コーヒーにホールスパイスを浮かべれば、スパイシーな香りのコーヒーになる?

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ホールスパイスでコーヒーに香りをつける

コーヒーを飲むこと以外に、毎週末にスパイスカレーを作るというささやかな趣味があるのですが、いつ嗅いでもスパイスの香りは様々で、どれも鮮烈だなあと感じます。コーヒーの香りも”スパイシー”と表現することがあると思いますが、流石にスパイスそのもののほうが香りがハッキリとしています。

そこで考えついたのが、コーヒーにスパイスを突っ込んで飲んだら、好きな風味のスパイシーなコーヒーを飲めるのでは?という発想。コーヒーに意図的にスパイスの香りをつけたら、香りを自在にコントロールして楽しみの幅が増えるんじゃないかと考えました。

今回は試しに手元にある何種類ものスパイスから、手に入りやすいものを3種類ピックアップして試してみたいと思います。スパイスはパウダーのほうが手軽で扱いやすいのですが、ちょっと香りが強くなり過ぎそうな気がするので、今回はホールスパイスを使って、ほんのりと香りを付けることを目指したいと思います。

スパイスは、香りが分かりやすいところから、”カルダモン”、”クローブ”、”スターアニス(八角)”の3種類をチョイスすることにしました。

カルダモン、スターアニス、クローブ

左が八角、右がカルダモン、下がクローブ。スパイスの形も様々です。

カルダモンを浮かべてみる

まずは、カルダモンを使ったスパイスコーヒーを試します。カルダモンは”スパイスの女王”と呼ばれるそうで、とても爽やかな香りがします。スーパーでもよく並んでいる代表的なスパイスと言えるでしょう。

カルダモンをホールでカレーに使うときは、食べる前に鍋から取り除きます。香りがかなり強いので、噛んでしまうとかなりキツイ香りのパンチを食らうことになるからです。逆に言うと、それだけ香りが強いので、コーヒーに浮かべるだけでも香りをつけられる気がします。

次にコーヒーですが、スペシャルティコーヒーしか手元になかったので、あえて安物のレギュラーコーヒーをスーパーで買ってきました。スペシャルティコーヒーだとコーヒー自体の香りが特徴的な場合が多いので、スパイス自体の香りが分かりにくくなりそうだからです。安物なら、特徴が無さそうと踏んだわけです。

レギュラーコーヒー パッケージ

200gで500円くらいのレギュラーコーヒー。スーパーでコーヒー粉を買ったことがなかったので楽しみです。

真空のパッケージを開けてコーヒー粉を13g取り出したら、V60ドリッパーにセットしてコーヒーを普通にハンドドリップします。130mlドリップしたら、割ったカルダモンを1個、トポンとコーヒーに入れます。カルダモンを割って入れるのは、香りが強いのは中の種だからです。

カルダモンを浮かべたコーヒー

カルダモンコーヒー。割った部分が下になっているのでわかりにくいですが、割ってあります。

スパイスを入れてすぐでは香りがコーヒーに移らないと思ったので、香りがカルダモンを浮かべてから1〜2分待ってから飲んでみます。コーヒーは想定よりも酸味が強めで、正直全然美味しくありません。ある意味想定内ですが、嬉しい想定内ではありません・・・。

問題のカルダモンの香りはというと、口に含んだときはカルダモンの爽やかさがほんのりと、飲んだあとに長く余韻として残ります。こちらは思った以上に主張しすぎず、バランスとしては結構良い感じです。ただ、あまり長時間浸すとカルダモンの香りが強くなり過ぎそうな気がします。

スパイスの香り付けの検証としては成功だと思いますが、カルダモンの香りは結構独特なので、嫌いな人も結構多そうな気がします。パクチーとか駄目な人は多分駄目でしょう。ちなみに自分は正直そんなに好きな香りではありませんが、カレーに入る分なら良いと思っています。

クローブをコーヒーに入れてみる

次はクローブを試します。クローブは1つ1つがとても小さいですが、とても強い甘い香りがするので、カルダモン同様にカレーに入れるときは最後に取り出します。これもスーパーのスパイスコーナーを見ると結構置いてあるホールスパイスです。

カルダモンのときと同じ要領でコーヒーをドリップして、クローブを1個・・・だとちょっと香りが弱そうかと思ったので、2個浮かべます。

クローブを浮かべたコーヒー

わかりにくいですが、右上に浮いているのがクローブ。茶柱みたいに立って浮かびました。

2分程待って、一口飲んでみます。こちらはカルダモンに比べると、香りは弱め。少しかき混ぜてみると、少し香りがハッキリとしました。口に含む度、クローブ特有の甘い香りが口の中にほんのりと広がります。

ただ、想定では甘い香りはもっとコーヒーと相性が良いと思ったのですが、あまり一体感は感じられませんでした。同じ甘い香りでも、シナモンとかのほうが合うような気がします。甘い香りにもベクトルがあるんだなぁと感じました。

スターアニス×コーヒー

最後はスターアニス。スターアニスは八角とも呼ばれるスパイスで、主に中華材料として使用されます。1個に八つの実がついているので八角と呼ばれるそうです。ほんのり甘い感じ、かつスーッとした香りで、これは1個丸々使うとおそらく香りが強すぎるので、8つのうち2片だけ割って使います。

これまでと同じ分量のコーヒーをドリップして、スターアニスを浮かべて少し待ちます。

スターアニスを浮かべたコーヒー

スターアニスを浮かべたコーヒー。梅干しの種が浮かんでるみたいなビジュアルです。

香りが立った頃合いを見て、一口。口に含んだ瞬間、一瞬スターアニスの香りが鼻から抜けていきますが、そのあとはすっかり。短距離タイプの香りです。ちょっと薬っぽくなるので、あまりコーヒー向きではない気がします。ただ、あとを引かないので、邪魔になりすぎない感じは良いかと思いました。

感想・考察

3種類のホールスパイスをコーヒーに浮かべて飲んでみましたが、スパイシーなコーヒーを飲みたいなら、もともとスパイシーな香りがするスペシャルティコーヒーを飲むのが一番かなと感じました。悪くはありませんでしたが、やっぱり香りを後付すると一体感に欠ける印象があります。

逆に、安いコーヒーをカスタマイズして美味しく飲むことを目指すのであれば、ホールスパイスを用いた香り付けは有効かもしれません。スパイスの分量が過剰でなければほんのりと香る程度でバランスが取れますし、自分好みの香りがあるなら、それをコーヒーと一緒に楽しめるというのはなかなか魅力的です。自分的にはコーヒー本来の香りが一番とは思いますが。

今回は試しませんでしたが、シナモンなんかはコーヒーと組み合わせるのは定番でしょうか。ホールスパイスはそこら辺のスーパーでも結構手に入るので、どんな風味になるか気になる方は色々試してみると面白いかもしれません。

あと、本筋とは全く関係ないのですが、今回使ってみた真空パックのコーヒー粉が異様にお湯の抜けが悪くてびっくりしました。ドリップ後のペーパーフィルターを見てみると、外側にはぐるっと微粉が泥のように溜まっていたので、どうやら微粉が大量に含まれていたのが原因のようです。ここ数年は手持ちのミルで挽いたコーヒー粉しか見てこなかったので、スーパーで挽いた状態で販売されている粉がここまでひどいとは思いませんでした。

味の面でも、挽く場合の品質の面でも、やっぱりコーヒー豆は専門店で買ったほうが良いですね。

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