夏にぴったりのコーヒーを考える -コーヒーアガー-
- コーヒーの抽出
- 夏にぴったりのコーヒー
ゼリーも寒天もやりました。本来の予定ではここで打ち止めだったのですが、ゼラチンと寒天を探してスーパーの製菓材料のコーナーを見ていたら、もう一つ「それ系」の材料を見つけたのでそれも試します。
はじめに
今回使用するのは、タイトルの通り「アガー」というものです。google翻訳に聞いてみると、アガー(Ager)は「寒天」と返ってくるのでどうやら寒天みたいなもののようです。しかし、アガーのパッケージには「寒天入り」と書いてあって、もう何が何だか。
軽く調べて分かったことは、アガーも寒天も海藻由来の成分であるという事です。ただ、主成分が異なるようで。まあ、成分が似ていようが似ていなかろうが、液体を凝固させる性質を持っていて、かつゼラチンとも寒天とも違う食感を生み出してくれるのであればなんでも良いんですけどね。
ゼラチンで作ったのはコーヒーゼリー、寒天で作ったものはコーヒー寒天、ではアガーで作ったものは?と考えたとき、寒天と成分が似ているという意味ではこれもコーヒー寒天なのでしょうが、差別化する意味で今回はコーヒーアガーと呼称することにします。それでは検証開始。
条件
今回の検証は以下の条件下で行いました。
- 使用したコーヒー豆:セレベス トラジャ
- 焙煎度:ミディアムローストぐらい
- コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
- ドリッパー:カリタ ロト101(陶器)
- コーヒーポット:ユキワ M-5
- フィルター:カリタ カリタ コーヒーフィルター101(ホワイト)
- 秤:ハリオ ドリップスケール
- 豆の使用量:30g
- お湯の温度:約94℃
- 抽出量:320cc
- アガーの量:約1g、約2g
- 冷却時間:1時間20分
コーヒーアガーを作る
今回のコーヒーアガーの作り方としては、前回のコーヒー寒天と基本的には一緒です。コーヒーを抽出したら、小鍋に移して火にかけて、少しずつアガーを溶かし込んで、ちょっと沸騰した程度で止めて型に流し込む。ちょっと変更点もあり、コーヒーを1杯ずつ抽出するのが少々面倒だったので、今回は30gのコーヒー豆で320cc抽出し、そこから120ccずつ小分けにして、それぞれ約1gと2gのアガーを溶かしました。
アガーの話を少々すると、パッケージには200cc〜250ccでアガー5gと書いてあったので、100ccあたり約2.5gで、今回の使用量は標準の量をどちらも下回ります。また、標準的な溶かし方はアガーと砂糖を混ぜ合わせて、少しずつ水に溶かしたら火にかけて軽く沸騰させたら型に流し込む、という方法らしいです。そして常温で固まるくらい凝固点?が低い。ゼラチンとも、寒天ともまた異なる材料ということがこの辺りでハッキリ分かりますね。
左からゼラチン、粉寒天、アガー。粒の大きさはゼラチンが明らかに一番荒く、アガーが一番細かい感じがします。色もゼラチンが君ががっているのに対して、アガーは白。
320ccのコーヒーから120ccを2杯出すと、80cc余ります。このコーヒーの残りは、前回の寒天のリベンジ用です。まあ、本当は全部で360cc抽出して、120ccのコーヒー3杯とする予定だったのですが、少し抽出量をミスってしまいました。そして0.5g程度の粉寒天を溶かす予定だったのですが、仕方ないので、ひとつまみの粉寒天を溶かし込んで冷やしました。
それぞれ扇風機の前において粗熱を取って、冷蔵庫に入れます。このとき、アガーはもうほとんど固まっていました。常温凝固は本当でした、恐るべき。1時間20分程度冷やした時点で冷蔵庫から取り出します。
アガー1gで作った方は、逆さにしようとした瞬間ドロっと出てきてしまいいました。2gは落ちてきません。
コーヒーアガーを食べる
まず1gのアガーで作ったコーヒーアガーを食べます。形をなしていない部分は、ほとんど液体でかろうじて固まっている程度で、食感的にはかなり良い感じ。しかもゼラチンのときより良い感じがします。気のせいかもしれませんけれど。かろうじて固まった表面の部分を食べてみると、こちらは表面に薄い膜ができていて、食感はイマイチでした。なんというか、オブラートを食べている感じです。
しっかり固まっている2gのほうはどうかというと、こちらもスプーンですくい上げると表面に膜ができていて、その部分だけ食感がよくありませんでしたが、中身は意外とクリアーというか、凝固感は低めで、でもちゃんと固まっています。食感はゼラチンよりも寒天寄りで、ボロっとしているのは少々いただけませんが、露骨ではありません。
と、ここでついでに作っていたリベンジのコーヒー寒天も食べてみましたが、2gのアガーで作ったコーヒーアガーと食感はほぼ一緒で、表面に食感の悪い膜も張っていて、分量次第ではアガーでも寒天でもどちらを使用しても大差ない事がわかりました。これは少々がっかり。
感想・考察など
2gのアガーで作ったコーヒーアガーの食感はおもったよりも悪くありませんでしたが、やはり表面の膜がネックなのと、寒天よりのボロっとした食感なのが気になります。1gのアガーで作ったものは半液体のような感じでしたが、やはり時間が経過するとゼラチンで作ったときと同様に、段々液状化してしましました。
さて、ここまで3種類の材料を試してコーヒーデザートを試してみましたが、個人の好みにもよるとは思いますが、ゼラチン、寒天、アガーのうち、コーヒーデザートに用いるならばゼラチンが一番ふさわしいように思います。ですので、もうちょっとゼラチンで良い塩梅の凝固っぷりをいつか攻めてみたいと思います。
さいごに
特に目新しい発見もなかったのであっさりとアガー編を終わらせてしまいましたが、総合的には良い結果を出せたとは言い難いですね。とりあえずゼラチンで、標準の使用量よりも少なめでコーヒーゼリーを作ると幸せになれるかもしれない、その程度に留めておきたいと思います。