 秤:ハリオ ドリップスケール
- 豆の使用量:20g
- 水の温度:約94℃
- 抽出後の量:約120cc
外観の比較
まずは外観から比較していきます。珈琲屋さんのコーヒーフィルターの謳い文句?というかパッケージには「プロが選んだこだわりの濾紙」「この濾紙は、従来の濾紙より紙の繊維のからみをより多くしたことで、飲み口すっきり香りとコクはそのままに、口当たりの良いレギュラーコーヒーが楽しめます。」と書いてあります。なるほど、繊維がより多く使用されているというわけですね(そのまま)。
それぞれを箱から取り出して、並べてみます。ぱっと見ではよく分かりませんね。ただ、見た目では分かりませんが、両方のフィルターを取り出した時点で、明らかに珈琲屋さんのコーヒーフィルターの方が重量感があり、しっかりとしている事がわかりました。それに比べると、ノーマルの方はチープな印象。お次はもうちょっと近づいてみます。
ノーマルなコーヒーフィルター。コーヒーフィルターってあんまり意識して見たことありませんでしたが、表面が葉っぱみたいになっているんですね。面白いです。
次に珈琲屋さんのコーヒーフィルター。先程のものは紙の上に繊維が這っている、といった印象を受けましたが、こちらは繊維の上に繊維が這っているようで、謳い文句通りのものとなっているようです。
モノとして違うことはよくわかりました。では、味にどの程度の違いが出てくるのかも試してみます。
コーヒーを入れ比べて飲む
次は、2種類のコーヒーフィルターで同じコーヒー豆でコーヒーを入れて飲み比べてみます。陶器のロトドリッパーを用意して、それぞれのフィルターを使用してコーヒーを入れていきます。コーヒーの抽出中はとくにフィルターの違いを感じることもなく、それぞれのフィルターで120ccのコーヒーを入れました。
まず、ノーマルなフィルターを使用した方から。味は、苦味と酸味のバランスが良く、甘みが強い。鼻に来る感じ。モッタリとした飲み口。キャラが濃い感じです。次に、珈琲屋さんのコーヒーフィルターで入れたコーヒー。所感としては変わらずな印象。気持ち、「飲み口スッキリ」と感じなくもないといった程度。基本的な何かが変わったというほどでは無いように感じます。
今回の結果
今回の結果をまとめると、以下のようになります。
- 珈琲屋さんのコーヒーフィルターは、作りはしっかりとしているが味わいにそれほど影響は与えない
考察など
結果としては残念ですが、濾紙一枚で劇的に味が変わってしまうのもそれはそれで問題あり、というかモヤッとするのでこれはこれで良かったのかもしれません。
さて、珈琲屋さんのコーヒーフィルターの謳い文句は「繊維の絡みを多くしたことで飲み口スッキリ」「香りとコクはそのままに〜」ですが、つまるところ雑味を落とさない、と言った解釈で良いのでしょうか。仮にそうだとした場合、繊維が多くなることで、余分な成分を通さないという事になります。で、繊維が多くなるということは、密度が上がるということで、端的な話、コーヒー液が通る穴が小さくなる事で雑味がそこを通れなくなるといった感じになるのだと考えています。つまり、雑味と言うのはコーヒーの美味しい成分よりも「大きい」ということですね。
ここで気になるのが、コーヒーは液体であるという点です。食塩水につけたゆで卵が浸透圧によって味が染み込んだり、黄身の水分だけが外に逃げ出すのは食塩という明らかに液体よりも大きなものが混じっているせいであって、コーヒーにおいては食塩に当たる成分は無いように思います。つまり雑味だけを残す、ということは不可能なのではないかと言うことです。
そうなると、ちょっと頭を切り替えて、雑味とは「コーヒーの液中に溶け込んでいる何か」ではなく、「コーヒー液中に溶けていないもっと大きい何か」であるという視点で考えます。すると思いつくのが細かなコーヒー豆の粒子です。一見、コーヒーは液体ですが、コーヒー豆を挽いたものにお湯を通しているという都合上、とても小さな粒子がコーヒーフィルターをすり抜けてコーヒーの中に落ちてきていても不思議はありません。肉眼ではわからないそれが雑味の正体で、口当たりの悪さの原因となったりする。こう解釈した場合、コーヒーフィルターの繊維が多いことでコーヒーに落ちるとても小さなコーヒーの豆の粒子の数は少なくなり、結果的にすっきりとした飲みくちとなる、という風に謳い文句にも納得がいきます。
あくまで繊維が多いことで雑味を落とさないと解釈した場合ですが、可能性としては十分あると思います。もし完璧なコーヒーを追求するならこういう部分にも気を使わなければいけないかもしれませんね。
さいごに
それにしても寒くなってきたせいで、コーヒーが冷めるのも早いですね。ホットコーヒーを美味しく飲める季節ですが、長く温かいコーヒーを楽しむには工夫が必要そうです。
今回使用したもの
カリタのペーパーは目詰まりしやすく感じてます
つまりカリタのドリッパーに合わせて作られる、と言うコンセプトだとは思いますが、正直使えませんね
カリタのドリッパーはメリタのドリッパーと比較して、お湯の落ちが早いと思いますので、その対策かも知れませんが
他のドリッパーではあまりにもお湯落ちが遅くなり、イメージした珈琲の味には程遠い物になってしまいます。
「カリタのドリッパーを買いなさい」的な?(笑)
それも有りだとは思いますが
あまりにも、紙が薄い、腰が無い、なのでドリッパーに貼りつく
そこで落ちを調整?
かと言って、カリタのドリッパーだとちょうど良いのか?そうでも無い、が私の率直な感想です。 他にくらべれば、多少はましかな?程度に感じます。
100均のペーパーの方がまだましだと感じております。
コメントありがとうございます。
この記事も書いてからだいぶ時間が経ってしまいましたので、当時どのように感じていたかは曖昧ですが、おっしゃるとおり、純正ペーパーフィルターだから必ずしも最適であるとは限らないかもしれないですね。
まず、通常のコーヒーフィルターって言うのは何を指しているのかがわからない。
カリタには袋に入った比較的安めのコーヒーフィルターが実は2種類ある。
それは型番で区別するfpとnk。
箱入りのものには明記されてないので別の型番なのか前記の 通常の のどちらかの型番のものと同等なのかは、私にもわからないですが。
したがって、この記事は3種類(袋2種、箱)のペーパーで飲み比べて書くべきだったと思います。
さらに、完璧を期すならば、それぞれ白と茶色合計6種類で飲み比べてみてもよかったんではないでしょうか。