コーヒー用のネル生地を手縫いして自作ネルフィルターを製作する

  •  
  •  抽出器具
  •  ペーパーフィルター

ネルドリップ用のフィルターをつくる

なにかの拍子に、自分の中にある”ほどほどのDIY精神”が顔を出すことがあります。少し前にもそういったタイミングがあって、何故かは覚えていませんが、そのときはネルフィルターを自作しようと思い立ち、とりあえずAmazonでネルドリップ用の生地と縫い合わせるための糸を購入しました。

ただ、そのときは色々と忙しかったのですぐには取り掛からず、材料を放置していました。少し経っていま時間に余裕ができたので、購入していた生地を引っ張り出してきてネルフィルターを縫って作ってみることにしました。

ネル生地を切って縫う

ネル生地は、Amazonでコーヒー抽出専用を謳う食品用の片面起毛のネル生地を購入しました。

食品用ネル生地1mカット(珈琲抽出専用ネル生地) 生地巾(約1m)×1mカット・片面起毛タイプ

パッケージに入ったネル生地

購入したネル生地。これ一つあれば、毎日ネルドリップしても年単位で持ちそうなくらい、十分な量です。

糸はレザークラフトで利用している蝋引きのポリエステル糸・・・とはいきません。食品を扱うので、ネル生地と同じように食品に使用しても問題のない素材で探し、細めのたこ糸を見つけたのでそれを使うことにしました。

たくみ 純綿水糸 100M巻 NO.2

たこ糸

縫製用のたこ糸。100mもいりませんが、これしかありませんでした。価格は安いので問題ないですが。

ネルフィルターを作るにあたっては、まず型紙を準備する必要があります。型紙をつくるにはその形を決めなければいけませんが、これは既存のハリオのネルフィルターを分解して真似することにします。使い古した、水気を切っておいたハリオのネルフィルターの縫製部分の糸を切り取って、パーツ別に分解します。

使用済みのハリオのネルフィルター

何回も利用しているハリオのネルフィルター。

分解したハリオのネルフィルター

分解すると、ハンドルを通す袖とボディ×2という感じになりました。

ハンドルは流用するつもりなので、ボディのサイズは一致させたいと思いますが、問題は袖の部分。パーツが増えると縫製が面倒なので、今回はボディを織り込む形で袖にして対応することにします。ボディを織り込むと少し小さくなるため、本来そこを考慮して型紙を作ってやりたいところですが、1杯分ドリップできるサイズであれば良いので、サイズの縮小は無視します。・・・・・・・・・・・・すみません、本当は袖の部分を考慮してサイズを変えてつくるのが面倒なだけです。

ということで、ボディと同じサイズの型紙を1つだけ準備することにします。

型紙をのせたネル生地

型紙。ボディをなぞって厚紙に大枠を作り、サイズを図ってざっくりと形を整えました。

型紙ができたら、ネル生地を適当な大きさに切って、型紙をのせてペンで型を写していきます。型を写したら、ハサミでチョキチョキと切っていきます。裁ちバサミを持っているのですが、現在引っ越し作業中でもうどこかのダンボールに梱包していて、取り出すのが面倒なので普通のハサミで切りましたが、やっぱり普通のハサミだと布は切りにくいです。

自作ネルフィルターのパーツ

切り取ったネル生地。切り口がジャギー。

あとは縫製です。適切な長さに切り取ったタコ糸の両端に、細い縫い針を通したら、まずはハンドルを通す袖の部分を縫っていきます。ボディの上部を適当な長さで折り返して、チクチクと縫う。出だしは細かく縫っていましたが、だんだん面倒くさくなってきて、ハンドル通すだけだし良いかと思ったのでざっくりと適当に縫いました。

袖を縫ったら、ボディの部分を縫い合わせます。ハリオのネルフィルターはミシンで縫ってあるためガッチリとした縫い目になっていましたが、手縫いでは無理なので平縫いで。こちらは縫い目が粗いと粉が流れていきそうなので、袖よりも細かい縫い目で縫っていきます。

それにしても、布を縫うのも中々に面倒です。たまに手縫いでレザークラフトをするのでそれよりかは全然楽だろうと思っていましたが、レザークラフトは縫い穴を先に開けているため、ある程度キレイに縫えますし、穴を狙っていけば良いのでスムーズに縫えますが、布は穴が空いていないため針を刺す位置を毎回決めなければいけないので、一縫いごとに少し時間がかかります。見た目は割とどうでも良いので、時間優先でチクチク縫っていきました。

自作ネルフィルター

完成したネルフィルター。この完成度の低さは売り物にはできそうにありません。

ハリオのネルフィルター用のハンドルに袖を通してみると、やはり少し小さくなってしまったためか、途中で引っかかりましたが、ずらしつつ入れてやればちゃんと装着することができました。やはり、少し窮屈な感じですが、1杯分なら問題なさそうです。

ハンドルをセットした自作ネルフィルター

ネルフィルターにハンドルを通したところ。

自作ネルフィルターでコーヒーをドリップする

さっそく、コーヒーをドリップしてみます。ネル生地は糊が付いているので、使用前に煮沸します。煮えたお湯にネルフィルターを入れて、10分くらい煮込みます。煮込んだら取り出して水気を切って、ハンドルを通します。

中挽きのコーヒー粉を13g投入して、2分程かけてコーヒーをドリップ。お湯の抜けはスムーズで、それを反映するかのように、抽出したコーヒーは思ったよりクリアな味わい。ネルよりもペーパーフィルター寄りな気がします。水を絞るときに握った感じ、ハリオのネルフィルターより薄い感じがしたので、生地の厚さが要因でしょうか。平縫いだったので微粉が紛れ込まないか心配でしたが、微粉の混入はありませんでした。また、繊維の混入なども同様にありませんでした。

コーヒー抽出後の自作ネルフィルター

抽出後のネルフィルター。コーヒー色でも、まだまだ新品の気があります。

感想・考察

前述したとおり、ネル生地(布)を手縫いで縫うのは結構面倒臭かったですが、そのぶん完成したネルフィルターへの愛着も湧きました(まあ、今回は実験的な部分が強かったので雑に作りましたが)。ただ、ネルフィルターは水につけて保管しておく必要があることを考慮すると、引っ越し前までしか利用できませんが・・・。せめて新居への引っ越しまでは、このネルフィルターで沢山コーヒーをドリップしたいと思います。

反省としては、ミシンを出すまでもないと思っていましたが、縫っていた時間を考えると、さっさとミシン使ってしまえばよかったなあと思いました。たこ糸等食品に利用できる糸が使えればですが。ミシンがあればよりガッチリと、スピーディに縫製できますし、ネルドリップも加速すること間違いなしです。

ミシンを持っていて、ネルドリップが好きで、でもコストが気になっている方には自作ネルフィルターは結構良いかもしれません。また、形は自由自在なので、自分の好きな形状のネルフィルターを作れるというのも楽しいポイントかと思います。また機会があれば、別の形のネルフィルターも作ってみたいと思います。

コメントを残す


CAPTCHA