浅煎りコーヒー豆はエアロプレスで抽出したほうが濃くドリップできる・・・のか

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浅煎りコーヒー豆の抽出について

焙煎度の異なるコーヒー豆を何度もドリップしていると分かるのですが、焙煎度によってコーヒーの抽出具合も変わります。同じお湯の温度・挽き具合にしても、浅煎りのコーヒー豆よりも、深煎りのコーヒー豆のほうが濃く抽出できるんですよね。まあ、これはなんとなく理屈は分かるのですが。

ただ、それはしょうがないとしても、なんだか損している気分にはなります。同じ豆でも、深煎りにしている方が濃く抽出できるのだとすれば、深煎りにしたほうが得な気がします。まあ、浅煎りには浅煎りの良さがあるので一概に濃い薄いで損得言えることではありませんが、浅煎りでも同じくらい濃くコーヒーを抽出できたら最高なんじゃないかと思うわけです。

ただ、ハンドドリップだとそれは難しそうなので、別のアプローチが必要そうです。コーヒーの抽出において、ハンドドリップに近い形でお湯の温度と重力以外のパワーを用いてドリップする方法というと、そう、エアロプレスがあります。エスプレッソまで行くとジャンルが変わるのでエスプレッソはナシ。

という具合で比較したらどうだろうかと思ったので、コーヒーをハンドドリップした場合とエアロプレスで抽出した場合で、どのくらい味に開きがあるのかを飲み比べてみたいと思います。

エアロプレスとハンドドリップでコーヒーをドリップする

単純に2パターンでコーヒーをドリップするだけで、特に奇をてらったことはしません。エアロプレス一式と、ハンドドリップの道具を準備します。エアロプレスはステンレスフィルターを用いるので、ドリッパーもそれに合わせてcoresのゴールドフィルターを用いるようにします。

エアロプレスとゴールドフィルター

使用する道具。フィルターをステンレス同士であわせて、味になるべく差が生まれないようにします。

また、コーヒー粉の粒度も合わせます。エアロプレスは公式では細挽き推奨だった気がするので、普段はに細挽きで利用しているのですが、粒度が異なると比較にならないので、今回はハンドドリップに合わせて中挽きのコーヒー粉を使用します。ただ、問題はドリップにかける時間です。ハンドドリップでは、蒸らし含めて大体2分ちょっとくらいで130mlをドリップするのですが、エアロプレスでそれに合わせるのは中々難しい。お湯を注いでかき混ぜるまでで長めに50秒くらいとって、押し出す工程で頑張ってなるべくゆっくり抽出するように努めます。ベストエフォートってやつですね(たぶん)。

浅煎りのモカ

コーヒー豆はエチオピアのモカを使用します。

要件が固まれば、早速抽出開始です。それぞれ10gのコーヒー豆を中挽きにして、88℃のお湯で抽出していきます。ハンドドリップは蒸らし30秒、2分を目安に130mlのコーヒーをドリップします。エアロプレスはインバート式で、コーヒー粉にお湯を少し注いで20秒待って、その後に残りのお湯を注いで50秒になるまでかき混ぜたら、ステンレスフィルターをセットして2分を目安にゆっくり圧をかけて抽出します。

2杯出揃ったら飲み比べます。まずは、ハンドドリップしたほうから。うん、ペーパーフィルターと違ってまろい味わい。いつもより豆の分量が少なかったこともあってか、薄め。でも味はちゃんと分かります。

次にエアロプレスで抽出したコーヒー。一口飲むと、うーん?こっちのほうが味が薄い。でも香りはエアロプレスで抽出したほうが良く広がる気がします。いや、香りについては温度の違いのせいですね。

試験管に入った2種類のコーヒー

色の比較。左がハンドドリップ、右がエアロプレス。色の違いは一目瞭然です。

色については、ハンドドリップはサーバーの底の方から、エアロプレスは抽出したカップの上の方から取ったので、その点で多少差があります。それにしても味に差がありすぎます・・・。

感想・考察

なんだか腑に落ちない結果になりました。エアロプレスのほうがはっきりと濃くコーヒーの味が分かるものと踏んでいたのですが、当てが外れました。結局、抽出のフェーズが大切なのでしょうか。

ハンドドリップの場合、お湯は都度都度コーヒー粉を通過して、下に流れ落ちていきます。コーヒー粉に触れたお湯はすぐに離れて、新しいお湯が触れる、という形です。一方エアロプレスは、最初に必要分のお湯を全て注いでから、一気に分離する形です。こちらは最初から最後まで、同じお湯と触れ続ける形です。

例えば、お湯に内包できるコーヒー成分のキャパシティがあるとします。お湯に限界までコーヒー成分が溶け出しても、ハンドドリップだと常に新しいお湯と触れては離れてを繰り返すので問題ないですが、エアロプレスはお湯に溶け出せるだけ溶け出してしまうと、お湯は最初に注がれた分以上に注がれないので、一定の濃度に留まってしまう・・・。いや、これは違いますね。ここまで書いちゃったから消しませんけど。

気になるところがあるとすれば、温度でしょうか。ハンドドリップの場合はステンレスポットからお湯を都度注ぎますが、エアロプレスは最初に注ぎきります。つまりお湯の保温状態が異なるので、もしかするとエアロプレスのほうが温度の低下が早かったのかもしれません。逆に言うと、エアロプレスのほうが温度が高い状態のお湯を一気に注ぐので、これが原因とは正直考えにくいですが。

もしくは、コーヒー豆の粗さが粗すぎたのが原因かもしれません。エアロプレスを利用するときは、いつも細挽きで利用するのですが、プレスするのが結構硬くて疲れるんですよね。ただ今回中挽きのコーヒー粉で試した際は、だいぶ軽くてスルスルと抽出できてしまいました。つまり圧がかからなすぎて、コーヒー粉をお湯に注いで分離するだけのフレンチプレスと大差なくなってしまったということです。

あ、なんかフレンチプレスだと思ったら、急にすごく腑に落ちてきました。やっぱりエアロプレスするなら細挽きですね。そして今回の検証はあまり意味のないものになってしまいました。

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