静電気の影響を受けにくい、コーヒー粉の受け皿にぴったりの材質はどれだ!

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深煎りのコーヒー豆は静電気がひどい

冬になると金属を触るたびに静電気がバチバチ弾けて、物に触るのが億劫になります。冬に静電気でバチバチなりやすいのは、空気が乾燥している=空気中の水分が少ないため、空気中の水分を伝って外に静電気が放出されないからだとか。あんまり深く考えたこと無かったですが、なるほど納得が行く気がします。

そして、コーヒー豆も漏れなく静電気の影響を受けます。特に深煎りのコーヒー豆は水分が多く飛んでいっているせいか、挽いたときにステンレスのカップの側面に微粉がびっちりと付着します。大まかな微粉除去にはもってこいなのですが、全部が全部微粉というわけでもなく、指でスーッと剥がそうとすると今度は指にひっつくわで処理が大変です。

静電気対策に良かれと思ってステンレスのカップを利用していますが、そうでも無いのでしょうか。もしかすると、他の材質の受け皿のほうが静電気の影響を受けることなくキレイにコーヒー粉を受けられるのかもしれません。そこで今回は、材質の異なるコーヒー粉の受け皿をいくつか用意し、深煎りのコーヒー豆をキレイに受けることができるか、検証してみたいと思います。

受け皿を変えながらコーヒー豆を挽く

コーヒーミルは、フジローヤルのみるっこを使用します(みるっこのレビューはこちら)。みるっこは早くキレイにコーヒー豆を挽くことができますが、静電気が半端なく発生しやすい事で有名で、飛び散り防止としてステンレスのカップを普段利用しています。冬前は特に不便に感じませんでしたが、冬になってそれが逆に仇となっているように感じます・・・。

コーヒー豆は、この検証のために真っ黒テカテカになるまでざっくりと焙煎したコーヒー豆を使用します。

手網に入った深煎りのコーヒー豆

これでもかと、ガッツリ焙煎しました。ここまで黒いのは好みではないので、もったいないですが飲むつもりはありません。

受け皿には、6種類のカップやら器を用意しました。左から順に、いつも使用しているステンレスのカップ、紙コップ、内側が錫メッキになっている銅のタンブラー、数年前のローソンのポイント交換でもらったリラックマの陶磁器の器、ガラスの耐熱カップ、真空断熱タンブラーです。

6種類のカップ

似通った材質のものもありますが、家にあるやつだと用意できたのがこれくらい。

では早速検証開始です。まずはいつもどおり、ステンレスのカップで7gのコーヒー豆を中挽きで挽いてみます。みるっこのダイヤルでいうと6の粗さです。挽くときは全て、手で受け皿を持ち、排出口になるべく近づけて受けるようにします。受け皿を持ったらみるっこの電源を入れ、ダンパーを開けてコーヒー豆を挽き、粉砕音がしなくなったら電源を切って、少し左右に揺すった後、内部を確認します。

ステンレスカップに入ったコーヒー粉

いつも使用しているステンレスのカップで受けたあとの様子。暗いですが、側面に飛散しているのがわかります。

ただ、これでもいつもより大分マシです。こういうときだけ再現性が無いのはモヤモヤしますが・・・。良かれと思って深煎りにしすぎたでしょうか。それはさておき、サクサクいきます。次は耐熱ガラスカップです。同じ手順で挽いて、中身を確認します。

ガラスのカップに入ったコーヒー粉

あれ、ステンレスのカップよりもひどい気がします。

実は、みるっこでコーヒー豆を挽くときにステンレスのカップ以外を受け皿に利用したのはこれが初めてなのですが、ガラスのカップで受けたら挽いたそばから外側に飛散して、カップを持つ手の上までコーヒー粉まみれになりました。相当ひどい。ステンレスのカップではこんなことが無かったので、静電気によってどれだけ飛散が抑えられていたかを痛感しました。

早速(嫌な)発見がありましたが、どんどんいきます。次は、内側が錫メッキになった銅のタンブラーです。

銅のタンブラーに入ったコーヒー粉

まんべんなく、といったところ。ステンレスのカップよりもひっついている感じです。

次はリラックマの陶磁器の器です。

陶磁器の器に入ったコーヒー粉

こちらも全体的に飛び散っています。ただ横に広いのでそのせいも大きいか。そしてガラスカップ同様、手の上に乗るくらいあちこちに飛散しました。

次は真空断熱タンブラー。こちらはちょっと背が高いので、斜めにしてコーヒー粉を受けます。

真空断熱タンブラーに入ったコーヒー粉

見辛いですが、こちらも側面を埋め尽くすように微粉が張り付いています。

真空断熱タンブラーについては、挽いた直後は他と変わらないくらい側面にコーヒー粉が引っ付いていたのですが、粉を捨てるときにはスルッと落ちていって、他の材質の受け皿と比較して明らかに後始末の手間がかかりませんでした。

最後に紙コップを受け皿にしてコーヒー豆を挽きます。

紙コップに入ったコーヒー粉

これもやっぱり引っ付きました。そして挽いている途中の飛散っぷりもなかなかのものでした。

これで、今回用意した6種類の受け皿全てで、コーヒー粉の受けっぷりの確認は終了です。

感想・考察

写真を見て分かる通り、どの受け皿でも内部側面に静電気でコーヒー粉が付着することは変わりありませんでした。が、結局なんだかんがいつものステンレスカップが一番付着が少なかった気がします・・・。以外だったのが、それぞれの受け皿をひっくり返してコーヒー粉を捨てた後に再度内部を見ると、金属製のものよりも紙・陶磁器・ガラスの受け皿のほうが残りカスが多く存在していたことです。今回の検証としては、それらの材質のほうが電気を通しにくいはずので、取り除くときもスルリと取り除けるのではないかと踏んでいたのですが、真逆の結果になりました。

これは逆に、金属製のもののほうが電気を通しやすいので、受け皿を持つ手を伝って地面に電気が流れていって静電気が少なくなるので、微粉が受け皿に残りにくい・・・とかなのでしょうか。だいぶ大げさな感じがして仕方ないですが。でも、実際電気を通さないタイプのほうが粉の残りが多かったのは事実です。感覚的にはガラスカップが一番、ひっくり返した後の粉の残りが多い気がしました。

また、文章中にも書いた通り、金属ではないものを受け皿として利用したら、半端なく飛散することがわかりました。そして、みるっこの排出口の周りもコーヒー粉でびっちりになります。この有様を見た時点で、どのみち金属以外の受け皿をみるっこでは利用しないほうが良いことがはっきりと分かりました。

今回の検証結果で言うと、一番受け皿として勝手が良いのは真空断熱タンブラーでしょうか。側面に張り付いた粉がスルリと落ちて、他より格段に手間がかかりませんでした。真空二重構造、というところがキモなのでしょうか。それとも内部加工のおかげでしょうか。少しザラザラとしたような、独特な手触りですしね。ちなみにサーモスのやつです。

ステンレスの受け皿のせいで、微粉が静電気で受け皿の内部側面に張り付いて面倒なのでは・・・なんて思ってこの検証を実施しましたが、逆でした。自分、静電気に守られていました。職場じゃパソコンのUSB端子の部分に触ったら静電気でパチっといってパソコンが真っ暗になったり面倒ばっかりだと思っていましたが、コーヒー豆を挽くときだけは、静電気は味方のようです。

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