自宅でエスプレッソマシンを使わなくなったワケ

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最近、エスプレッソを飲んでない

デロンギのエスプレッソマシンを購入してかれこれ2年程度が経ちました。感覚的にはまだ1年くらいしか経過していないと思っていたのですが、レビューしたときの記事の日付を見たらもう2年前でした。時間って早いですね。

ただ、2年間でエスプレッソを淹れて飲んだのは20〜30回程度しかないような気がします。コーヒーはほぼ毎日、1日2杯飲んでいるので、1年365日で730杯、2年で1460杯、そのうちエスプレッソを30杯飲んだと仮定すると、2年間で飲んだコーヒーのうちのだいたい2%がエスプレッソになります。数字の通り、全然エスプレッソを飲んでいないんですよね。

エスプレッソマシンは物置の奥深くに眠っているわけでもなく、キッチンに常に置いてあるので、電源をさせばいつでも使える状態です。しかし、なんだか使う気にならない。正確には、コーヒーを飲むときはいつも自然とハンドドリップでコーヒーをドリップして飲むのが当たりまえというか、もう自分の中で流れができてるんですよね。使うドリッパーとか、豆の挽き方・お湯の温度については気にはかけていますが、そこに意識が向くことがあっても、エスプレッソを飲むというところに意識が向きません。

エスプレッソが嫌いなわけではないのですが、なぜ自分は自宅でエスプレッソを飲めるのに飲まないのか。そんな無意識について、少し自分なりに考えてみることにしました。

エスプレッソは縛りが多い気がする

まず思いついたのが、エスプレッソには制約というか、決まり事が多いところです。コーヒーのハンドドリップの場合、豆は細挽きでも粗挽きでも自由で好みによるところがありますが、エスプレッソはどこで見聞きしても極細挽き一択です。また、コーヒー豆も深煎りというのがよく聞く話です。まー律儀に守る必要もないと思うのですが、なんというか、ハンドドリップよりも枠にはめている部分が多すぎる、と言うんでしょうか。苦くてなんぼ、って感じで。

実際、そうするのがエスプレッソとして美味しいものができるから誰もがそう言っているかと思うのですが、たとえばコーヒー豆をエスプレッソ向けに極細挽きにしようと思うと、それができるコーヒーミルが必要になりますし、美味しいエスプレッソを飲むための敷居自体がそもそも高い気がします。エスプレッソマシン自体も基本高価なものですし。一方ハンドドリップだと、良いコーヒー豆と最低限の道具があれば、美味しいコーヒーをドリップすることが可能です。ミルはある程度良いものが必要なのは一緒ですが。

まあ実際のところ、これについてはいちゃモンみたいなもので、そこまで気にしてはいません。ただ、本当に美味しいエスプレッソを自宅で飲むには十数万単位の資金が必要になると思ってはいて、それを考えるとモヤモヤするのは確かです。

エスプレッソよりハンドドリップのほうが楽しい

自分が、結構なんでも自分でやりたがるタイプなのも、結構関係があるんじゃないかと思っています。エスプレッソにもタンピングの技術とか圧力の調整とか、色々技術的な要件はあると思うのですが、家庭用の安物じゃ圧力は調整できないし、干渉できることは限られます。

一方ハンドドリップは、お湯の温度調整に始まり、コーヒー豆の粒度を調整したり、必要だったら微粉を除去してみたり、蒸らし時間を長くしてみたり、エスプレッソと比較して道具に縛られることなく、やろうと思えばプロ・素人・道具関係なく何でもできます。また、自分でコーヒーポットを持ってお湯を注ぎ続けないとコーヒーはドリップできないので、エスプレッソの抽出と比較して”やってる感”が強いのが、ハンドドリップを面白く感じさせているのかなあと思います。

特に、ハンドドリップで美味しくコーヒーをドリップできたときは”やってやった感”が強く感じられます。逆にイマイチだったときは、次はどうしようか・・・というちょっとしたチャレンジ精神を与えてくれて、それが次へ次へとハンドドリップへ意識を向けさせているのかもしれません。

エスプレッソは”忙しい”

おそらく、私がエスプレッソを飲まない一番の理由がコレです。言うなれば、ライフスタイルに合わない、といったところでしょうか。自宅でコーヒーを飲むとき、大抵なにか本を読みながらコーヒーを楽しむのですが、逆に言うとその時以外には本を読みません。で、本は最低でも1時間近く読むので、コーヒーもそれに付き合ってもらわないと困るわけで、そうなると自然と量が少ないエスプレッソをお供にすることがなくなる訳です。

エスプレッソは本来の楽しみ方として数口でサッと飲むものらしいですし、量も少ないですから、長く楽しむには向いていません。そもそもチマチマ楽しむものではない、と言えばそこまでですが、そうなるとやっぱり根本的にライフスタイルに合わないんですよね。じゃあミルクを入れて量を増やせばいいじゃん、とも思うかもしれませんが、カフェラテとかカプチーノは特に好んで飲みたいと思いません。

朝時間がないときにカフェインをキメたいときなら・・・とも一瞬考えましたが、そもそもコーヒーを飲むのはカフェイン摂取目的ではなく味目的で、ハンドドリップのコーヒーのほうが味は好きですし、タンピングして、水準備して、洗い物して・・・と考えると、総合的な手間がカップに直接ハンドドリップするのと大差ないので、やっぱりどうしてもエスプレッソは”忙しい”と思うのです。

まとめ

自分はエスプレッソのプロでは無いので偏見や間違いが多いかもしれませんが、ここまで書いたことが現時点の認知です。個人的な見解としては、今日はペーパーフィルターの気分・今日はステンレスフィルターの気分、という棲み分けはできても、今日はエスプレッソの気分・今日はハンドドリップの気分、という棲み分けは難しいのではないかと感じています。

エスプレッソ批判みたくなってしまった感じもありますが、味が嫌いなわけではありませんし(ハンドドリップコーヒーのほうが好きですが)、これまで検証を行ってきた中で、コーヒーには担えない役割をエスプレッソに担ってもらった部分もあり、自宅でエスプレッソを抽出できる環境があることは非常に有益だと感じています。ただやはり、あえてコーヒーとエスプレッソの二者択一でエスプレッソを選択する理由は自分には無いと、ここまで書いてみて強く認識しました。

エスプレッソマシンも小さくはないので、しばらく様子を見て用がなければ仕舞ってしまおうかと思います。こういう結論に至ることは、2年前にエスプレッソマシンを購入したときには思ってもいませんでしたが、当時どのエスプレッソマシンでを買うか悩んだときに安価なものを選択したのだけは、良い判断だったかもしれません。

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