冬にコーヒーを楽しむために。お湯の温度が低下する早さをチェックする

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  •  お湯の温度変化

寒くなってきて、コーヒーを飲むため沸かしたお湯の温度が下がるのが早くなりました。では一体、どれくらいの早さで温度が下がっていくのでしょうか。

お湯から立ち上る湯気の量が多くなった

最近気がついたのですが、寒くなると、お湯を沸かしたときに出る湯気の量が温かいときよりも多くなりますよね。これは単純に、冬になってお湯の温度よりも外気温が更に低くなったことで、短時間でより多くの水蒸気の温度が下がり、湯気として見えるようになったためかと思います。言わずもがな、寒くなってお湯の温度が下がりやすくなっている、ということですね。

コーヒーを淹れる際に、お湯の温度は重要です。高すぎれば雑味が出るし、低すぎれば味が出ません。適切な温度のお湯でコーヒーを淹れることが大事です。つまり美味しいコーヒーを入れるためには、お湯の温度変化を把握する必要があります。今回は、冬のお湯の温度変化をテーマに、一体どの程度の時間でどのくらい、お湯の温度が下がっていくのかを確かめてみたいと思います。

お湯を沸かす準備をする

まず、お湯を沸かす準備をしましょう。まず水です。蛇口取付型の浄水器を通した水を、とりあえず1リットル用意します。次に温度計。いたって一般的なクッキング温度計を使用します。

温度計

1000円もしないくらいの、至って普通の温度計。できれば精度の高いものが良いのですが・・・。

お湯を沸かすための”やかん”は、日常的に使用している、底の面積が広くお湯の沸きが早いものを使用します。それと、コーヒーを淹れる道具を一式。実際にコーヒーを淹れて、淹れ終えた直後の温度も確認するためです。

コーヒーを淹れるためのお湯を沸かす

お湯を沸かす準備ができたら、室温をチェックします。暖房のないキッチンの室温は14.8℃となっていて、体感的には寒く、部屋着でずっといられる温度ではありません。

寒いので、ちゃっちゃと取り掛かります。1リットルの水をやかんに注いだら、コンロを点火。強火で一気に熱していきます。

コンロの上のやかん

小汚いやかん。やかんってコンロの上に置きっぱなしになるので、どうしても汚くなっちゃいますよね。

そのまま強火で放置していると、やかんがピーピー言い始めるので、笛吹口を開けて音を止めて、フタを開けて温度計を差し込んでお湯の温度を測ります。

温度計がささったやかん

温度計は100℃を示しており、しっかり湧いているのがわかります。

完全に沸騰していることが確認できたら、火を止めてコーヒーポットに注ぎます。やかんのまま冷ますんじゃないの?と思うかもしれませんが、コーヒーを淹れるとき、やかんに入った状態のまま温度を測ってからコーヒーポットにお湯を移し替える人はあんまりいないと思うので(お湯を移した後の温度変化もありますし)、沸騰したら即コーヒーポットにお湯を移します。室温で保管しているコーヒーポットにお湯を移すと、温度はすぐ93.3℃まで下がりました。

お湯を移すのと同時に、ストップウォッチで時間を測り始めます。

90℃以下のお湯が入ったコーヒーポット

沸騰したお湯をコーヒーポットに注いでから1分6秒が経過した時点で、お湯の温度は90℃を切りました。大体いつも88℃を目処としてコーヒーを淹れるのですが、その場合は沸騰したお湯をコーヒーポットに注いで1分少々待てば、温度計でお湯の温度を測らなくてもだいたいその程度の温度になるということですね。ちなみに使用しているコーヒーポットはユキワのM-5コーヒーポットです。

85℃以下のお湯が入ったコーヒーポット

3分19秒を過ぎたところで、お湯の温度は85℃を切りました。お湯自体の温度が下がってきているせいか、温度の低下スピードが遅くなったように思います。85℃を下回ると、もうコーヒーを淹れるのには低いお湯の温度です。

80℃以下のお湯が入ったコーヒーポット

6分45秒で、80℃を切りました。もうコーヒーを淹れるには完全に低すぎる温度です。

淹れ終えた直後のコーヒーの温度を測る

お湯の温度の変化をチェックできたので、次はコーヒー自体の温度も測りましょう。一旦コーヒーポットのお湯をやかんに戻して再加熱し、また沸騰させます。沸騰したらお湯をコーヒーポットとコーヒーカップ、コーヒーサーバー(ビーカー)に移し、それぞれを保温します。コーヒーポットのお湯が88℃まで温度が下がったら、コーヒーサーバーのお湯を捨てて、コーヒーを抽出します。

2分30秒ほどかけてコーヒーを淹れたら、コーヒーカップのお湯を捨ててコーヒーを注ぎます。

66.4℃のコーヒー

88℃のお湯で2分30秒かけて淹れたコーヒーは、66.4℃となりました。飲むと、充分に熱く、かといって飲めないほどの熱さでもない、ちょうどよい温度のコーヒーを淹れることが出来ました。

今回の結果

今回の結果をまとめると、以下のようになります。

室温14.8℃のキッチンでお湯を沸騰させ、コーヒーポットに移すと

  • 1分6秒で90℃以下になる
  • 3分19秒で85℃以下になる
  • 6分45秒で80℃以下になる

また、沸騰したお湯で保温したコーヒーカップ、コーヒーサーバーを使用し、88℃のお湯で2分30秒かけてコーヒーを淹れると、淹れ終えた直後のコーヒーの温度は66.4℃になる。

考察・感想

いざ調べてみると、思ったよりも早くお湯の温度が下がっていくことがわかりました。夏の時期の温度の下がり方については詳細にデータを取っていないので確実なことは言えませんが、お湯の温度を90℃以下にするにはそれなりに時間を要した記憶があります。そう考えると、冬になってお湯の温度の低下速度が早くなったと言って良いと思います。

お湯の温度の低下速度が早くなることで、注意しなければならない点が1つあります。それは、いつも同じ手順・感覚でお湯をの温度を管理している場合、外気温によってお湯の温度に差が生じてしまうことです。私は普段、88℃のお湯でコーヒーを淹れますが、検証時以外は毎回温度計を使用しているわけではなく、おおよそ88℃になる手順や感覚を把握しておいて、いつもその通りコーヒーを淹れています。その手順を確立したのは今よりも暖かい時期なので、外気温の変化を考慮せずにそのまま手順を通年で実行してしまうと、外気温が低ければ想定よりもお湯の温度が下がってしまいますし、高ければ温度が高いままになってしまいます。

つまり、当たり前ですが、コーヒーを淹れるときのお湯の温度をしっかり管理したければ、外気温にあわせてお湯の温度管理時間を変えなければならないということです。夏では沸騰したお湯が90℃を下回るまで3分かかっていたとしても、冬には1分で90℃を下回るとした場合、夏の感覚で3分待ってしまうと、冬の場合には85℃までお湯が下がってしまった、ということになる可能性があります。こういった事態を回避するためには、外気温ごとの温度変化の感覚を掴み、外気温にあわせてお湯を冷ます時間を調整する必要があるでしょう。

ただ、どんな季節でも正確にお湯の温度を掴みたいなら、やはり温度計でお湯の温度を測るのがベストです。気温や季節に関わらず確実に美味しいコーヒーを飲みたいなら、安価なもので充分なので、温度計を所持しておくことをオススメします。

ただ、お湯の温度が下がる速度は早くなりましたが、抽出したコーヒーがぬるいということはなく、熱いコーヒーを淹れることが可能です。淹れ終えた後の温度の低下速度は早くなりますが・・・。淹れるときのお湯の温度や淹れ終えた後のコーヒーの温度、コーヒーを美味しく楽しむために”温度”は非常に重要なので、外気温にあわせてお湯の温度管理をするのがベストですね。

さいごに

実際温度計でお湯の温度が下がるスピードを確認してみて、毎朝結構低めのお湯でコーヒーを淹れてたなー、と感じました。最近、お湯の温度管理をサボっている人は、美味しいコーヒーを飲むためにも、季節の変わり目にはお湯の温度変化を確認しておいたほうが良いかもしれません。

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