コーヒーの温度によって、味は違ってくる? その2
- コーヒーの抽出
- コーヒーの温度と味わい
久しぶりに、コーヒーの温度の違いによって味の違いはあるのか?という点についての検証を行いたいと思います。
はじめに
過去に1回だけしかやっていない検証の続きを消化していこうと思い、サラーッと過去の投稿を眺めているとこのテーマの1回目が目につきました。この検証の1回目の日付を見てみると、既に1年以上も前。今やらないともうしばらくやらないだろうなあと思ったので、内容を軽く確認しつつ、続きを行うことに決めました。
1回目で配慮が足りていなかった部分を踏まえつつ、2回目スタートです。
条件
今回の検証は以下の条件下で行いました。
- 使用したコーヒー豆:インドネシア マンデリン
- 焙煎度:フレンチローストぐらい
- コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):5
- ドリッパー:ハリオ ハリオール・ブライト
- 秤:ハリオ ドリップスケール
- 豆の使用量:17g
- お湯の温度:約99℃
- 蒸らし時間:30秒
- 抽出時間:4分(蒸らし時間含む)
- 抽出量:230cc
検証の準備
まず、1回目の検証の反省点としては、酸味の強いコーヒー豆を使用してしまった、という点です。これによって、酸味は温度による変化は受けない事が分かりましたが、苦味については良く分からないという結果になりました。これを受けて、今回はガッチリ深煎りで苦味十分のコーヒー豆を使用して望みます。
コーヒーオイルで表面がテカテカの深煎りマンデリン。ガッツリ苦く。品質も十分なものを用意しました。
また、前回はウェーブドリッパーを使用し、プアオーバーで3杯のコーヒーを淹れましたが、プアオーバーだとコーヒーを淹れる上での味のブレが大きくなってしまうと思ったので、今回はフレンチプレスを用いてコーヒーを淹れることにしました。
事前の準備が万端になったところで、次は実際にコーヒーを淹れていきます。
フレンチプレスで3杯のコーヒーを淹れる
17gのコーヒー豆を使用して、3杯のコーヒーを淹れていきます。フレンチプレスを使用するので、コーヒー豆は中粗挽き程度で挽きます。コーヒー粉をフレンチプレスに投入し、沸騰している熱々のお湯を半分程度注いだら、きっかり30秒蒸らして残りのお湯を注いでいきます。ビーカーのギリギリまでムラなくお湯を注いだらプランジャーを上げた状態でフタをして、4分になるまで待ちます。
お湯を注いであとは待つだけ。フレンチプレスは手軽で良いですね。
4分経ったらプランジャーを押し下げて、すぐにカップ・・・もといガラス製のタッパーに注ぎます。ガラス製のタッパー使用した理由ですが、フレンチプレスの都合上、一度にそれなりの量が抽出され、かつ味わいの誤差を少なくするためには必ずそれらを一度で注ぎ切る必要があり、その場合に一度に多量のコーヒーを受けきれるカップが無かった為です。
ガラス製のタッパーに注がれたコーヒーはこんな感じです。ちょっと間が抜けて見えますね。
1杯淹れたら、適当に時間を置いて温度が冷めるのを待ちます。事前に温度は決めていなかったので、適度に冷めたら2杯目、また冷めたら3杯目とコーヒーを淹れて、それも少し冷ましたら、コーヒーの抽出は完了です。
飲み比べ
3杯のコーヒーが出揃ったら飲み比べです。フレンチプレスの都合上、微粉なども一緒に抽出されているので、飲む前にスプーンでしっかりとかき混ぜてから飲み比べます。
まずは1番最後に淹れた、一番温度の高いコーヒーから。飲む前に温度を測ると、66℃。プアオーバーで淹れたコーヒーの淹れたての温度ぐらいでしょうか。少し冷ましているので、フレンチプレスの淹れたての場合はもうちょっと温度が高いでしょう。66℃のコーヒーは湯気が立っていて、飲むとアツアツです。味はしっかり苦く、マンデリン独特の土臭いような、香ばしい香りが広がります。
次に2番目に淹れたコーヒー。温度は46℃です。湯気は立っておらず、口に含むとぬるい。味はやっぱり苦く、でも1番温度が高いコーヒーよりも舌先に強く苦味が感じられます。ただ、少々香りは落ち着いているようにも感じます。
最後に1番最初に淹れたコーヒー。温度38℃で、ちょっと冷たく感じます。苦味は更に苦いように感じますが、やはり口に含んだときの香りの広がりは温かいものと比べると劣るように感じました。
今回の結果
今回の結果をまとめると、以下のようになります。
- コーヒーは温度が下がると苦味が増す
- コーヒーは温度が下がると香りが広がりにくくなる可能性がある
考察・感想
じつは今回の検証の結果は、ちょっと予定調和気味です。というのも、1回目のときはまだ知らないことも多くあったので自由に想像力を働かせてアレコレ考察していましたが、それから今回の2回目の間に、このブログ以外を利用してコーヒーや食に関する知識は多少なりとも増えています。そして、人間の舌は食べ物の温度が低いほど苦味を強く感じるように出来ている、という事も知っていました。つまり、今回の結果は当然といえば当然なのです。
結果の部分には”コーヒーは温度が下がると苦味が増す”としましたが、厳密には人間の舌がそう感じているだけなので、正しくはコーヒー自体の性質に変化があるわけでは無いでしょう。そういう意味では正しくは”コーヒーの温度が下がると苦味を強く感じるようになる”とするべきなのですが、この検証だけを切り取って考えると、コーヒーが苦くなるのではなく、舌が苦味を強く感じるようになるんだ!、という風には予想はしても言い切れるレベルにはどう考えてもたどり着かないので、”コーヒーは温度が下がると苦味が増す”とあえて書いています。コーヒーをメインに捉えるか、人体をメインに捉えるかによって、どちらの言い方でも正しいと言えますしね。
ただ、実際に飲み比べてみて細かく分かったこともあり、66℃のコーヒーと46℃のコーヒーの苦味の差よりも、46℃と38℃のコーヒーの苦味の差のほうが大きく感じられました。数字だけで見れば、20℃の差と8℃の差なので20℃の差があるほうが変化も大きいように思いますが、そんな事は無いようです。このことから、温度が低くなるほど、温度の下げ幅あたりの苦味を感じる強さは増していくのではないかと思われます。
香りについてですが、こちらは温度が高いコーヒーのほうが香りが広がるように感じました。これについてはコーヒーの温度が高いことで、冷まそうとして口の中で転がしたり、鼻から息を吐き出したりする事で、そう感じただけなのかな、とも思います。良いコーヒーは冷めても良い香りがするのものですしね。
ざっと書きましたが、今回の結果については個人の舌の問題もあるので、正直あんまり自信が無いです。なので、今回の反省を踏まえて近いうちにもう一度、より温度を下げたものを含めて飲み比べを行いたいと思います。
さいごに
裏で進行しているコーヒーの検証もあるので、そういうのを間にはさみつつですが、今回のように過去にちょっとやって放置している検証にも今後はズンドコ手をつけていきたいと思います。それにしても、過去の自分の書いた文章を見るのはなんだか気恥ずかしいですね。的はずれなことを言っているとなおさらです。