コーヒーにおける、コーヒーオイルの味への影響力について その2

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コーヒー豆キラー

前回行ったコーヒーオイルの有無についての検証で新たに生まれた疑問について早速取り掛かります。

はじめに

珍しくすぐ2回目の検証に取り掛かってみます。コーヒーオイルの検証1回目では、コーヒーの微粉の影響力について考えていなかったので、コーヒーオイルと微粉の切り分けを行ってみる、という事を考察に書きました。今回は早速その切り分けを行いたいと思います。

内容としては、フレンチプレスで入れたコーヒーを片方はなるべくコーヒーの微粉が入らないようにカップに注いで、もう片方はたっぷり入るように注ぎ、両者を飲み比べるという単純明快なものです。それでは参りましょう。

条件

今回の検証は以下の条件下で行いました。

  • 使用したコーヒー豆:エチオピア
  • 焙煎度:フルシティローストぐらい
  • コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):6
  • ドリッパー:bodum フレンチプレスコーヒーメーカー
  • 秤:ハリオ ドリップスケール
  • 豆の使用量:20g
  • お湯の温度:94℃
  • 抽出量:250cc

フレンチプレスでコーヒーを抽出して飲む

今回も20gのコーヒー豆を使用し、250ccのコーヒーを抽出します。前回と同じコーヒー豆を使用できないのが残念ですが、こればっかりは仕方がありません。コーヒー豆とお湯をフレンチプレスに注いで4分待ったら棒を押し下げます。ここで、コーヒー中を漂う微粉が少しでも沈殿するであろうという効果を期待して、さらに2分待ちます。合計で6分待ったら、静かに100ccほどカップに注ぎます。注いだら、残りをざーっと違うカップに注いで抽出完了です。

静かにカップに注いだコーヒー

これは静かに微粉がなるべく混じらないように注いだ方。片手で撮影したせいかピンボケしてます。

微粉を多く含んだコーヒー

こっちは残りのほう。こっちの方が明らかに表面に油が見て取れます。そしてピンボケも見てとれます。

飲み比べ。まずは、微粉を混じらないようにした方から。酸味が先に来て、後に苦味が残る系、後に残る香りはチョコとかそっち系のような。時間が経過すると、酸味が強く感じられてまた違った味わいに感じられました。次に後から入れた、微粉が混じってなんぼのコーヒーを飲みます。うーん、味の印象は変わらず。こちらの方がさすがに味が濃い感じはして、舌にほのかにざらつきを感じましたが。明らかにマイルドに感じるとか、スッキリしているとか、そういうことはありませんでした。

そして飲みきる前に、狙い通り微粉が切り分けられたのかを確認するために、カップの底を確認してみます。

静かにカップに注いだコーヒーの底に溜まった微粉

微粉を混じらないようにしたほう。微粉は少ないように見えます。

微粉を多く含んだコーヒーの底面に溜まった微粉

こちらはもう片方のコーヒー。カップが一緒ですが、底面が黒くてわからなかったので移し替えて撮影しています。明らかに黒く、微粉が大量に混じっているのが分かります。このあと、スタッフが美味しくいただきました。

今回の結果

今回の結果をまとめると、以下のようになります。

  • ペーパーフィルターを介さない抽出方法において、微粉の有無は味わいに影響を与えない可能性がある。
  • コーヒーオイルは、コーヒーの味わいをマイルドにする可能性がある。

考察など

とりあえずは、コーヒーオイルと微粉の影響について、ある程度の切り分けが出来たのではないかと思います。ただ、自分の舌の精度の問題もあり、言い切るのは早計だと思うので、機会があれば回数を重ねて見たいと考えています。

前回の検証の結果としては、コーヒーオイルもしくは微粉がコーヒーの味わいをマイルドに、丸く優しい味わいにしてくれるという考えに至りましたが、それと今回の結果を組み合わせると、コーヒーオイルがコーヒーの味わいをマイルドに、丸く優しくしているという可能性が高くなりますが、第三の要因が無いとも限りませんので、微粉の有無は味に影響を及ぼさない、という可能性とコーヒーオイルが味をマイルドにするという可能性、2つを今回の結果としました。

そう考える要因として、ピンボケしてしまいましたが写真を見てもらうとわかるのですが、微粉を混じらないようにカップに注いだものとそうで無いもの、前者の表面にはコーヒーオイルが見受けられず、後者には明らかに見て取れたので、コーヒーオイルによって差が出ていたとするならば、2つの味わいにもっと差を感じても良かったとも考えているためです。そうなると、コーヒーオイルでも、微粉でも無い何者かが暗躍していると考えてもおかしくは無いでしょう。まあ、飲み進めていたら、いつのまにやら微粉が混じらないように注いだコーヒーの表面にもコーヒーオイルがプカプカ浮かんでいたので、ただ表面に無かっただけでコーヒー中には含まれていたようなので、その可能性はかなり低いと考えてはいますが。

でもそこでまた一つ疑問なのが、コーヒーオイルはコーヒーの中に溶け込むことがあるのか?ということです。自分のイメージでは、コーヒーオイルはつまり「油」ですから、なんというか浮かんでくるのが普通だと思う訳で、溶け込んでいて表面に出てこないというのはなんとなく違和感を感じます。コーヒーもカップに注いだ時点で60℃くらいがいいところなので、油の融点というか、そういう周りの液体に馴染む温度が何度かは知りませんが、仮に油が温度によって馴染むとしても、コーヒーの温度程度で馴染むとは思えません。

ちょっと今調べて見たら、乳化という言葉が目に入ってきてハッとしました。コーヒーオイルが乳化してコーヒーと混じり合っていたなら、なんとなく油が表面に見られなかった理由にも納得が行きます。でもそうなると今度は、なぜ先にカップに注いだ方だけ乳化していたか、という点が問題になってきます。仮説を立てるとすると、コーヒーオイルは表面とコーヒー中に乳化している分があり、静かに注いだ時に表面の油はカップに注がれず、後からザーッとカップに注いだ方には表面の油が混じったため、静かに注いだ方はコーヒーオイルが含まれていないように見えたとか。表面に浮いているからかならず先に注がれる、という事もないですし。

さいごに

さらに疑問が生まれましたが、今回の疑問を解決するのは難しそうです。フレンチプレスで注ぎ方の勢いを検証すればいけるかな?

それと、今回は写真がどれもこれもピンボケになってしまったので、横着して片手で写真を撮影するのはやめようと、これ反省しました。ちなみにもう片方の手は上から照明を当ててます。こっちは今度から固定して使用するようにします。はい。

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