豆乳で牛乳よりも美味しいカフェオレを作ることができるのか

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豆乳で美味しいカフェオレが作れるのか

前回は成分無調整の豆乳と牛乳で作ったでカフェオレの飲み比べをしましたが、はっきり言って成分無調整の豆乳で作ったカフェオレ(ソイオレ?)は美味しくありませんでした。ただ、美味しくない理由が豆乳が成分無調整のものだったからなのか、成分無調整じゃなければ美味しくなるのか、そこまではわかりませんでした。

今回はその謎を検証するため、成分無調整の豆乳の他に調整豆乳を用意しました。これらを用いてカフェオレを作って飲み比べ、牛乳で作ったカフェオレのように美味しいカフェオレを作ることができるのか、再検証してみたいと思います。

コーヒーを淹れる条件

今回淹れたコーヒーは、以下の条件のもと抽出しています。

  • 使用したコーヒー豆:ルワンダ
  • 焙煎度:フルシティローストぐらい
  • コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
  • ドリッパー:ハリオ V60透過ドリッパー01(ガラス)
  • コーヒーポット:ユキワ M-5
  • フィルター:ハリオ V60ペーパーフィルター01W(ホワイト)
  • 秤:ハリオ ドリップスケール
  • 豆の使用量:20g
  • お湯の温度:約88℃
  • 蒸らし時間:20秒
  • 抽出量:130ml

3種類の豆乳でカフェオレを作る

まずは今回使用する豆乳についてですが、前述した2種類の豆乳をスーパーに買いに行ったところ、成分無調整、調整以外に”特濃”というものが並んでいました。2種類で比較するつもりでしたが、せっかくなので特濃も加えて3種類で試してみることにしました。メーカーはどいつもこいつもキッコーマンです。

キッコーマンの3種類の豆乳

特濃だけトクホマークが付いているのが気になります。ちなみに、コレステロールは気になっていません。

今回は料理に使うついでではないので、リッターパックではなく200mlのサイズを購入しました。このシリーズは色んな味が出ているので、色々試してみると面白いかもしれません。ちなみに、前回の検証の考察で脂肪分について触れましたが、これらの豆乳の脂肪分はそれぞれ以下のようになっていました(200mlあたり)。

  • 成分無調整:7.3g
  • 調整:7.7g
  • 特濃:6.0g

ここで意外だったのが、特濃が一番脂肪分が低いことです。あと、成分無調整と調整ではさほど脂肪分に差がないという点も気になります。この差は果たしてカフェオレに現れるのか、飲み比べがますます楽しみになりました。

それぞれカップに移して色味も見てみます。

ガラスカップに入った3種類の豆乳

並びは紙パックと一緒です。調整が一番白く、特濃が一番黒っぽいというか色が濃い感じです。

豆乳を見比べたら早速カフェオレを作ります。作り方は前回同様、小鍋に豆乳を入れ弱火で温めつつ、並行してコーヒーをドリップしていきます。コーヒーをドリップし終わる頃には豆乳が良い具合に温まっているので、小鍋にコーヒーをそのまま入れて、軽く混ぜたらカップに注いで完成です。比率はコーヒー130mlの豆乳140ml、豆乳は揮発などのロスを考慮してコーヒーよりも10ml余分にしていますが、1対1と考えて良いでしょう。

3種類のカフェオレを飲み比べる

豆乳で作った3杯のカフェオレがこちら。

ガラスカップに入った豆乳で作った3種類のカフェオレ

左から無調整、調整、特濃。やっぱり調整がいちばん一番白に近く、特濃が一番濃い色です。

まずは無調整の豆乳から飲んでみます。口に含むと、やっぱり大豆の苦味と匂いが目立ちます。口当たりも水っぽく、滑らかさがありません。また、今回使用したコーヒー豆の焙煎度が前回使用したコーヒー豆ほど深煎りでないことも相まって、コーヒー感がすこぶる薄い。大豆が強すぎます。

次に、気になる調整豆乳のお味を。一口飲むと、無調整ほどではありませんが、やっぱり大豆の匂いはあります。ただ、口当たりは滑らかになっていて、無調整よりも全然美味しく飲むことができます。後味に変な苦味が残る感じですが・・・。

最後に緊急参加の特濃。こちらは特濃というだけあって、大豆の苦味が無調整より強く感じられる気がします。ただ、無調整のように水っぽくはなく、口当たりは調整豆乳に近い感じです。しかし、単純に大豆の味が濃いので、カフェオレには向いていないと思いました。調整豆乳のほうがコーヒーとの相性は良いでしょう。

考察・感想

3種類の豆乳を試しましたが、結論から言うと豆乳じゃ牛乳で作ったカフェオレには敵いません。どうしても豆乳で作るなら、成分無調整や特濃よりも調整豆乳で作るべきだとは言えますが、結局大豆の味や匂いがしてしまうので、よほどの理由がなければ牛乳でカフェオレは作るべきでしょう。

豆乳では牛乳のカフェオレを超えられないことは分かりましたが、前回の予想に挙げていた、滑らかさと脂肪分の関係についてだけもう少し掘り下げておこうと思います。前回の検証の際、無調整の豆乳と牛乳の差は脂肪分で、脂肪分が多いから牛乳のカフェオレは滑らかな口当たりで美味しいと考察しました。ただ、今回飲み比べた限りでは、無調整よりも脂肪分の含有量が少ない特濃のほうが口当たりは滑らかなカフェオレになりました。

この差について再度成分から考えると、乳化剤の有無による影響が考えられます。今回使用した豆乳の成分表を見てみると、無調整の豆乳は大豆のみとなっていましたが、調整と特濃には乳化剤が使用されていました。乳化剤について少し調べてみると、乳化剤とは水と油のような本来混ざらないものを均一に混ぜ合わせる(乳化する)ものだとのことでした。そう聞くと、なるほど調整豆乳や特濃で作ったカフェオレのほうが口当たりが滑らかになるのは当たり前かもとも思いますが、ただそれはあくまで豆乳として乳化させるための乳化剤であって、乳化剤が入った豆乳がコーヒーと組み合わさるとコーヒーとも上手い具合に混ざり合う、なんていうのは少々都合が良すぎる考えのようにも思います。

ただ、牛乳自体が乳化している液体である点を考えると、あながち間違いではないのかとも思います。牛乳は水分の中に油が分散している水中油滴型と呼ばれる形で乳化しているらしく、乳化剤が入った豆乳とコーヒーで作ったカフェオレも、牛乳で作ったカフェオレも、どちらも口当たりは滑らかで、かつ大豆だけの無調整豆乳で作ったカフェオレは滑らかではなく水っぽい感じになることを考慮すると、カフェオレにおいての滑らかな口当たりや一体感というのは乳化がキーになっているのかもしれません。

・・・とまあ、だいぶ主観じみてしまいましたが、感じたことを無理やり落とし込むとこんな感じでしょうか。コーヒーと豆乳の一体感とか難しく考えずに言えば、無調整の豆乳でつくるカフェオレはなんか水っぽい、の一言でも済ませてしまっても良いと思います。なんにせよ確実に言えることは、カフェオレは豆乳よりも牛乳で作ったほうが美味しい、ということです。

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