コーヒーをカカオニブと一緒にドリップ。チョコレート風味をプラスする

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カカオニブとコーヒー

かなり前になりますが、コーヒーをドリップするとき、コーヒー粉の中にカカオニブを混ぜてコーヒーをドリップするという方法があるというのを見たことがありました。そのときは美味しくなるかどうかも知りませんでしたし、そういう方法もあるんだなあ程度に見ていましたが、最近、たまに行くお店でカカオニブが売っているのを見つけて、ふとその記憶が呼び起こされ、コーヒーと一緒にドリップしたらどんな味がするのか興味がわいたので衝動的にカカオニブを購入してしまいました。

そもそもカカオニブとはなんぞや?という話ですが、カカオニブとは醗酵させて焙煎したカカオ豆を砕いたもののことで、要するにカカオ豆そのものです。カカオ豆はチョコレートの原料でお馴染みですね。ただ、ほとんど加工していないカカオ豆をそのまま食べるということは、日本で普通に生活していると殆どないと思います。

カカオニブはスーパーフードと呼ばれるくらい栄養価の高い食品で、フルーツと一緒に食べたり、シリアルと混ぜて食べたり、アイスクリームにかけて食べたりするそうです。普段から健康にはそこそこ気を使っているので栄養云々についてはあまり興味がありませんが・・・。重要なのは味です。チョコレートとコーヒーは基本的に相性が良いですし、そのチョコレートの原料であるカカオ豆とコーヒーの組み合わせだと相性はいったいどうなのでしょうか。

カカオニブだけ食べてみる

コーヒーとカカオニブを一緒にドリップする前に、まずはカカオニブだけ食べてみたいと思います。今回買ってきたのは、50gで500円のカカオニブ。通販でのカカオニブの売価をざっと見た感じだと、お高い部類に入るもののようです。

パッケージを開けると、チョコレートの香りが広がりました。ああ、チョコレートってカカオなんですね、本当に。

白い皿に乗ったカカオニブ

袋から出したカカオニブ。これで小さじ2杯分(10g)です。

白い皿に乗ったコーヒー豆とカカオニブ

コーヒー豆と並べてみます。比較すると、カカオニブは砕かれていますが、まだ粒一つ一つは大きいようです。

カカオニブを一欠片、摘んで食べてみます。口に含むとチョコレートを食べたときの香りが広がり、噛むとサクサクとします。砕いたピーナッツに食感が近いでしょうか、もっと硬いのを想像していましたが、全然固硬くありません。味はほんのり苦い程度で、そのままでも全然食べられますが、あまり美味しいとは言えないでしょう。

カカオニブと一緒にコーヒーをドリップする

カカオニブを味わったところで、早速コーヒーと一緒にドリップしてみます。ただ、そのままだとカカオニブの粒が大きすぎるので、適当に砕いて更に細かくします。ミルで一緒に挽くとミルの中にカカオニブが残るのが嫌だったので、手で潰して細かくします。

砕いたカカオニブ

計量スプーンのウラで潰しました。それほど硬くないので、あまり力を込めなくても砕くことができます。

適当に細かくしたカカオニブは、ドリッパーに入った中挽きのコーヒー豆の上にのせます。ちゃんとカカオニブの成分が抽出されるように、混ぜずに表面にパラッと撒くスタイルで。コーヒー豆は酸味系のほうが味の比較がしやすいと思ったので、ケニアのキアンヤンギの浅煎りのものを15g使用します。

V60ドリッパーに入ったカカオニブ

V60ドリッパーにコーヒー粉を入れて、その上にカカオニブを乗せたところ。量が多すぎたか、表面がカカオニブで埋まってしまいました。

あとは88℃のお湯で120mlのコーヒーをドリップ。蒸らしのためにお湯を注ぐと、カカオの香りが立ち上ります。ドリップしたら今度はカカオニブを入れずに同じコーヒー豆で同量のコーヒーをドリップして、カカオニブありとなしのコーヒーを飲み比べます。

まずは、カカオニブを加えていないストレートのケニアのコーヒー。ほどほどに苦味があって、明るい酸味が特徴的で、後味はスッキリしています。ケニアのコーヒーは飽きないというか、定期的に飲みたくなります。

次に、カカオニブと一緒にドリップしたコーヒー。鼻を近づけると、カカオの香りがします。口に含むと、やはりカカオの香りが広がります。すぐ酸味も感じられますが、ストレートのものと比べてスッキリさに欠ける感じ。渋みが増したように感じます。全体的に軽さが抜けて、重くなった印象です。カカオニブの香りはしっかり感じられますが、相性が良いかというとイマイチ。ケニアのコーヒーの本来の良さを奪ってしまっています。

酸味のあるコーヒーのほうが違いがわかるかと思ってのケニアのチョイスでしたが、逆でした。カカオニブを入れるなら、同系統の、チョコレート系のコーヒー豆と合わせたほうが良さそうです。

考察・感想

カカオニブを初めて味わいましたが、想像よりもカリカリと軽い食感で風味が豊かでした。チョコレートのあの香りは、カカオ豆の香りなんだということが実感できました。コーヒー粉と砕いたカカオニブでドリップしたコーヒーは、確かにチョコレートの風味を感じることができましたが、合わせるコーヒー豆をある程度選びそうです。少なくとも酸味系のコーヒー豆との相性は良くないように感じました。

結局、カカオニブを入れるとコーヒーは美味しくなるのか、というところですが、合わせるコーヒー豆によると感じました。ケニアのコーヒーには合うとは思いませんでしたが、恐らく風味の曖昧な安いコーヒー豆に加える分なら、コーヒーの味わいをグレードアップさせるんじゃないでしょうか。また、チョコレートの香りが強くなるため、軽い酸味系のコーヒーよりどっしりとした苦味系のコーヒーのほうが相性が良いように思いました。

また、vカカオニブを摂取する場合、健康効果を期待する場合が一般的かと思いますが、ドリップだとカカオニブの成分をきっちり摂取できているかわからないですね・・・。普通に考えればそのまま食べてしまったほうが100%栄養を摂取できるはずですし、健康効果を期待するなら食べたほうが良いでしょう。今回自分が感じた限りではカカオニブと組み合わせるよりコーヒー単体でドリップして飲んだほうが美味しかったことも踏まえると、栄養面・味覚面で共にカカオニブとコーヒーを一緒にドリップする理由が無くなってしまいますが・・・。

ただ、ちゃんとチョコレートのような風味のコーヒーがドリップできますし、非常に面白いとは思いました。まだカカオニブが余っているので、次は苦味系のコーヒー豆と組み合わせて飲んでみたいと思います。

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