豆を挽いてからの時間経過による味の変化 その1

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コーヒーと時間経過

コーヒーを美味しく飲むには、コーヒー豆は豆の状態で保存して、飲む直前に挽くのがベストと言う話はよく聞きます。それでは、飲むどれくらい前まで挽けばコーヒーを美味しく飲むことが出来るのでしょうか。

はじめに

コーヒー豆の保存についての検証を以前何度か行って、コーヒー豆をコーヒー粉の状態で保存するのはナシ、ということは分かっています。ただ、これは週単位で保存した場合のことなので、もしかしたら挽いた状態でも1日くらいはコーヒー豆の状態で保存したものと変わらないくらい保つかもしれません。そして、コーヒーを淹れる”直前”という部分にちょっと引っかかりを覚えたと言うか、そう言われると疑ってかかりたくなってしまったので、今回検証を行ってみようと思いました。

条件

今回の検証は以下の条件下で行いました。

  • 使用したコーヒー豆:ブラジル ショコラ
  • 焙煎度:フルシティローストぐらい
  • コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
  • ドリッパー:カリタ ロト101(陶器)
  • コーヒーポット:ユキワ M-5
  • フィルター:カリタ カリタ コーヒーフィルター101(ホワイト)
  • 秤:ハリオ ドリップスケール
  • 豆の使用量:20g
  • お湯の温度:約94℃
  • 抽出量:120cc
  • コーヒー豆を挽いてからの時間:3時間、1時間、直前

コーヒー豆を挽く

今回はコーヒーを淹れる3時間前、1時間前、直前の3つのパターンで挽いたコーヒー粉を用意します。ナイスカットミルの4メモリで挽いて、挽いたらキッチンペーパーの上に、山盛りにするのではなくちょっと均して置いておきます。

コーヒー粉

適当に均しておきます。

均したら冬の暖房のない部屋の室温で、3時間、1時間それぞれ置いておきます。コーヒー豆を挽いて置いておくなんてことはしたことがなかったのでこの時初めてわかったのですが、コーヒー粉の匂いの発散具合はすごく、あっという間に部屋はコーヒーの匂いでいっぱいになりました。

時間が経ったらそれぞれコーヒーを淹れます。淹れているとき感じたのが、時間をおいたものほど、お湯を注いだときの泡の膨らみが少なくなっていることです。早速変化が見て取れたので、これからの結果にも期待しつつ、飲み比べをします。

コーヒーを飲み比べる

コーヒー

まずはコーヒーを淹れる直前にコーヒー豆を挽いた、いつも通りの淹れ方のやつを。甘めで酸味のない、コクのある苦味で結構濃い。目を覚ましたいときに効きそうです。次に1時間置いたコーヒー粉で淹れたコーヒー。一口飲んで・・・。こちらは特に変わりがないように感じます。直前に淹れたものと同じ。最後に3時間おいたコーヒー粉で淹れたコーヒー。飲むと、こっちもやっぱり変わりがないように思います。ちょっと時間をおいて、冷ましてから交互に飲んでみて、なんとなく淹れる直前にコーヒー豆を挽いたものに対して3時間・1時間おいたものはクリアさが足りないように感じたくらいでしょうか、大きな変化は感じられませんでした。

今回の結果

今回の結果をまとめると、以下のようになります。

  • コーヒー豆を挽いた状態で数時間おいてもほとんど味に影響は与えない可能性がある

考察・感想

コーヒー粉にお湯を注いだときの膨らみ具合を見たとき、味の方面でもちゃんとした結果が見て取れるだろうなーとワクワクしましたが、そんなことはありませんでした。

コーヒー豆を挽いてから時間が経過したものほどコーヒー粉がよく膨らまなかったのは、単純に考えればコーヒーのガスがその時間分だけ発散されたからだと思います。これは本当にガスが空気中に出ただけで、恐らく味に変化が現れるのはそのもう少し後、ガスを発散して、もしくはするのと同時に空気を吸収する段階になってからなのかなと思います。これは少々前に行った、コーヒーの保存方法による違いの検証の結果から、そのように考えます。

ただ、なんとなくですが、味のキレというか風味というか、コーヒーを淹れる直前に淹れたものと比較して、それぞれの時間放置したものはクリアさに欠ける気がしました。これもまた、前述の検証の結果、つまり粉の状態で保存したコーヒー豆で淹れたコーヒーは余計な匂いを取り込み不味くなるという結果から、気の所為ではなく実際に余計な何かが味のは邪魔をしていたのだと考えています。そう考えると、コーヒー豆のガスが完全に発散された後に外気を吸収するのではなく、ガスの発散と外気の吸収は同時に行われるのだと考えます。

また、今回は変化がいまいち感じられなかった原因としては、冬で湿度が低い事もあげられるかと思います。つまりは、コーヒー粉という湿気取りみたいなものに吸収される湿気自体が少ないせいで、余計な外気をあまり吸収しなかった、という事です。湿気が少ない”せいで”と書いてしまいましたが、もちろん通常は湿気が少ないほうが良いでしょう。逆を返せば、湿度が低い冬の季節は、常温でも、挽いた状態でもコーヒーを長く保存しておける良い季節と言えるかもしれません。

今回は最長で3時間程度の時間しか取れませんでしたが、もう少し長く時間を取ってみればより明確に違いが出る可能性が高いかと思います。次回は5時間とか、その程度の時間を取って同じように検証を行って見たいと思います。

さいごに

冬は寒くて嫌いですが、コーヒーに限らず野菜などは常温に置いておいても腐らせる心配がないのでそういう面では良い季節なのかもしれません。コーヒーの冷める速度は大分早くなってしまいますが・・・。

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