アイスコーヒーをストローで飲む理由

  •  
  •  
  •  コラム
  •  コラム

アイスコーヒー

もうだんだんと暑くなってきて、アイスコーヒーの季節になってきました。そこで、アイスコーヒーに関する疑問について少し、考えてみようかなと思います。

はじめに

今回は検証は置いておいて、小話をつらつらと書いていきます。なんの話かというと、タイトルにすでに書いてある通りアイスコーヒーの話なのですが。少し前にふと、「なんでアイスコーヒーはストローを使って飲むんだろう」と、前触れもなく疑問が浮かびました。いや、以前からスタバとかタリーズとかでコーヒーを注文すると、ホットは小さな飲み口の空いた蓋のついたカップで、アイスコーヒーは透明で真ん中に十字のストローを差す切れ込みが入った蓋がついたカップで提供されることは意識していたのですが、その差異についてはなんか「そういうもの」として全く気にかけてはいませんでした。

と、そんな感じの当たり前になりすぎて疑問すら浮かばなかったアイスコーヒーではなぜストローを使うのか、という点について、考えていきたいと思います。

ストローの歴史などからの観点

まず、ストローの歴史など、外堀から埋めていきましょう。ストローについて簡単に調べてみると、どうやらストローは(straw) 英語で「藁」の意味のようです。そのため、英語圏では私たちの言うストローのことをプラスチックストロー(Plastic straw)と呼ぶそうで、古代メソポタミア文明あたりで、沈殿物や残留物などを避けて液体を飲むために葦が利用されたのが始まりだとか。日本では岡山県の南西部にある寄島町という街が始まりだそうです。なるほど、ストローというと洋風のイメージがあるのでヨーロッパあたりの国が発端かなと思っていたのですが、全然違いました。

上記の事が本当だとして、そうなるとストローというものは簡易な濾過器のような役割を果たすもの、という事になると思います。ではアイスコーヒーは濾過する必要があるのかという話ですが、これはあるともいえるような無いと言えるような、微妙なラインです。というのも、一般的なアイスコーヒーには氷が入っていると思います。これは言うなれば残留物とかそういう部類とも呼べ、つまりそれを避けて液体のみ飲む、という観点で言えば、ストロー本来の役割を果たしていて、アイスコーヒーにストローが利用されるのは理にかなっていると言って良いでしょう。しかし、氷も塵のように細かいわけでもなく、ストローを使用しなくてもグラスを傾けて、口元で口の中に液体だけ入り込むように唇でコントロールできるので、そういう観点でみると大げさというか、ストローが無くても問題は無い、とも言えます。

安全性からの観点

今度はシュチュエーション毎に絞って考えてみましょう。まず、グラスに注がれたアイスコーヒーには氷が入っているとして、ストローなしで飲むとしましょう。冷えたグラスを手に持って、結露を手のひらに感じつつ、口元にグラスを寄せて、傾けて、飲む。この時、例えば手が何かにぶつかってしまった時、グラスは傾いているわけですから、思いっきりコーヒーが飛び出して溢れるでしょう。ズボンはビチョビチョです。また、手が揺れてグラスが揺れるということは、それにつけている口、歯もグラスにぶつかってしまうでしょう。

ちょっと戻って、手に何もぶつからなかったとします。グビグビ。飲み進めていくと、氷が液体に浮かばなくなり、グラスの底に溶け残ります。すると、タイミングによってはグラスを傾けた時、氷が一気に滑り落ちてきて、顔が余計に濡れてしまうかもしれません。また、勢いで溢れてしまう可能性もあるでしょう。

そこで、ストローで飲んだ場合を考えてみます。グラスを手に持って、ストローに口をつけて、飲む。手に何かかぶつかった場合、グラスは揺れてコーヒーが溢れるかもしれませんが、グラスを傾けた時ほどでははいでしょうし、ストローを使うと体とグラスとの距離も少しは遠くなるので、ズボンは濡れないかもしれません。また、ストローはプラスチック製なので、歯に当たっても痛く無い。ただ、ストローを加えている時に後頭部を引っ叩かれたら喉の奥にストローが刺さるというリスクはあります。

手に何もぶつからなかった場合は、飲み進めてもグラスを傾けることも無いので、コーヒーが少なくなっても安全に最後までコーヒーを飲みきる事ができます。

利便性からの観点

グラスに注がれたアイスコーヒーは、時間とともに氷が溶けていきます。アイスコーヒーを放置した事がある方はわかると思うのですが、氷が溶けてできた水は、コーヒーと分離というか微妙に馴染みません。コーヒーと溶けた氷で若干の層になるわけです。このとき、ストローがない場合は溶け水だけの部分をすすってしまう可能性があり、また、グラスを傾ける事で意図せずコーヒーと溶け水が混じり合ってしまう事もあるでしょう。しかし、ストローがある場合は、溶け水の部分を吸わず、その下にあるコーヒーの部分だけを吸う事が可能です。また、混ぜようと思えばマドラーがわりに使用する事もでき、均一に混ぜる事も可能です。

飲み物の温度からの観点

当たり前ですが、アイスコーヒーよりも人間の体温の方が高いです。ストローなしでアイスコーヒーを飲む場合、アイスコーヒーと人間の口が触れ合い、温度が下がっている可能性があります。また、アイスコーヒーは口の横幅全体、とまではいきませんが口の横幅の5割以上の部分から口の中に入ってきて、そのぶん口の中で体温との接触面積もあると考えて良いでしょう。ストローで飲む場合、アイスコーヒーと口は接触しないためそこで温度が下がることはなく、また口の中に入った時に体温と接する部分も限られているので、より冷たく感じられるのではないかと思います。ただ、ストローなしで飲む場合の方がより広範囲に冷たさを感じる事ができると思うので、それぞれ一長一短があるでしょう。

提供性からの観点

安全性の観点でも書きましたが、氷は液体と違って滑らかに流れ落ちるのではなく、ドサっと落ちてきたりします。スタバやタリーズなど、カップに蓋をしてコーヒーを提供するお店の場合、もしもアイスコーヒーがホットコーヒーと同じように小さい飲み口がついている蓋で提供された場合、最後まで飲み干そうとカップを傾けた拍子に氷の重量がドサっときて、蓋が取れて中身がこぼれてしまう、なんて事もあるかもしれません。ホットコーヒーの容器の蓋をみている感じでは、氷が入っていてもそのようなことはそうそうないと思いますが・・・。

容量からの観点

アイスコーヒーは氷の分液体に対して体積が増えるので、必然的に大きめの容器が必要になります。飲み物を入れる容器で容量が増えるとなると、自然と横幅ではなく高さが出てきますよね。すると、その背の高い容器に入った液体を全て飲み干すためには、容器を傾けなければなりません。ただ、それは容器の背が高くなるほど角度をつける必要があるため徐々に困難となり、極端な話2mほどのグラスがあった場合、それを傾けて最後まで液体を飲み干すというのは簡単にはいかないでしょう。しかし、ストローがあれば容器を傾ける必要がなく、最後まで液体を飲み干す事が可能です。ただ、2mのグラスの底の液体を吸い出すには、それはそれでかなり大変そうですが。

女性利用からの観点

昔はわかりませんが、おしゃれなカフェなど、女性の利用者も多いと思います。むしろ女性の方が多いかも?そういったとき、まあ人それぞれによるかと思いますが、グラスに口をつける事で口紅やらグロスやらがグラスについてしまったりする事が嫌な人もいるでしょう。ストローであれば、グラスに直接口をつけるよりもその点で被害は少なく済むでしょう。また、単純にグラスを傾けて煽る感じは見た目的に宜しくない、と感じる方などもいる・・・かな?

まとめ

思ったことをザクザク書いてみましたが、自分なりにまとめると、アイスコーヒーでストローを使用する理由はホットコーヒーと比較して氷の分体積が増えたアイスコーヒーを、氷を避けて液体のみを安全かつ手軽に飲むためといったところだと考えています。まあ、それがわかったところで何かが変わるわけではないのですが、同じような疑問を持った事がある人のモヤモヤが少しは晴れることを祈ってここに書き記しておくとしましょう。

さいごに

でも、スタバとかタリーズでアイスコーヒーを頼んだらホットコーヒーと同じ容器で出てきたとしても、割とすんなり受け入れられそうですよね。消費者にとっては始まりがストローがついていたからそれが常識になっているだけであって、あんまりストローの存在自体に意義を見出している人は少ないと思います。ただ、あくまで一意見ですが今回書き連ねたように、それなりに役割を果たしている事も事実だと思います。機会があれば、ストローの優位性について、ちょっと意識しつつコーヒーを飲んでみると新しい発見があるかもしれませんね。

コメントを残す


CAPTCHA