コーヒー豆を焙煎したときの膨らみ具合、重量の変化を見てみよう

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コーヒー生豆は焙煎されると、黒くなったり、膨らんだりして様々な変化が起こります。が、具体的にはどの程度の変化があるのでしょうか。

はじめに

コーヒー豆を注文後に焙煎してくれるコーヒー豆の専門店で購入する人は聞いたことがあると思いますが、コーヒー豆は焙煎すると水分が蒸発し、重量が1割〜2割ほど軽くなります。その他、焙煎によってコーヒー豆が膨らむため、生豆のときよりも体積が増えます。

こういったことは嘘ではありませんし、話を聞くだけで十分といえば十分なのですが、実際に確かめてみたいと思った時、実行に移すのは意外と面倒です。コーヒー生豆を用意して、焙煎用の手網を買って、焙煎して・・・。そもそも自宅で焙煎をしよう!というところまで行く人はそんなにいないと思うので、コーヒー豆の焙煎前と焙煎後の違いを、コーヒー豆を並べて目で見て確認することが出来る人はあまり多くないでしょう。

ということで今回は、そんな身近にありつつも意外と試していない、コーヒー豆の焙煎前と焙煎後の変化について、並べて目で見て確かめてみよう、という検証です。

コーヒー生豆を準備する

まずは使用するコーヒー豆の紹介です。今回使用するのは「ブラジル パッセイオ イエローブルボン パルプドナチュラル」です。以前に通販で5kgほど購入してちょいちょい焙煎して使用しています。品質はよく、スペシャルティコーヒーとして流通しているものです。

量りに乗ったコーヒー生豆

これを100gずつ量り取って、浅煎りと深煎りの2パターンの焙煎度で焙煎し、焙煎前後の膨らみ具合や重量の違いを確かめます。

ビーカーに入ったコーヒー生豆

このコーヒー生豆はスペシャルティコーヒーだけあって、欠点豆はありません。生豆の状態だと、100gでビーカーの下から3番目の線くらいの体積であることが分かります。ちなみ、いつもコーヒーを飲むときはこのビーカーをコーヒーサーバーとして利用しています。

コーヒー豆を2種類の焙煎度で焙煎する

コーヒー豆を100gずつ、合計200g準備したら、早速コーヒー豆の焙煎をしていきます。コーヒー豆を焙煎するのは、愛用(というほどしょっちゅう使用していませんが)のコーヒー豆焙煎用手網。

手網

幾多のコーヒー豆を炙ってきた手網。年季が入ってきたとはまだまだ言い難いですが、網の部分には直火を受けた跡が見てとれます。

手網にコーヒー生豆を入れて、ガスコンロの火を中火にし、直火で焙煎していきます。手網での焙煎はサボるとすぐ焙煎度にムラが生じてしまうので、一生懸命、上下左右にシャカシャカします。20〜30分ほど焙煎し続け、いい色になったら火から下ろして、すぐにサーキュレーターで風を送って冷まします。

ビーカーに入った深煎りコーヒー豆

焙煎したコーヒー豆がこちら。今回は結構うまく焙煎できました。それでもムラはだいぶありますが・・・。焙煎度はフルシティローストくらいといったところでしょうか。生豆のときはビーカーの下から3番目くらいの体積でしたが、焙煎によってコーヒー豆が膨らみ、1.7倍程度まで体積が増えています。また、重さを測ると、83.4gとなっていて、生豆時に100gだったのが2割近く重量が減少していることが分かりました。

チェックが済んだら、もう一回です。次はもっと浅煎りめにコーヒー豆を焙煎します。手網に再度コーヒー豆を入れてシャカシャカ。甘い香りがしてきて、パチパチとコーヒー豆がハゼてきて、1回目のハゼがそろそろ終わったかな?というくらいのタイミングで火から下ろして冷まします。

ビーカーに入った浅煎りのコーヒー豆

焙煎度はミディアムローストくらい。さきほどよりは浅煎りですが、体積はフルシティローストのときとほとんど変わらないようです。重量は85gで、フルシティローストのときの83.4gと比較すると、やはり水分が飛んでいないせいか少し重くなっています。

焙煎した豆は、すぐに飲むよりも2日ほどおいてから飲むほうが味が落ち着いて美味しいので、今回は飲まずに密閉保存便に直行。後からじっくり楽しむことにします。

今回の結果

今回の結果をまとめると、以下のようになります。

  • コーヒー豆は焙煎すると体積が増えるが、浅煎りと深煎りで体積に差はあまり無い

考察・感想

少し、久しぶりに手網でコーヒー豆の焙煎をしましたが、やっぱり時間が掛かるし疲れますね。早いところ自動の焙煎機を作らなくちゃいけないなあと思いました。

自宅で焙煎するとき、生豆と焙煎後のコーヒー豆を見比べるということはしていなかったので、今回の検証で改めて確認してみて、コレほどの差があるのかとちょっと驚きました。コーヒー豆が膨らむのは当然承知していましたが、2倍近くまでになっているとは・・・。もちろん、厳密に測ると差はもっと少ないと思いますが、見た目のインパクトはなかなかのものです。

また、少し意外だったのが、浅煎りと深煎りでコーヒー豆の体積にそれほど差はなかったことです。特に事前の予測があったわけではなかったのですが、焙煎時間は浅煎りに対して深煎りは倍近くの時間をかけていたので、もっと大きく膨らんでいるものかと思っていました。ここから考えられるのは、コーヒー豆の膨張は、いわゆる1ハゼ目でだいたい完了する可能性があるという事です。コーヒー豆を焙煎する時、色がついてきたところでパチパチと音がし始める”1ハゼ”、と、その後しばらく焙煎していると起こる”2ハゼ”がありますが、この1ハゼのときにコーヒー豆はあらかた膨らみ終わり、2ハゼ目のときは膨らむことはしない・・・、という予想です。

ただ、このハゼというのはコーヒー豆が膨らむことで裂ける音なので、2ハゼ目でも更にコーヒー豆は膨らむはずです。今回、深煎りのほうのコーヒー豆は2ハゼまで行ったはずなので、前述の理論だとつじつまがあいません。そうなると考えられるのが、2ハゼ目のときの音は、コーヒー豆が膨らむときの音ではなく割れている音だということです。写真をざっと見比べてみると、深煎りのコーヒー豆のほうがコーヒー豆の表面に割れ目が多くあるように感じます。2ハゼ目の音がこの割れが発生したときの音であるとすれば、浅煎りと深煎りとで体積が変わらないように見えるのも辻褄が合うんじゃないでしょうか。・・・・我ながらちょっとチープな予想ですが。

重量については、まあ想定通り、浅煎りのほうが重く、深煎りのほうが軽くなっていました。これはもちろん、長時間火にかけられていたほうが水分が多く飛ぶのは当たり前ですから、特に違和感は無いでしょう。ただ気になることがあるとすれば、重量は浅煎りと深煎りでそれほど差はなかった点です。これはつまり、体積同様、コーヒー豆に含まれる水分は早い段階でおおよそが蒸発する、という事が考えられます。

これらを踏まえると、コーヒー豆は浅煎り、もう少し絞って1ハゼの終わりくらいまで火にかければ、焙煎されたコーヒー豆であると言える、ということかと思います。つまり、見方によってはミディアムロースト以上に焙煎するのは、余剰な焙煎であるということかもしれません。

さいごに

今回はちょっと風邪気味だったので、コーヒーの味の比較は避けてみました。ただ、以前からやってみたいテーマであり、見た目にもわかりやすくて、ちょっと結果も意外だったので楽しかったです。次はもっと深煎りのコーヒー豆を用意してみても面白いかもしれません。

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