ホワイトラムにコーヒー豆を漬け込んでコーヒーラム酒を作って飲む

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酒とコーヒーの組み合わせを探る

最近唐突にラム酒の”レモンハート”が飲みたくなったので、色々お店を探し回って購入しました。見つけるに至るまでは他のラム酒をいくつか購入して試してみたのですが、どれを飲んでもしっくり来ることがなく、かといって捨てるのももったいないので、少し飲んでそれきりのラム酒をキッチンに転がしておく状態になりました。

その中のひとつにホワイトラムの”バカルディ スペリオール”があるのですが、ラム酒の知識があまりない状態でなんとなく購入したので、ホワイトラムというのが基本的にストレートで飲むよりもカクテルのベースとして利用されるものだとは知らず、そのまま飲んでもあまり美味しくないのでどうしようかと考えたところ、アイリッシュコーヒーの如く、ラム酒とコーヒーと組み合わせてしまおうと思い立ちました。

ただ、タラーっとコーヒーにラム酒をそのまま垂らして飲むのだとちょっと芸がないし、消費に時間がかかりそうだと感じたので、思い切ってラム酒にコーヒー豆をまるっと漬け込んで、コーヒー酒っぽくしてみることにしました。ホワイトラムは透明なので、コーヒー豆を漬け込めばコーヒー色したラム酒になるはずです。

コーヒー豆をラム酒に漬ける

ということで、コーヒーラム酒を作ります。材料は深めに焙煎したコーヒー豆と、ホワイトラム。前述しましたが、今回使用するラムは”バカルディ スペリオール”で、スーパーで割と見かけるラムです。自分は西友で売ってのを買いました。

バカルディ スペリオール

バカルディの小さめの350mlサイズ。

少しストレートで飲んでみましたが、香りは蛋白というか、やはりカクテルベースということもありアッサリとしていました。

コーヒー豆は、もう何年も前に購入して未だに焙煎しきれていないブラジルのどこぞのスペシャルティコーヒー豆を、手網を使って自家焙煎します。焙煎は煙が上がって2ハゼが終える程度まで、油でコーヒー豆がテカテカになるくらいまで行いました。

焙煎したコーヒー豆

焙煎したコーヒー豆。焙煎量は適当です。

焙煎したコーヒー豆を冷ましたら、ホワイトラムに漬け込んでいきます。瓶からラムを適量抜いたら、空いたところに焙煎したコーヒー豆を突っ込んでいきます。コーヒー豆が通る大きさの漏斗があれば楽だったのですが、無かったので手作業で、ときにはボロボロとコーヒー豆を撒き散らしながら頑張って瓶に詰めました。

コーヒー豆を入れたラム酒

ラムにコーヒー豆を漬けたところ。コーヒー豆の割合は瓶の4割くらいでしょうか。

詰めたらできるだけ押し込んでラム酒にコーヒー豆が浸るようにして、フタをして常温で保存します。この時点でどの程度漬け込むかは決めていませんでしたが、とりあえず一週間ほどと決めて、頃合いを見て6日目で味を見てみることにしました。

瓶に入ったコーヒーラム酒

漬けてから6日間経過したコーヒーラム酒。ダークラムと思うくらい真っ黒です。

コーヒー豆を詰めたときは豆がラム酒の上に浮いていましたが、今ではたっぷりラム酒を吸って沈殿しています。蓋を開けて匂いをかぐと、アルコール臭よりもコーヒーの香りの方が強く漂いました。早速、ショットグラスに少し注いで飲んでみます。

6日漬けたコーヒーラム酒を飲む

ショットグラスに入ったコーヒーラム酒

出来上がったコーヒーラム酒。沈んでいるのはコーヒー豆。

改めて香りをかぐと、度数高めのアルコール臭とコーヒーの香りが入り混じったなんとも言えない香りがします。深煎りのコーヒー豆を使用したため、表面には油が浮いていました。

一口飲むと、・・・かなり苦い!ドリップしてコーヒーとして飲むのとは違う感じで、ダイレクトにコーヒー豆の苦さが出ている感じ。高いアルコール度数がそれを助長しているのかもしれません。香りの時点だとコーヒーの香ばしく甘い香りなのですが、口に入れると途端に苦味とアルコールが牙を向いてくるような、そんなコーヒーラム酒に仕上がりました。

正直、コーヒーの苦味がキツすぎて美味しくは無いです。コーヒーの味がしっかりとラム酒に移る状態より、コーヒーが香るくらいに留めるのが良いのではないかと感じました。

さて、コーヒーラム酒はちょっとやりすぎな味になりましたが、まだ試すべきことがあります。そう、ラム酒を吸ったコーヒー豆でコーヒーをドリップするとどんなコーヒーになるかです。瓶をひっくり返してコーヒー豆を取り出します。取り出したコーヒー豆は真っ黒で、ラム酒に浸っていたこともあり指で簡単に割れるくらいフニャフニャでした。

ラム酒の瓶に入ったコーヒー豆

ラム酒に漬かって真っ黒になったコーヒー豆。

次にラム酒で濡れたコーヒー豆を乾燥させますが、直火で炙ると焙煎が進みそうなので、エアオーブンを使って乾燥させます。揺すってカラカラと音がなるくらいまで乾燥させたら、適量取って中挽きで挽いてコーヒーをドリップすることにします。

ラム酒に漬けたコーヒー豆

乾燥させたラム酒漬けコーヒー豆

表面はちゃんと乾燥させましたが、中がまだ完全に乾燥していないせいか明らかに体積に対して重量が重く、上の写真の量で13gほどありました。また、中挽きの粒度にダイヤルをあわせてコーヒー豆を挽きましたが、湿っているせいか粗挽きになってしまいました。お湯の抜けが想定よりスムーズになってしまいましたが、極端に薄くなるようでもなかったので、そのままハンドドリップでコーヒーを130mlドリップします。

ドリップしたコーヒーは、香りは至って普通のコーヒー。一口飲むと、うん、普通のコーヒー・・・と思わせておいて、奥の方にラム酒のアルコール感が隠れています。ただ思ったよりもおとなしめで、飲んでいてもそれほど違和感がありません。ウイスキー樽でエイジングした、”バレルエイジドコーヒー”をかるーーーくしたような雰囲気です。つまり超無難です。

コーヒーラム酒として、またラム酒コーヒーとして2つの味わいを楽しみましたが、総評としてはまあ想像を超えなかったというところでしょうか。もっと美味しく楽しめるポテンシャルがあると思いますが、そのためにはもう少し試行錯誤が必要だと感じました。

感想・考察

結果としてはちょっとイマイチでしたが、まだまだ発展の余地のあるジャンルかなあと思いました。まず、もっと短期間の漬け込みにするべきだと感じました。酒に成分を溶け込ませるというのもあって、結構時間かけたほうが良いだろうな〜と思っていて、1週間でも短いかな?と考えていましたが、全然そんなことありませんでした。

もしくは、もっと浅煎りのコーヒー豆を使うべきでした。というか多分、コーヒーの味を染み込ませるという考えよりも、香りを適度に移すというスタンスで、浅煎りのモカとか香りが良く苦味が少なめのコーヒー豆を、長期間じっくり漬け込んであげたりすると、もっとバランス良く美味しいコーヒーラム酒になると思います。少なくとも、今回のよりはマシになるかと。

また、漬け込んだコーヒー豆でのコーヒーのドリップも、もっと探求の余地がありそうです。今回行った限り、ラム酒から取り出したあと如何に水分を飛ばして乾燥させるかが課題だと感じましたが、それをクリアすれば色んな酒に漬け込んで、色んな風味のコーヒーを自在に作ることが可能になるかもしれません。いや、酒に限らずあらゆる飲み物に対応できるかもしれません。

バレルエイジドコーヒーがウイスキー樽に生豆を貯蔵していることを考えると、生豆の時点できっちり漬け込んで、乾燥させて焙煎したほうが良いかもしれません。生豆の緑臭さを考えるとこの場合、溶媒は美味しく味わえなくなると思いますが。漬け込みコーヒー、まだまだできることがありそうで、色々想像が膨らみます。

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