コーヒーをチタンのマグカップに注いでも味に影響は与えない?
- コーヒーの抽出
- コーヒーの保温
チタンのカップはコーヒーの味を変える?
最近キャンプ用品店で、ちょうどよいサイズ感のチタンのマグカップを見つけました。キャンプ用には既にスノーピークのチタンマグがあるので、特に新しいカップが欲しかったわけではないのですが、サイズ感がすごくど真ん中ストレートだったので、家に帰ってすぐポチりました(その場では買わないっていう)。ちなみに、既に持っているマグカップのただサイズ違いのものです。
で、購入して早々にチタンマグでコーヒーを何度か嗜んでいたのですが、ある時ふと、チタンだとコーヒーの味変わっちゃうかな?という考えが頭を過りました。これまでにもコーヒーを水筒に入れて保存したときの味の変化などについて検証してきて、ステンレスの場合だと材質による(他にも色々要素はあると思いますが)ニオイ移りがあるという懸念があるので、チタンにおいてもそれがあるのではないか、と考えたわけです。
チタンへの疑念を解消するのは、飲み比べてしまうのが簡単です。今回は、普段使用している陶器のコーヒーカップとチタン製のカップで同じコーヒーを飲み比べて、チタン独特のニオイ移りなどが無いかどうかについて検証してみたいと思います。
コーヒーを淹れる条件
今回淹れたコーヒーは、以下の条件のもと抽出しています。
- 使用したコーヒー豆:グアテマラ ブエナビスタ
- 焙煎度:フルシティローストぐらい
- コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
- ドリッパー:ハリオ V60透過ドリッパー01(ガラス)
- コーヒーポット:ユキワ M-5
- フィルター:ハリオ V60ペーパーフィルター01W(ホワイト)
- 秤:ハリオ ドリップスケール
- 豆の使用量:27g
- お湯の温度:約88℃
- 蒸らし時間:20秒
- 抽出量:270ml
コーヒーをドリップして2つのカップに注ぐ
今回使用するコーヒーカップは、普段私が使用している、どこにでもあるような陶器のコーヒーカップと、スノーピークのチタンマグの2つです。
アウトドアでおなじみ、スノーピークのチタンマグ。容量は220ml。このサイズ感がたまりません。
2杯分のコーヒーをドリップします。コーヒー豆は深煎りのグアテマラを使用。基本的に1杯分しかドリップしないので分量をどうしようか少し迷いましたが、カップの材質以外の条件が一緒なら良いので、とりあえず27gのコーヒー豆を中挽きにして、270mlほど抽出することにしました。
コーヒーをドリップしたら、保温しておいた各カップにコーヒーを同じ量だけ注いで、すぐには飲まずに15分放置します。すぐ飲んでも、味に違いはでないでしょうし。
2つのカップを同じ場所に置いて、15分間待ちます。ちなみに部屋は冷房付きで涼しめです。
セットしておいたタ15分のイマーが鳴ったら、まず温度を測ります。すると、チタンマグのほうは51℃、陶器のカップは47℃となりました。チタンマグはお湯を注ぐと表面がすぐに熱くなるため、熱が逃げやすいのかな?なんて考えていましたが、むしろ陶器よりもチタンのほうが保温性が高いようです。
チタンと陶器のカップに注いだコーヒーを飲み比べる
温度を測り終えたら、陶器のカップに入ったコーヒーからテイスティングします。ひとくち口に含むと、コクのある強い苦味が口に広がります。ビターチョコレート系。飲み込んだあとも、余韻が長く後を引いてきます。もうちょっと浅煎りだとどうなるか気になるコーヒーです。
対して、チタンマグのコーヒー。飲むと、当然ですがやはりこちらのほうが温かい。そして味は・・・特に違いを感じません。金属臭さはなく、陶器のカップのコーヒーと同じです。厳密には温度が違うので微妙に違いますが、変な臭さは感じられません。
更に冷まして飲み比べましたが、やはり印象は変わらず。ただ、時間が経ってもチタンのほうがやっぱり少しだけ温かいままでした。
考察・感想
単純な飲み比べをしただけですが、チタンへの疑念は払拭できました。今後は気兼ねなく、チタンマグでコーヒーを楽しむことができそうです。また、チタンのほうが保温性が高いことも分かったので、寒い日にはチタンマグでコーヒーを飲む、という使い分けもできそうです。保温は真空断熱タンブラーの十八番ですが、ステンレスという材質や、高温で長時間保温したときの酸化速度の懸念があるので、飲み物を温かく保ちたいなら真空断熱タンブラーではなくチタンマグ、という選択肢があっても良いかとは思います。
ただ、前述の通り、温度が高い状態で放置するとコーヒーの味の劣化が早くなる可能性があります。これはコーヒーを水筒に入れて保存した検証などを踏まえてそう考えていますが、少し違う点があるとすれば、チタンマグはあくまで陶器のカップと比較すると自然に温度が下がる速度が少し遅いと言った程度で、ずっと高温を維持できるわけではないという点です。つまり、今回のチタンマグにおいては、自然な範囲で高めの保温状態を維持するので、味の劣化という点についてあまり神経質にならなくても良いのではないかと考えいています。逆を言えば、保温効果もその程度の差、ということになってしまいますが・・・。
チタンは優れていると思いますが、やはり家では陶器のコーヒーカップを使用するので、チタンマグは外で使うことが主になるでしょう。軽いし丈夫なので、キャンプでコーヒーを楽しむ人や、会社にカップを持参する人にはうってつけかと思います。飲み物もコーヒーに限らず活躍するでしょう。ただ、飲み物の温度がダイレクトにボディに伝わるので、熱い飲み物を入れるときは注意が必要です(ハンドルを持てば大丈夫です)。
・・・結構久しぶりに、こういうスタンダードなコーヒーの飲み比べをやった気がします。最近はアレコレ買ったりして、ちょっとはしゃぎすぎてましたかね・・・。ほんの少しだけ、初心に帰った気持ちです。