コーヒー豆の粗さと、抽出後のコーヒー味の関係 その1
- コーヒー豆
- コーヒー豆の粗さと味わい
以前、カリタのナイスカットミルの挽き具合には8段階(数字の間を入れれば15段階)の設定がある事を書きました。
今回は、その中からいくつか抜粋して、挽き具合によるコーヒーの味の変化を検証してみました。
条件
今回の検証は以下の条件下で行いました。
- 使用したコーヒー豆:パナマ・サンセバスチャン農園
- 焙煎度:シティローストぐらい
- コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):1・3・4・5・8
- ドリッパー:カリタ ロトブラウン102(陶器)
- 豆の使用量:20g
- お湯の温度:96℃
- 蒸らしに使用したお湯の量:ミルのメモリが1・3・4・5のとき22cc、8のとき17cc
- 抽出量:120cc
ミルのメモリが1のとき
手始めにナイスカットミルで一番細かく挽く事ができる粗さから。蒸らしの時点でお湯が全く抜けず、120ccを抽出するまでポタポタと点滴でおよそ5分。
味わいは、苦味がガッツリ出ています。今回使用した豆は結構、酸味が強い系の豆なのですが、鳴りを潜めていました。苦く出したい人には良いのかもしれませんが、味も面白みがなく、抽出時間を考えると、ハンドドリップにおいて実用的な粗さではないように感じます。
ミルのメモリが3のとき
次は2のメモリを飛ばして3のメモリ。この粗さであれば、日常的に使用している人もいるのではないでしょうか。ここでは、メモリが1のときより大分苦味が抑えられ、豆自体が元々持っている酸味とのバランスが程よい感じになりました。
しかし、自然なものというよりも、若干”引っ張り出された苦味”といった印象を感じました。
ミルのメモリが4のとき
続いて4のメモリ。私にとってのいわゆるデファクトスタンダードです。3の時よりも口に含んだときの苦味はあまり感じられず、酸味が強く感じられました。しかし、後味は苦味が残る感じです。
私にとっては一番自然な味わいに感じましたが、日常的に4のメモリを使用しているからかもしれません。
ミルのメモリが5のとき
次は5のメモリ。ここもあまり使うメモリではありませんが、中間に近いので検証します。この粗さで抽出すると、4の時よりも更に苦味より酸味を強く感じられましたが、若干薄味になりました。
アメリカンが好きな人は良いかもしれません・・・が、そういう人は抽出量を増やすほうが経済的かも。
ミルのメモリが8のとき
6、7飛ばして最後に8のメモリ。こちらに関しては、流石に粗挽き、蒸らしのお湯をこれまでの量と一緒にするとダバダバ流れ出るので、蒸らしのお湯の量を22ccから17ccで調整。
味わいは・・・かなり、薄い。後味もほぼなくなりました。粗いほど酸味が強く出るイメージだったのですが、粗すぎて逆に酸味も出なくなりました。
今回の結果
- コーヒー豆を細く挽くと、より苦みを感じられる。
- コーヒー豆を粗く挽きすぎると、味全体が薄くなる
今回の検証結果をざっと眺めてみると、分かった事が少ないように感じました。一般的には、細引きほど苦味が出て、粗挽きほど酸味が出るとされていて、苦味に関してはその通りに感じる部分もありましたが、酸味については粗く挽くと酸味が強く出るというよりは、ただ薄くなって苦味が感じ取りにくくなった分、酸味が強く感じられる、といったようにも見ることができます。
これを踏まえて、次回はもう少し粗いメモリを使用した検証が必要になってきそうです。
さいごに
今回は5つのメモリを抜粋して、コーヒー豆の粗さによる味の変化について検証してみました。上では言及しなかったのですが、メモリが4、5、8のときの抽出液は見た目も薄くなっているのがわかりました。前回の記事ではあまり変化を感じなかったので(カメラの角度のせい?)、見た目の変化も確認することできてよかったと思います。
今回、記事の中で蒸らしのお湯の量について少し言及したので、次回は蒸らし時の最適なお湯の量について検証していきたいと思います。