コーヒー豆の粗さと、抽出後のコーヒー味の関係 その2
- コーヒー豆
- コーヒー豆の粗さと味わい
今週は新しい豆を購入してきたので、比較検証をします。初心に帰って、豆の荒さによる味の違いについて検証していきます。
はじめに
コーヒー豆の荒さの違いによる味の比較の検証は2回目となりますが、1回目はいつやったかなーと遡って見てみたら、去年の5月中頃でした。およそ10ヶ月ぶりの2回目です。コーヒーを一度に大量に摂取できないことや、一度のサンプリングで結論づけるのはあり得ないと思い、1回目と銘打つことにしていますが、ここまで期間が空くとちょっと側から見て印象は良くないのかな?とも思ってしまいます。でも、ネタを考えているとちょこちょこやりたいことが出てくるので、結局なかなか2回目にたどり着かないんですよね。仕方ないね。
前回から期間も空いたため、180度違うことを書いていく可能性もありますが、ここは前回の記事はあえて確認しないで書いていきたいと思います。そっちのほうがどちらに転んでも面白そうですし。
条件
今回の検証は以下の条件下で行いました。
- 使用したコーヒー豆:ブラジル フレイタス農園
- 焙煎度:フルシティローストぐらい
- コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):3・5・7
- ドリッパー1:カリタ ウェーブドリッパー185(ステンレス)
- フィルター:カリタ ウェーブフィルター185 ホワイト
- 秤:ハリオ ドリップスケール
- 豆の使用量:20g
- お湯の温度:94℃
- 抽出量:120cc
ミルのメモリが3のとき
今回はミルのメモリが3・5・7・のときの3パターンで飲み比べを行います。豆の引き具合以外は全て同じ条件です。そして3週連続でロト101用のフィルターを買い忘れたので、ウェーブドリッパーでコーヒーの抽出を行いました。わかってはいたんですが、いつも使ってるやつはなかなか売ってないんですよね・・・。
まず、ナイスカットミルのメモリを3に合わせてコーヒー豆を挽き、抽出します。
1回目のときも写真を撮影していたので、今回も撮影しておきます。豆が荒くなった時、この色合いが変われば面白いですが、果たして。ピンボケはご愛嬌。
カップに移し替えて、飲みます。口当たりは滑らかな印象で、全力で苦味を感じます。酸味は舌先に来るか・・っ!?と一瞬感じますが、きません。苦さ一辺倒です。ワインを感じさせるような香りというか、雰囲気を感じます。ちょっと時間をおいて、冷めた時に飲んでみると、酸味が若干感じられました。
ミルのメモリが5のとき
次に、ミルのメモリを5に変えてコーヒー豆を挽きます。そして抽出。
色合いはどうでしょうか。変わったかな?写真の色合いが若干違うのが痛い。
味は、根本的な部分は変わらず、苦味が全体を支配しているように感じますが、一口目のインパンクトのようなものが、メモリが3の時と比べてかなり弱く感じられました。やはり、全体的に薄くなったのでしょうか。
ミルのメモリが7のとき
最後は、7のメモリに合わせてコーヒー豆を挽き、抽出します。
メモリが5のときもそうですが、私のほっそい腕が写っています。3の時は写っていないので、色合いは薄くなってきているのかも。見た目じゃちょっとわかりませんが。
飲むと、メモリが5のときのコーヒーよりもさらに薄く感じました。そして、苦味しか感じなかったものが酸味が感じられるようになり、苦味系から苦味と酸味のバランス系のコーヒーという印象に変貌しました。別のコーヒー豆を挽いて飲んでいるような気分です。
今回の結果
今回の結果をまとめると、以下のようになります。
- コーヒー豆を挽く荒さによって、コーヒーの味わいは変化する
- コーヒー豆を荒く挽くほど、コーヒーの成分は溶け出しにくくなる可能性がある
- コーヒー豆の酸味の成分は、苦味よりも溶け出しやすい可能性がある
考察など
ミルのメモリ7で挽いたコーヒーは3と5で挽いたものとは違った印象を受け、特に酸味を感じました。これについては、この結果だけを受け止めるなら「コーヒー豆を荒く挽くほど、酸味が多く抽出される」と書いたかもしれませんが、今までの経験上、コーヒー豆の成分は細挽きであるほど、つまり、挽かれたコーヒー豆の表面積が大きいほどお湯に触れる面積も多くなり、結果的に多くのコーヒーの成分が抽出されているものと考えており、それが正しいとした場合、細引きでも酸味はちゃんと抽出されるはずです。つまり、荒挽きのほうが抽出できるコーヒーの成分が少ないはずなのに、酸味ばっかり過度に抽出されるというのはあり得ない、と考えています。
そうなると、なぜ粗挽きのコーヒー豆を使用して抽出されたコーヒーは酸味が強く感じられたのかという点について考えられるのが、全体的に薄くなって苦味が抽出されなくなった結果、酸味が感じられるようになったという事です。そう考えて見えて来るのが、酸味は苦味よりもお湯に溶け出しやすい可能性があるという点です。もし、コーヒー豆が粗挽きであることによって全体的な成分の抽出が抑制されたのであれば、ただ、薄くなったという印象になってそれまでのはずです。しかし、今回、薄くなったという印象に加えて、酸味が強調されていた印象も受けました。つまり、酸味の方がお湯に溶け出しやすいということが考えられます。
しかし、酸味の方が溶け出しやすいのであれば、メモリが3や5のときも酸味を感じるはずでは?とも思います。これについては、酸味が先にお湯に溶けて、苦味がどこまでそれをカバーしたか、という結果に過ぎないと考えていて、つまり、単純に酸味成分は苦味成分に上書きされてしまっているということです。何か説得力のある材料はないかなと思ってふと頭をよぎったのがアイスコーヒーです。アイスコーヒー用の豆は基本深入りです。これは暗黙の了解でそうしているだけかもしれませんが、恐らく、苦味は温度が下がると感じにくくなるため、深入りにすることで苦味を無理に際立たせているのでしょう。今回、冷めた時に酸味を感じたと書きましたが、つまりはそういうことで、冷めて苦味が感じにくくなったことで、カバーされていた酸味が出てきたということでしょう。つまり、酸味は荒さに関係なく溶け出していて、あとは苦味をはじめとするその他の成分がどれだけ出るかで、印象が変わるのでしょう。すなわち、コーヒー豆を荒く挽くと酸味が強くなるというのは、正しいとは言えないと思います。
さいごに
あくまで個人的な意見ですが、思わず良い結果というか着眼点というか、ここまで書いて今回の検証をして正解だったなと感じました。でもおんなじようなことはやっぱりどこかのタイミングで書いたような気もしています。今はあえてコーヒーの成分とか、なんというか科学的な部分に迫る書籍や情報を仕入れることはしていませんが、そろそろ外部の知識を取り入れていって、一つ上のステップに行くべきでしょうか。
しかし、今回の件が正しいとすれば、巷のコーヒーの入れ方の本はほとんど当てにならないと思うので(基本的に根拠が載ってませんし)、情報の取捨選択も必要になってきそうで、本当のコーヒーの姿を知るための道のりはまだまだ長そうです。