はじめてのエアロプレス

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エアロプレスの現実

最近、新たにコーヒーの抽出器具「エアロプレス」を購入しました。せっかくなので、エアロプレス初心者の視点でレビューしていきたいと思います。

はじめに

エアロプレスというと、自分のイメージとしてはここ2、3年の間で出てきたニューカマーといったイメージですが、Wikipediaによると2005年から存在するそうです。しかも、エアロプレスを作ったエアロビーはフリスビーの会社。コーヒーとフリスビーの共通点がどの辺にあるのか分かりませんが、エアロプレスの出現によってコーヒー界隈が活気付いたのは確実なので、この例のように他業界からのコーヒー進出も今後たくさんあると良いですね。

では、エアロプレスの使用感をいつもより写真多めでレビューしていきたいと思います。今回は味についての検証はありませんが、いつも通り、条件を書いておきます。

条件

今回の検証は以下の条件下で行いました。

  • 使用したコーヒー豆1:ホンジュラス クリスタル
  • 使用したコーヒー豆2:ケニア キアマイナ
  • 焙煎度1:シティローストぐらい
  • 焙煎度2:ミディアムローストぐらい
  • コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):1
  • ドリッパー:エアロビー エアロプレス
  • フィルター:エアロプレス用ペーパーフィルター
  • 秤:ハリオ ドリップスケール
  • 豆の使用量:20g
  • お湯の温度:94℃
  • 抽出量:不明

エアロプレスの外観

宅配の段ボールを開けると、エアロプレスはぴったりサイズの六角形の円柱状の箱に入っていました。

エアロプレス外観

そのまま中身を取り出してみると、こんな感じに納まっていました。パーツごとにバラしてみます。

エアロプレスのパーツ

パーツごとにバラしました。左からフィルターとそのホルダー、フィルターをはめ込むホルダー的なやつ、粉をお湯を入れる筒、先端がゴムのコーヒーを押し出すための筒、粉を入れるときに使う漏斗、手前が計量スプーンと、粉とお湯を攪拌させる棒です。あと、写真にはありませんが説明書もあります。

説明書は数カ国語で書かれていて、もちろん日本語もあります。それとは別に、おそらくエアロプレスの日本の代理店が独自に作った簡単な説明書もついていました。書いてある内容が一緒でしたが。説明書を軽く読んで、とりあえずコーヒーを入れてみることにしました。

エアリプレスのホルダーにフィルターをセット

まず、上の写真のように、ホルダーにフィルターをつけます。ホルダーの縁が出っ張っているのがわかると思いますが、これを粉とお湯を入れる筒の下に捻ってはめ込みます。

エアロプレスのホルダーはめ込み

はめ込むとこんな感じ。そこに、細挽きにしたコーヒー粉を付属のスプーンですり切りで2杯・・・、と説明書に書かれていましたが、すりきり2杯というと、コーヒー豆の状態でのすりきり2杯と細かく引いた状態でのすりきり2杯の重さは違いますし、狙って挽いた後すりきり2杯分のコーヒー豆を用意するのは難しいので、いつも通り20gのコーヒー豆をナイスカットミルのメモリ1で挽くことにしました。

エアロプレスにコーヒー粉を入れる

粉が入りました。粉を入れたら、コーヒーカップにセットして、80℃のお湯を筒の表面に書かれた②の部分まで入れます。が、お湯の温度はいつも通り沸騰直後の94℃程度のものを使用。お湯の量はとりあえず説明書の分量を守りました。

エアロプレスをコーヒーカップに乗せる

お湯を入れたら付属の棒で10秒程度かき混ぜて、先端にゴムのついた筒を上からセット。説明書に書かれている通り、2、30秒程度かけてゆっくり押し出していきます。力は思ったより必要なく、女性でも問題なく入れられそうです。むしろ意識しないと十数秒程度で押しきってしまいそうでした。コーヒーが出尽すと、シューシュー空気の抜ける音がするので分かりやすいです。

エアロプレス抽出一回目

分量通りの湯量で抽出したのがこちら。大分わかりにくいですが、かなり少ない。100ccもないでしょう。そして飲んでみると、やっぱり濃い。いつも濃いめを飲んでいる自覚はありますが、それよりも濃い。さすがに20gのコーヒー豆を60ccでハンドドリップしたものよりは薄いかな?説明書の後ろの方を読んでみたらなるほど、そのままでダブルのエスプレッソ、お湯で薄めてアメリカンで楽しむと書かれていました。メーカー的には濃く出すのが前提のようです。

ちょっと半端な分量(10g程度)のコーヒー豆が余ってしまったので、こんどは③のメモリまでお湯を注いで入れてみましたが、今度はさすがに薄かったです。もうちょっと試したかったので、豆を変えてもう一回。

エアロプレス抽出2回目

今度は、20gのコーヒー豆、カイスカットミルのメモリ1、お湯の量は③の数字の真ん中ぐらいにして抽出しました。ハンドドリップで入れるときよりちょっと多め、120cc以上はあります。写真では分かりづらいですが、表面には油が浮いていて、かつ微粉がコーヒーに混じっていることはありません。味が薄くはないのですが、細挽きであることを考慮すると薄味かもしれません。

エアロプレスの抽出後のカス

崩れてしまいましたが、抽出後のカスは圧縮されていて処理しやすいです。押しきった後、筒の下につけたホルダーを外して、押し出し用の筒を少し引き戻して再度押し出すとポロっと落ちてきます。ただ、スムーズに袋などに入れば後片付けも楽ですが、その辺に落としたりすると悲惨な状態になります。

総評

初めてエアロプレスを使用しての、良い点と悪い点について、ざっと挙げてみます。

良い点

  • テクニック不要で簡単にコーヒーが入れられる
  • 抽出後のカスが捨てやすい
  • コーヒーポットとサーバーが要らない、コンパクトに収まるので外でも使用に向いている
  • 本体の水はけが良いので、水を切ってペーパータオルなどで拭けばさっとしまえる

悪い点

  • ペーパーフィルターの保管に困る
  • ゴムの内側の溝が深いので、しっかり拭いてあげないといけない
  • 面白みはあまりない

味の比較をしていないので、主に取り回しの良し悪しになってしまいましたが、こんな感じでしょうか。特に良いと思ったのが、水はけが良かった点です。私はコーヒーを飲んだらすぐ使用したものをしまいたいので、ペーパータオルを利用して水を吸っているのですが、エアロプレスは水はけが良いので、何枚もペーパータオルを使用しなくて済みます。

しかし、そんなせっかくの良さをぶち壊す要素もあります。それが、押し出す筒の先端についているゴムの溝が深いというところです。

エアロプレスのゴム部品

写真では分かりづらいですが、この溝が結構深いので、奥までペーパータオルを突っ込んで水を吸ってあげなければなりません。しかも、これについては、私のようにペーパータオルで水を吸ってさっさとしまう、というタイプではなく、ある程度自然乾燥させてからふきんで水を軽くとってからしまう、という人であっても、このゴムの溝に溜まった水はどこにもいかないので、この水を何かしらの方法で吸い出してやらなければいけないわけです。これは使用感においての評価を著しく下げる構造だと個人的には考えています。

せっかくなので、他の悪い点についても書いておきましょう。「ペーパーフィルターの保管に困る」という点については、ペーパーフィルターがピッチピチのフィルム包装なので、一気に破いたりするとバラバラになってしまう恐れがあることです。まあ、そのためにホルダーが付いているのでしょうが、プラスチックのホルダーにそのままフィルターをはめる、という事に抵抗がある人もいるのではないでしょうか。私はどちらかというと抵抗のあるタイプなので、フィルム包装の上だけ破いて、ポリ袋にいれてホルダーに突っ込んでおきました。

そして、これは完全に個人的な悪い点ですが、「面白みがない」のです。これは人によって評価の分かれるところだと思ったので、良い点には「簡単」悪い点には「面白みがない」として書いておきました。私は「コーヒーを飲むのが好き」なのではなくて「コーヒーを自分で入れて飲むのが好き」なので、入れる過程にある程度のやりがいというか、楽しみがないとなあと思ってしまうので、その点においてエアロプレスはイマイチなのです。逆に、簡単に美味しいコーヒーが飲みたい!という人には良いのかもしれませんが・・・。自分は珍しい、というか古いタイプの人間ゆえの悪い点、なのかもしれません。

さいごに

ざくーっと、レビューしてみました。使用から片付けまで簡単なので、忙しい朝などには大活躍でしょう。毎日の朝のコーヒーは手軽にエアロプレス、週末のコーヒーはじっくりハンドドリップ、といった感じで使い分ければ他の抽出器具と共存しつつ、コーヒーライフの楽しみが一層広がるかもしれません。私も「面白みがない」とこき下ろした感じになってしまいましたが、面白くなければ面白くする、というのもこのサイト役割だと思っていますので、どんどん使用して新しい使い方を試してみたいと思います。

以上、エアロプレス初使用のレビューでした。

今回使用したもの

エアロプレス コーヒーメーカー

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