同じコーヒー豆で作ったロングブラックとアメリカーノを飲み比べる
- エスプレッソ
- エスプレッソの抽出
エスプレッソをお湯で割った飲み物である、ロングブラックとアメリカーノ。ほとんど一緒な2つの飲み物の違いってなんでしょうか。
ロングブラックとアメリカーノは何が違うのか
ドリップコーヒーを扱わないお店で提供されるドリップコーヒー風の飲み物である、エスプレッソとお湯を組み合わせたアノ飲み物。お店によっては”ロングブラック”と呼ぶこともあれば、アメリカーノと呼ぶこともあります。前々から、その呼び方の違いは一体何なのか気になってました。
少し調べてみると、ロングブラックはオーストラリアやニュージーランドの生まれの飲み物で、カップに注いだお湯にエスプレッソを加えて作る飲み物だそうです。一方のアメリカーノはヨーロッパ生まれで、エスプレッソを注いだカップにお湯を加えるそう。つまり、お湯のエスプレッソ割りか、エスプレッソのお湯割りかというくらいの違いらしいです。
お湯とエスプレッソの加える順番が違うだけなので、結局どっちも一緒なのでは?と思うのですが、どうやら順番が違うだけで味も変わるらしいのです。今回はその点、飲み比べて比較してみたいと思います。
コーヒーを淹れる条件
今回淹れたコーヒーは、以下の条件のもと抽出しています。
- 使用したコーヒー豆:グアテマラ エル・モリート
- 焙煎度:フレンチローストぐらい
- コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):1
- エスプレッソマシン:デロンギ アクティブ(ECP3220J)
エスプレッソとお湯の比率を決める
ロングブラックとアメリカーノはどちらもエスプレッソとお湯を混ぜ合わせるものですが、その比率は様々なようです。特に決まりはないようですが、おおよそエスプレッソとお湯を1:3程度にするのが一般的なようです。
エスプレッソはダブル(60ml)を使用するのが普通のようなので、その3倍の量のお湯(180ml)でロングブラックとアメリカーノを作ります。ロングブラックとアメリカーノでは比率が違うという話もあるようですが、今回は順番が違うと味にどの程度差がでるのかというところを見れれば良いので、その点は考慮しないことにします。
コーヒー豆はギットギトになるまで深煎りされたグアテマラのスペシャルティーコーヒーを使用します。
このスプーン2杯分(約12g)のコーヒー豆を使用して、ダブルのエスプレッソを抽出します。本来ダブルを抽出するコーヒー豆の量よりちょっと少ないのはキャパの問題。
ロングブラックとアメリカーノを作って飲み比べる
お湯を沸かして、エスプレッソマシンの電源を入れて、コーヒー豆を細挽きにしてタンピングしたら、エスプレッソを抽出します。手持ちのエスプレッソカップは1つの容量がだいたい75mlほどなので、2つのエスプレッソをカップに半分弱ほどまでエスプレッソを抽出します。先にアメリカーノを作ります。エスプレッソを抽出したらタンブラーに投入し、沸いているお湯を180ml注いだら完成。
すかさず、ロングブラックに着手。タンピングし直して、同じ要領でエスプレッソを抽出。適量が抽出できたらタンブラーに180mlのお湯を注いで、そこにエスプレッソをドバっと投入。
できたコーヒーがこちら。左がアメリカーノ、右がロングブラック。
前調査ではロングブラックのほうがクレマが残るって話だったのですが、むしろ先に作ったアメリカーノのほうがその名残を感じる・・・。少なくともエスプレッソだった頃(過去形)にはどちらもクレマがしっかりとあったはずなのですが、どこに行ったんですかねえ。
ともかく、素人仕事ですがロングブラックとアメリカーノが出来たので飲み比べ。まず、アメリカーノから。飲むと、まず熱い。沸きたてのお湯を使って、かつ真空二重構造のタンブラーに注いだので、冷めていなくてとても熱い。冷ましながらズルズルと飲むと、エスプレッソと言うよりもハンドドリップのコーヒーっぽい。お湯割りだからか、微妙に水っぽさがあるように感じますが、普通にハンドドリップしたコーヒーと香りやクリーミーさ、甘さが似ています。濃度は思ったより濃いですが、20gのコーヒー豆で130mlのコーヒーを淹れるほどではないように感じます。
次にロングブラック。口をつけると、熱い。こっちのが後に淹れたのでなお熱い。熱くて味が良くわからないのですが、ファーストインプレッションではこちらのほうが薄味に感じます。ですが、頑張って冷まして飲んでいるうちに、コチラのほうが味が濃く感じるようになってきて、適温になる頃には完全にロングブラックのほうが濃い味に感じるようになりました。
今回の結果
今回の結果をまとめると、以下のようになります。
- 同じコーヒー豆、同じ分量でロングブラックとアメリカーノを作って飲み比べると、ロングブラックのほうが濃い目の味わいに感じる
考察・感想
と、書いてみましたが、正直なところを言うとロングブラックでもアメリカーノでもどっちでも良いと思いました。確かにロングブラックのほうが濃い目でしたが、劇的に違うわけでもありませんし、これがもし外のお店でテイクアウトしたものだったら、歩いているうちに中身が混ざって結局どっちも変わらなそうだなー、なんて思いました。
肉まんか豚まんかくらいの違い、と言うとどうでしょうか。ロングブラックとアメリカーノでは味が変わるので例えとしては微妙ですが、両方のコーヒーをスプーンで混ぜたらもう呼び方の違い以外残らないんじゃないでしょうか。そのくらい脆い違いのように感じます。いや、寿司をシャリを下にして口に入れるか、ネタを下にして口に入れるかの違いのほうがしっくりくるかも。
わかったことは、今後コーヒーのお店を訪れた時、メニューにあるのがロングブラックでもアメリカーノでも、気にすることなく注文して良いということです。ロングブラック至上主義、アメリカーノ原理主義など、宗教上の理由がなければ。
さいごに
今回はじめてロングブラックとアメリカーノを作ってみて、飲み比べて、比較出来たのは良い経験だったと思います。お店じゃ同じコーヒー豆を使ったロングブラックとアメリカーノの飲み比べなんて中々出来ないですからね。ただ、エスプレッソの抽出の素人が、家庭用の安価なエスプレッソマシンを使用しての抽出だったので、プロが抽出したエスプレッソを使って飲み比べもしてみたいなあ、なんて思わなくもないです。