性能にほぼ隙なし。コーヒーミル”フジローヤルみるっこDX R-220”レビュー

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新しいコーヒーミルを買いました

少し前にナイスカットミルの掃除をした際に、ミルの刃が削れていて寿命がきていることを察しました。換えの刃があるとの情報も頂きましたが、価格だったり、もっと良いミルを試してみたいという気持ちがあったので、これを機に思い切ってコーヒーミルを買い換えることにしました。

買い替えにあたっては色々レビューを見比べて、価格・性能でかなり悩みましたが、最終的にフジローヤルの"みるっこDX"を購入することに決めました。電動コーヒーミルも新製品が色々出ている中、みるっこは古い製品の部類に入りますが、どこを見ても評価が高く、それに絡めてコーヒー豆を挽くという作業は昔も今も変わらないことを考慮すると、きっと古くから完成された製品であるということで、必ずしも新しい製品である必要がないと感じたことが購入の決め手になりました。

とまあ、のっけから期待値が高めのみるっこ、果たしてその実力はどの程度なのでしょうか。開梱から実際にコーヒー豆を挽いてコーヒーをドリップするところまで、レビューしていきたいと思います。

みるっこ開梱

改めてになりますが、今回購入したのは、"みるっこDX R-220"というコーヒーミル。単に”みるっこ”と呼ばれます。刃の種類がグラインダー臼とカット臼の2種類あり、グラインダー臼のものになります。まずはミル本体と、同梱物等の確認からしていきます。

フジローヤル 小型高性能ミル みるっこDX 【スタンダード】 レッド R-220

みるっこ パッケージ

みるっこの外箱。届いたばかりの荷姿がこれ。結構デカイ。

外箱を開けると、中にぎっちりと詰まった発泡スチロール。引き抜いて取り出すと、みるっこセット一式が現れました。

発泡スチロールに収まったみるっこ

梱包内容は本体・ホッパー・粉受け・説明書。

とりあえず全てビニール袋から取り出します。ホッパー・粉受けを取り出して、次は本体を取り出そうとすると・・・かなり重い!ナイスカットミルのイメージで持ち上げようとしましたが、3倍くらいは重量があるでしょうか。かなりズッシリとしています。ちなみにみるっこの重量の公称は5kg。ダンベル代わりに使えます。

横から見たみるっこ

みるっこ本体。見た目じゃわかりにくいですが、本体素材の上部は金属で、柱含む下のパーツはプラスチック。土台底面は金属になっています。

ナイスカットミルに無い特徴として、ダンパーがあります。ダンパーはホッパーと本体の間についていて、コーヒー豆を挽く前は閉じたままにしておきます。説明書によると挽くときは、①ホッパーにコーヒー豆を入れる、②みるっこの電源を入れる、③ダンパーを開ける、という手順で行うようです。ダンパーを電源投入後に開けることで、コーヒー豆が全て同じ条件で挽かれるようになるということですね。おそらく、電源投入前にコーヒー豆をミルの中に入れてしまうと挽き具合に差が出るためダンパーがあるのでしょう。

みるっこ ダンパー

銀色のフタがダンパー。根本の部分を触ると横にスライドして開閉できます。

そしてダイヤル。ダイヤルは1〜10までの数字が振ってありますが、それぞれの数字の間にもセットできるため、19段階で設定できるようになっています。

みるっこ ダイヤル

みるっこのダイヤル部分。カチカチとスムーズに動きます。

刃も見てみましょう。刃を確認するためには、ダイヤル両端のネジを取り外す必要があります。ただ、プラスネジではないためプライヤー類の工具が必要になります。今回はネジザウルスで取り外しました。

みるっこ ダイヤル取り外し

ネジを側面から掴んで分解します。

ネジを外してダイヤルを取り外し、前側の刃を取り外してみると、本体側の刃が見えてきます。前述したとおり刃はグラインダー臼になっていて、カット式の刃とはまた違った独特な形状をしています。

分解したみるっこ 

規則的に並んだ刃。中央の白いのはグリス的なやつです。

粉受けはプラスチック製で、ナイスカットミルに付属していたものと比較して大型です。業務用でも利用される前提のため粉受けも大きいのでしょうか。

みるっこ 粉受け

フタ付きの粉受け。フタの入り口の部分には金属が埋め込まれています。静電気対策でしょうか。

説明書はみるっこの歴史を感じると言うか、表紙から長年変わってない感じがヒシヒシと伝わってきます。老舗感。

みるっこの取り扱い説明書

懐かしい感じの写真。昔から変わっていないというアピールでしょうか。ちなみに説明書の中身自体は古臭さを感じませんでした。

本体と付属品を一通り眺められたので、実際にコーヒー豆を挽いてみます。

みるっこでコーヒー豆を挽いてみる

みるっこの1・5・10のダイヤルで、コーヒー豆を挽いて粒度をチェックしてみます。実験的に挽くので、コーヒー豆は適当に中深煎りに自家焙煎したブラジルのコーヒー豆を10gずつ使用します。まずは、みるっこで最も細い1のダイヤルから試していきます。

コーヒー豆を挽くにあたり、まず本体にホッパーをセットします。ホッパーは、”差し込む”というより”置く”感じで、セットしても本体とつながった感じがしません。ゆるゆるです。次にダンパーを閉じて、コーヒー豆を投入。粉受けをセットして電源を入れます。電源を入れると、”フィーン”といった高めの動作音が。音の系統が違いますが、ナイスカットミルと比較してみるっこのほうが静かです。また、重量があるおかげか、振動も少ないようです。最後にダンパーを開けるとコーヒー豆がミルに落ちていってコーヒー豆が挽かれるのですが、これがとても早い。ナイスカットミルの7〜8倍くらいは早いと思います。10gなんて挽かれる音がしたと思ったら、一瞬で終わります。すごい速さです。

挽き終わったら電源を切って、粉受けを取り外します。中身を見ると・・・、粉受け本体側はそうでもないですが、フタの裏に微粉が静電気で引っ付いていました。やはり、フタの金属は微粉除去のためのようです。ただ、ミル本体の粉の排出口にも静電気でコーヒー粉がびっしりと詰まっていたので、あまり意味ないような・・・。前評判である程度静電気に問題があるのは分かっていたので、想像よりは酷くないかなとは思いましたが、それとは別でやはり粉受けが一人用を挽くのには大きすぎると感じました。粉を全て粉受けからキレイに取り出すのがけっこう面倒です。

みるっこでコーヒー豆を挽いた後の粉受け

挽いた後の粉受け。一人分にこの大きさはなかなか扱いにくいです。

挽いたコーヒー粉を皿に取り出してみます。粒度が細かいせいもで見分けが付きにくいのもあるかもしれませんが、微粉は少ないように見えます。

みるっこのダイヤル1で挽いたコーヒー粉

みるっこの1のダイヤルで挽いたコーヒー豆。もう少し粗目に挽いてみないと。

次はダイヤルを5にセットして挽いてみます。また、標準の粉受けが使いにくいので、ナイスカットミル付属のステンレス製の粉受けを使用してみます。

ステンレスの粉受けをセットしたみるっこ

このスタイル。実際に挽くときは手で持って排出口に当てて粉を受けます。手で持つのは、飛び散り防止と、静電気が多い季節だとコーヒー豆を挽いた後粉受けに触るとバチっとくるのを防ぐためです。

挽いてみると、おお、ちょっとだけ周りに粉が飛び散りましたが、ミル本体の排出口まわりには粉がひっつくこともなく、ステンレスの粉受けを使用することでストレスフリーになりました。残念ですが、初日にして標準の粉受けとはさよならする形になりそうです。挽いたコーヒー粉は、先程と同じように皿に移します。粒度は、完璧にキレイってことも無いようですが、かなりキレイなんじゃないでしょうか。

みるっこのダイヤル5で挽いたコーヒー粉

みるっこの5のダイヤルで挽いたコーヒー豆。大きい粒も、細かい微粉も見受けられます。

ここで比較対象として、ナイスカットミルの中間である4のダイヤルで同じコーヒー豆を挽いてみました。

ナイスカットミルのダイヤル4で挽いたコーヒー粉

これはナイスカットミル4のダイヤルで挽いたコーヒー豆。みるっこの中間のダイヤルのほうが目が細かいようであまり比較になりませんが、みるっこのほうが粒度が整っている感じです。

最後はみるっこで最も粗い、10のダイヤルで挽いてみます。

みるっこのダイヤル10で挽いたコーヒー粉

みるっこの10のダイヤルで挽いたコーヒー豆。流石に粗すぎて使い所はなさそうです。こう見ると、刃の形状のせいか、切ったと言うより削った・砕いたという感じが強い気がします。

いくつか挽いて試してみた感じでは、ミルの性能に不足は無さそうで、これなら美味しいコーヒーをドリップすることができそうです。早速、コーヒーをドリップして飲んでみたいと思います。

コーヒーを飲み比べる

G1のモカを15g、みるっことナイスカットミルでそれぞれ挽いて、100mlのコーヒードリップして飲み比べをしてみます。ドリップはV60を使用したペーパードリップにします。お湯を沸かして、温度を調整して、2杯のコーヒーを立て続けにドリップします。

先に、ナイスカットミルで挽いたコーヒー豆を使用した方から頂きます。口に含むと、酸味と少しの苦味、ベリー系の香りが広がります。いつ飲んでもモカのスペシャルティコーヒーは美味しいです。一方みるっこで挽いたコーヒー豆でドリップした方はというと・・・。味の大枠はもちろん変わりませんが、こちらのほうが味がスッキリとクリア・かつ酸味がマイルドに感じます。こちらに比べると、ナイスカットミルの方でドリップしたほうは刺さるような酸味に感じられます。

まあ、ミルが違うので初見でまったく同じ粒度にできていない部分もあるかもしれませんが、この2杯を比較すると、結構味わいに差がある感じがします。みるっこで挽いたコーヒーのほうが確実に美味しくドリップできたと言えるでしょう。5年以上ほぼ毎日働き続けたナイスカットミル相手にして言うのもアレですが・・・。

感想・考察

高くて新しいものを購入した、という先入観が全くないとは言いませんが、みるっこの購入は総合的に良い買い物をしたと思えました。コーヒー豆を挽く速度はとても早く、動作音もうるさくなく、粒度は申し分なく、ドリップしたコーヒーも美味しい。価格に見合ったクオリティを提供している製品だと感じます。

問題点があるとしたら、重量が重いことと、粉受けに付随する静電気周りの問題でしょうか。ただ、静電気についてはステンレスの粉受けを使用することで早々に解決できたので、ほぼ問題にはならないでしょう。ただ、ステンレスの粉受けがない場合は予め準備するか、工夫が必要かもしれません。また、付属の粉受けも大きめなので、使わない場合は所在に少し困るでしょうか・・・。

重量が重いことについてはどうにもならないので諦めます。まあ、ナイスカットミルと比較して重いという話で、5kg程度の重さでどうこうなることもないので、そもそも個人的に問題にはならないのですが、重量の点で気になる人は事前に留意しておいたほうが良いでしょう。心配なら、5kgのダンベルを買って配置したい場所に置いたり持ってみるのも良いと思います。

これから先しばらくお世話になるコーヒーミル、今回のファーストインプレッションではみるっこを選んで正解だと感じました。ナイスカットミルと勝手が違うのでまだ慣れるのに時間がかかりそうですが、徐々に慣らしていきたいと思います。また、今回のレビューがみるっこの購入を検討している方の参考になればと思います。

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